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あなたの隣のサイコさん:超合理的で他人の感情を意に介さない危険なアノ人たち

あなたはこれまで何年もの間、わたしに対して仕事の引き継ぎを一度もしてくれなかった。そのために、わたしが仕事で酷い目にあってきても、ただの一度も謝罪をしてくれなかった。

これは、サイコパス的な人に宛てた被害者の手紙ではなく、サイコパス的な同僚がわたしに手渡したメモの内容です。

今回は、わたしがこの手紙を受け取るに至った経緯を紐解いて、わたしたちの身近にいるサイコさんたちの特性や危険について、考察しようと思います。


この記事におけるサイコさんてどんな人?

サイコパスって、よく耳にする言葉ですね。きちんとした定義ではないのですが、一般的には

他人の痛みに対する共感がない
自己中心的な行動をしても構わないと感じている
自己中心的な合理性が高い

などの特徴が強い傾向の気質を指して用いられます。

よく、犯罪者とか、犯罪傾向のある人に対して「サイコパス」ということがあると思いますが、これは正確ではありません。

すべてのサイコパスが犯罪的ではありません。自分にとって快適な状態になるために行動する傾向が強いので、そのために合理的であれば、法律も守りますし、業務において優秀であったりもします。

ただ、いわゆる「良心の呵責」みたいな感覚が弱い、というか根本的に欠けていたりするので、自分にとって都合が悪いとか「使えない」となった時には、その相手を裏切ったり切り捨てたりするのにためらいがありません。

この記事では、科学的に厳密な意味でのサイコパスではなくて、これまであげたような特徴が顕著な人を、サイコさんと呼ぶことにします。

わたしのとなりのサイコさんはこんな人

仕事の点では優秀な人です。基本的に飲み込みは早いし、理解力も高い。わたしはどちらかというと事務的なことが苦手なかわりに、勤め先全体の組織のことや、関係するルールの全容がざっくりわかるので、それを踏まえて大きく物事を動かすのが得意な方です。

なので、事務的な部分で手が切れる彼女とは業務面では補完関係にあり、関係性がうまくいっている間は、かなりの成績を叩き出していました。

ただ、当初から気になることがいくつもありました。

まず、業務についての好き嫌いが激しい。これは誰でもあるわけですが、嫌いな業務はあからさまに「得意でも好きでもないのでやりません」と。

これを「上」には言わないんですね。むしろ上や、直接業務が被らない同僚たちには「わたしはどんな業務でも喜んでやります!」と、ステキな笑顔で言っているわけです。

じゃあ、誰に対して「やらない」と言うかというと、業務上のパートナーのような存在であるわたしに対してのみ、しかもかれこれ10年近く言い続けているわけです。

わたしは職場で少し異質な存在でして。中途採用の専門職なので、いわゆる出世のラインにはまったく入っていません。なので、退職するその日まで、わたしが彼女の上司になる可能性はゼロなのですね。

一方、彼女が「わたし何でもやります!」と言っている相手は、若手さんも含め「ライン」にいる人たち。この線引きが驚くほど明確なわけです。

さらに、ある種の業務については、「そもそもウチの係でやるべきことなのか」「これはウチの仕事ではないのではないか」「やるにしても、こんなに手をかけて丁寧にやらなくていいのではないか」と、約10年の間ずっと言い続けたりしていました。

ほら、会社の仕事で、「これはウチの仕事、こっちはアソコの仕事」と白黒ハッキリしているやつと、必要な業務なんだけどグレーな奴ってあるでしょ?あれです。

いろんな経緯もあって、ウチがやらないと回らないし、あなたが来る前からそうなっているから、今後もやりますよ。そう言い続けてるんですけど、結局は納得いってないわけですね。じゃあ、あなたの意見として上に言いなよ、わたしは別に異存はないわけだからって言うわけですが、絶対に言わない。

要は、出世のラインにはないものの、一定程度影響力を持つわたしを動かしたいんですね。自分は知らん顔で。で、うまくいったら楽できるよね、と。

こんな具合に、仕事はできるし表面上は感じもいい。でも、一皮めくると「気に入らないことはあからさまに拒否するし、わたしにはあからさまにキレるし、わたしを操って嫌いな業務を縮小させようとする」という極めて利己的な人が、わたしの業務上のパートナーというわけです。

サイコさんが牙を剥くまでの道のりの話

そんなこんなで時折は不機嫌にもなり、キレてもおり、それでも10年ばかり「平和な均衡」が保たれていました。

いくつもの理由がありますが、基本的にはわたしが各方面で高く評価され、信頼を得ていることが大きかったようです。

事務的にはイマイチなわたしなのですが、業務全体で考えると、関連する別の部署の仕事もよく知っているし、いわゆる実績もあげているんです。ぶっちゃけ同業者の研修会で講師を務めたり、大きな表彰をされたりもしてるんですね、意外なことに。

なので、こう言っちゃなんですけど、この業界および職場内で結構わたしの評判がいいんです。「グレーゾーン」の仕事を引き受けてあげたり、繁忙期には個人的に別部署の業務に手を貸したりしているので、そういう人間関係のギブアンドテイク的なのもあります。

そういう事情もあって、最終的にはわたしへの攻撃の矛先を収めていたサイコさんですが、うちの仕事の担当さん(ラインの人)と部署のトップ(課長氏)が変わったころから、妙な動きがはじまります。

この担当さん、親しみを込めて「ポンコちゃん」と呼んでいます。もちろん心の中で。

ぶっちゃけ業務的には抜けが多く、結構フォローをしてきました。要は業務がよくわかってない人なのだけども、人柄はとても素直でいい子なわけです。彼女がある時期から、チョイチョイと変なことを言いはじめます。

要は「サイコさんから聞いたんですけど、仕事面でいろいろとやらかしてませんか」と。

まあ待て、ポンコちゃん。これまで業務の垣根を超えて、キミのフォローをしてきたのは、このオッサンじゃないかね?

キミが意味不明なやりとりをして切られそうになった案件で、代わりに事情説明して首をつなぎ、追加の説明書類を作って逆転採用に繋げたのは誰なんだい?

結局のところ、こういうことが「見えない」うえに「人を疑わない」子に、サイコさんが長い時間かけて、アルコトナイコトを吹き込んでいたようなんですね。どうも「あの人は外面はいいが、内実はわたしが彼のフォローで疲弊しており、正直困っている」という内容っぽいですね。

アホくさいのでスルーしていましたが、ある日、意味がわからないところでサイコさんが牙を剥きます。

サイコさんが本格的に牙を剥く前夜

サイコさんのお客さん(Aさん)から電話がかかってきました。サイコさんが不在だったので話を聞くと「ある案件についてBさんに相談しようとしたが、Bさんは不在だった。この件についてサイコさんの見解を聞きたい」という内容です。

実はこの案件は、外部のBさんに引き継ぎが終わっており、Bさんに窓口が一本化されています。ここで中途半端にサイコさんがコメントする必要はないし、むしろするべきでもない。

しかも話を聞けば、Bさんは外出中で一時的に連絡が取れないだけで、期限も十分にあるし、今日の日のうちにBさんに話がつながればいい。

で、Aさんに「この件ってBさん案件ですよね?で、Bさんは今日のうちには連絡が取れる。うちのサイコさんが見解を述べることはできないし、Bさんの回答を待ってもらってもいいですか?」と伝えました。

すると「は、はい。そうします」と。

実はAさん、やや精神疾患気味で、気になったことは聞かずにおれない。だから「うちで回答はできないよ」と伝えれば、それで良いという内容でした。

という電話のやり取りだったので、特にサイコさんには電話があったことも言わなかったし、その必要もないかと思ってもいました。

翌日、心配性のAさんがサイコさんを訪ねてきました。で、Aさんが帰ったあと、サイコさんがすごい剣幕で「昨日、Aさんから電話があったこと、わたしに引き継いでないですよね」と。

それに対して「ええ、こういう内容だったので、とくにお伝えする必要はないかと思って」と言いました。すると「何で引き継ぎしないんですか!」と来たわけです。

ですので、「引き継ぎしなかったのはごめんなさい。でも、今回の電話は大したことでないと思って。サイコさん、引き継ぎがなくて、何か困ったことでもあったんですか?」と聞いてみました。

すると黙っている。

黙ったまま、もういいと言わんばかりに無言でその場を立ち去りました。内容的に困った事態は起こっていないんじゃないかと思ってもいたので、ちょっと正直言って意味がわからなかったわけです。

で、翌日に第二ラウンドが起こります。

サイコさんが本格的に牙を剥いた日

この日、ウチのお客さんがサイコさんを訪ねてきました。短く何か話して、サイコさんが頭を下げて戻ってきました。

すると、いきなり次のようにキレはじめます。

「あの人の案件、あなたが引き継ぎの連絡をしてくれなかったせいで、ダメになりました」

いきなりの剣幕に部署全体の空気が凍ります。

「あなたが、引き継ぎをしなかったからダメになったんです。これも大したことがないことですか。引き継ぎをしないことは大したことではないんですか。あなたが引き継ぎをしないことで、わたしが頭を下げることについてはどう思っているんですか」

と、まくしたてます。

わたしは途中「あの人の案件は、口頭ではありますが引き継ぎをしていたと思いますが」と説明しますけれども、「引き継ぎがない」の一点張り。もちろん記憶のことなので、何とも言いようはないのですが、何となく一方的になじられる感じになったわけです。

たまたま、この出来事の少しあとに、わたしとポンコちゃんがペアで外出する用事があり、車に向かって歩いていると

「大変でしたね」とポンコちゃん。彼女は人柄はいいので、すぐに気遣ってくれます。これは正直うれしい。

「証拠があるわけではないので、証明はできないんですが、わたし、引き継ぎはしているはずなんですよ」と漏らすと、すかさずポンコちゃんが「ですよね!わたし、引き継ぎのメモをサイコさんの机に置いているのを見た気がしますし」と。

まあ待て。なぜ、それをあの場で言わないんだね。そういうところが以下略なのではないかね。

とはいえ、そのメモ自体も残っていないし、確たる物的証拠もないので、わたしはポンコちゃんにこう言いました。

「これから話すことは、わたしの側の、わたしの記憶による説明です。少なくとも、何かの行き違いがあった以上、わたしにも確実に責任の一端はあります。ただ、一応は、わたしの側の言い分も聞いてもらえますか」

もともとサイコさんの案件だったが、彼女がどうしても休まねばならないから、代わりにやりとりをしておいてくれと言われた。

話を聞いて、先方の言っていることなど、引き継いだ内容や状況と異なる点がいろいろあったので、引き継ぎが必要だと考えた。しかし、その日はポンコちゃんも知っているように、もともとわたしには先約などがある多忙な日で、サイコさんの顧客の対応ができるかどうかもあやしい日だった。そのため、この案件については、わたしもしくはポンコちゃん、いずれか対応できる方がやってくださいということだったと記憶している。

これが金曜の話で、月曜日はわたしが急な体調不良で休むこととなった。

おそらくポンコちゃんも、サイコさんから引き継ぎを受けた時点で、「この案件は緊急対応が必要」とか、「月曜日には必ず引き継ぎが欲しい」などとは聞いていないはずだ。

それでわたしも、翌日に口頭でサイコさんに引き継ぎをした。サイコさんから「ということは、この件はわたしから先方に電話をかけた方がいいだろうか」と訊かれたので、「そうしてください」と返事をしたと記憶している。(ポンコちゃんも「あーなんかうっすら覚えてる」と言っておりました)

なので、引き継ぎがなかったというのは少なくとも事実ではないし、わたしの引き継ぎが月曜でなかったことが原因で話が潰れたというのも、辻褄が合わない気がしている。まして、わたしは記憶が薄いものの、わたしが彼女の机にメモを残していたことをポンコちゃんが覚えていたとなると、どうにもサイコさんの言っていることは根本的に事実誤認がある気がしている。

ただ、今のサイコさんに、こういう話をしても聞き入れられないだろうから、落ち着くまではポンコちゃんの内に、この話をとどめておいてほしい。

そして不幸の手紙が手渡された

結局、この日から完全無視となりまして。ポンコちゃんとの外出から帰ると、待ち構えていたように完全無視の宣言文とも言える「不幸の手紙」が手渡されました。

冒頭にも書いたように「あなたはこれまで何年もの間、わたしに対して仕事の引き継ぎを一度もしてくれなかった。そのために、わたしが仕事で酷い目にあってきても、ただの一度も謝罪をしてくれなかった」という、なかなかにツッコミどころの多い手紙です。

で、ツッコミつつ釈明をしてみましょう。

あなたはこれまで何年もの間、わたしに対して仕事の引き継ぎを一度もしてくれなかった:業務回りませんて……( ̄▽ ̄;)

不思議に思って、ちょっと職場のパソコンで「引き継ぎ」で検索すると、出るわ出るわ……。わたし、意外と引き継ぎは文書でする人間でして。もちろん簡単なことは口頭で済ませているんですけどね。

ただ、文書の数がこれだけあるとなると、たぶん口頭の引き継ぎはもっと多いはず。時々忘れることがあっても、10年近く一度も引き継ぎがないなんてことは、ちょっと考えられないわけです。

わたしが仕事で酷い目にあってきても:全然ないとは言えないんですが、ただ10年近く彼女から、そういうクレームが入ったことはないんですね。たぶん連絡漏れもあったが、大抵は軽微で、大事になるような深刻な引き継ぎの漏れはなかったからだと思っています。

ただの一度も謝罪をしてくれなかった:サイコさんからのクレームがないので謝罪したことはないはずです。

正確にいうと、わたしが記憶している限り、引き継ぎをしなかったことで食ってかかられたのは、「Aさんから、Bさんに連絡したいが留守なので」という、あの件がはじめてです。

その際も謝罪しなかったのではなく、(1)引き継ぎをしなかったのは事実である(2)その点が問題だというのであれば申し訳ない(3)とはいえ疑問な点がある(4)何か実害はあったのかと述べています。

実害があったのならキチンと謝るべきなので、説明してほしい。そう言っているわけです。

先にも書いたように、おそらく実害はない。むしろ、引き継ぎ先のBに無断でウチが回答やアドバイスをする方がトラブルになるやつです。そのことについてはサイコさんも以前「この件はBに引き継いだので、ウチが手出しすることはなくなりました」と。

そういう文脈で「この件は大したことでないと思った」と発言したわけです。

彼女のこの時には黙って引き下がっています。何の実害があったか説明もないし、そもそも彼女の過去の業務進捗の報告からしても実害があろうはずがない。むしろ、わたしは彼女もAさんに「それはウチでは回答できないから、直接Bさんに聞いてほしい」と説明している場面を目にもしている。

なので、この不幸の手紙を読んだときには「これはいったい何が目的なのだろう?」と、しばらく悩んでしまいました。

いくらかの推論:ここは単なる想像と妄想の世界

実は昨年のある時期から、サイコさんが業務に関して「ここまでやる必要があるのか」と絡んでくる回数が増えていました。

先にも述べた通り、わたしはそれに対しては「わたしは必要だと思う」と回答し続けてきました。

また、業務量に関して言えば、わたしが各方面と連携する仕事(サイコさんがやらない仕事)を一手に引き受けている関係で、サイコさんは月に数回優雅に新聞を読む余裕がありますが、わたしは大体余裕なしです。

サイコさんは(実はわたしも)基本的に残業なしの人です。

何でもそうですけど、ひとつの業務だけ専念するより、少量多品種の仕事をするほうが、手間ひまかかります。そのような事情もあり、大体わたしの方がバタバタしていたりします。

それもあって、わたしサイコさんには「あなた、余裕あるじゃん」とも思っています。だから「ご不満があるなら、あなたが直接上にモノ申してください」と言って、サイコさんの苦情は取り合わないできました。実際問題、わたしには権限もないのでね。

それに伴って、ポンコちゃんがどうも変なことを吹き込まれはじめ、とうとうこんなことまで起きた。

着々と何かが進行していく感じですね。

おそらく、こうなるんじゃないですかね?

この部署における、プラスアルファ業務をなくすべきである。そんな業務にアイツ(わたし)が時間と手間を取られているから、わたしは「過去10年近くの間、一度も業務の引き継ぎも受けられず、何度も顧客に謝罪させられているなど、たいそう迷惑している」という感じ。

ちょうど昨年度の人事異動で就任したウチの部署のトップが「仕事できない系」の人で、「ええカッコしい」なんですよね。

なので、女性が泣き付いたら、変な男気スイッチ入れて、訳わかんないことを言い出しちゃう可能性がけっこうある。サイコさんの人間観察は、曲がっているなりに的確で、これまでもけっこうな人たちが掌の上で転がされてもいますんで。たぶん「チョロい」と思われてるんじゃないかと。

なので、わたし、たぶん近々課長面談になると思います(予言)

まとめ:となりのサイコさんの底知れない怖さについて

彼女がウチの部署に来てからのことを振り返るにつけ、この手の「となりのサイコさん」って怖いなあ……と実感しています。

わたしがずっと同じ仕事をしてきた10年近くを振り返ってみて、サイコさんが同僚である場合にどんなリスクがあるのか、最後に挙げていこうと思います。

戦略的に外面(そとづら)がいい

サイコさんって、自分の快適さのための努力は厭いません。合理的に考えて、どう行動したら自分の「巣」が気持ちよくなるか計算し、最短ルートで実現しようとします。

なので、ラインにいないわたしにはキレたり仕掛けたりしますが、ラインにいる人たち(自分の上司になりうる人たち)には、正直気持ち悪いくらい友好的です。言うたら24時間お世辞を言い続けられる感じ。

「おいおい、それはさすがにお世辞にも程があるだろう」っていう内容。わたしたちは口に出すのをためらいます。恥ずかしいとか、お世辞を言うことへの罪悪感があるからです。

ですが、あなたのとなりのサイコさんには、罪悪感がありません。

自分の快適さを実現するという目的を達成するための行動は、この人たちにとってはすべて「正しい」からです。

リスクは他人に負わせようとする(他人を操る)

業務を減らすだの、他の部署に押し付けろだの、そういう「自分が主張していることがバレたら、自分の評判が落ちるかもしれないこと」は、極力自分ではやりません。

自分では手を汚さずに、安全な場所から、他人をコントロールして目的を達成しようとします

最初は、出世のラインにはいないものの、職場に内外で一目置かれているわたしに「DCさんのお力で、これを実現してくださいよぉ〜」とすり寄ってきました。

しかし、わたしがまったく籠絡されず、自分のコントロール下に入らないとわかると、対立的なポジションを取るようになります。

そして、より扱いやすいポンコちゃんや、おそらくウチの新課長氏あたりを籠絡して、外堀を埋めはじめていると言ったところです。ポンコちゃんがわたしに、サイコさんの意を汲んだ「クレーム」をつけてきたのは、サイコさんに操られているからということですね。

緻密に準備する

実はサイコさんの不幸の手紙には「今回および他のときに、引き継ぎをメールの下書きに残されても困る」という一文がありました。

おい、俺、引き継ぎしてるって、自分で認めとるやないかい。

で、下書きメールで引き継ぎですが、これはサイコさんがはじめたことです。共用のメールアドレスの下書きに保存しとけば、メモの共有が楽でしょ的な。なので、わたしも「サイコさんがやりやすい方法ではあるし、まあ楽なので」とお付き合いしております。

それでも、かなりガッツリ説明を要することは、引き継ぎ文書を毎回作成しており、その痕跡がパソコンにも残っています。

で、この引き継ぎの下書きメールですが、基本的にわたしが消去してます。何となく、いつのまにか、そういう感じになりました。

そんならもしかして、下書きになんか残ってるかなあと見に行ったら、キレイに下書きメールが全部消えているという。わたし最近消してないんで、残ってるものもあるはずなんですが、「ああ、この不幸の手紙に先立って、全部消しやがったな」と。

こういう緻密さも、あなたの隣のサイコさんの得意技です。

平然とウソをつく(そして裏切る)

まあ、コレがいちばん怖いかもですね。そもそもやべえ奴だと思っていても、今回のように見事にやられると、さすがにショックも受けています。

わたしたちって、ウソとか裏切りはやましいんですよ。だから、どこかでうろたえたり、ビクビクしたり、罪悪感を表に出しちゃうことが多いですね。それがまったくない。そこは怖い。

なので、彼女のウソは見破りにくいんですよ。

たとえば、子どもの目をじっと見て「それ本当なのかな?」とか聞くと、けっこうウソが見破れる。罪悪感や動揺という感情が、どうしても漏れちゃうからです。

これが「一点の曇りもない瞳で平然とウソをつく人」だと、どうしてもだまされちゃうわけですね。「まさかあの人が」ってヤツです。ある意味で人間らしい感情とか道徳心がないので、本当に平気なのだと思われます。

「生活費がない人は死ねばいいじゃないですか」「末期がんとわかって、余命宣告されて、それでも生きることの諦めがつかないってどういう感情なんですかね」という人に、わたしたちの持つ「いわゆる人間らしさ」は求められないってことです。

自分以外の人間の破滅や不幸に心が痛まない

もしも今回、彼女の思うとおりに物事が進んだ場合、ウチの職場におけるわたしの評判はガタ落ちになる可能性があります。

まあ、影響は限定的だと信じたいところですが、それでも無傷で切り抜けられるかどうかは微妙です。そうやって、自分がウソ、もしくは不正確な情報で相手を陥れた場合、その相手が不幸になったり最悪職を失ったりする可能性を思い描かない。

おそらく、そうなったとしても、「あーせいせいした」と笑いながらカフェでケーキ食べられるのが、あなたのとなりのサイコさんです。

なので、この手の人に目をつけられたが最後、親しくなると支配下におこうと画策されますし、距離を置くと「陥れてやろう」と思われるかもしれない訳です。

補足:今後のことはわたしへの通信簿

なかなかヤバいやつに、変な絡まれ方をして、さすがにちょっと参っています。今回のことは、基本的には「根も葉もないこと」ですし、お互いに「主張を裏付ける物証がない」という状況です。

すると、サイコさんに対しては「まさか、根も葉もないことで、みんなの前でブチ切れるはずはないだろう」という見方が一般的であろうと思いますから、わたしが「やってないことの証明」をするハメになっております。

でも無理なんですよ。

無実を証明するのは無理なんです。引き継ぎの証拠の下書きメールも机に置いたメモも、サイコさんが握りつぶしたわけですし。口頭の引き継ぎ内容も「聞いてない」と言い張られています。

なので、もうこの件では何の反論もしないで黙っています。

あとは、これまでのわたしの言動から、周囲の人たちが「どちらを信じるかを選ぶ」フェーズだと思っています。

わたくしごとで恐縮ですが、わたしサイコさんのいないところで、サイコさんの悪口言ったことってないんですね。

あと、人事異動でウチの部署の担当者が変わるたびに、「なにか決めるときにはサイコさんに先に意向を聞いて、そちらを優先してください。わたしはこの部署の先輩で、年上で、しかも男性です。わたしの意向が先に出たら、サイコさんはモノが言えなくなります。よほどのことでない限り、サイコさんのやりやすい方向で構いませんので、そのような取り扱いでお願いします」と伝えています。

もちろんサイコさんはこのことを知りません。

そういうことが、まったく影響しない場合は、わたしがその程度の人間だったということ。しんどいしショックだけども、それが事実です。

それでも、できるだけ自分のことを後回しにして、関係する人たち全体の利益を考えて行動してきた自負はあります。その歴史が、今回のことに耐えられるのか。もうしばらく針のむしろに座って見守りたいと思います。

追伸:あっけなく職場を追放されて転職していたら、そっと見守ってください。








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