彼氏・旦那はなぜペアダンスをいっしょに踊ってくれないのか
ペアダンスをやっていると、社交ダンス、アルゼンチンタンゴ、ハッスルなど、どの界隈でも聞こえてくるのが「彼氏・旦那がいっしょに踊ってくれない」というもの。
そのために彼女・妻が一人でダンスを習っているという方は非常に多い。
今回の記事では、この問題における彼氏・旦那がいっしょに踊ってくれない理由と解決策について考えていこうと思う。
彼氏・旦那が踊ってくれない理由
彼氏・旦那が踊ってくれない理由としてよく聞こえてくるのは、以下のようなものだ。
ダンスなんてはずかしい
初心者の自分を周りに見られるのがイヤ
リズム感がない
センスがない
パートナー以外と手をつなぐのに抵抗がある
これらをそれぞれ、深掘りして考えてみよう。
1. ダンスなんてはずかしい
日本人は周りの目を気にしすぎる傾向が非常に強い。周りから変な目で見られるのを極端に嫌う。
それと古くからの亭主関白もともない、「女性に優しくするなんてカッコ悪いしはずかしい」「男はムスッとしてるのがいい」「腕組みでもしてどんと構えてるのが男らしい」「ダンスなんて女がやるもので男がやるものじゃない」などの日本人的気質による価値観で、ダンス・ペアダンスを拒む男性が多い。
まずペアダンスに限らないダンス全般に関してだが、「ダンスができる男性はカッコいい」と言える。
ダンス教室というと女の子が習うイメージがあり、バレエやジャズダンスなどは明確に女の子・女性しか募集していない教室もまだまだある。
それもあり、男性が踊るのは男らしくないというイメージがあるのかもしれない。しかし、昨今の情報化時代において男性がカッコよく踊っている動画は無数に広まっている。
ジャニーズやK-POP、フィギュアスケート、古くはマイケル・ジャクソンなど、ダンスができる男性はカッコいいというイメージは世の中的にすでに確立していると言え、女性からも社会的にも男性が踊ることにポジティブなイメージがもたれている。
ペアダンスに関しては、日本人男性が考える男性のカッコよさと、世の中で考えられる男性のカッコよさにギャップがあると言える。
日本人男性が考える男性のカッコよさは、前述した「女性に優しくするなんてカッコ悪いしはずかしい」「男はムスッとしてるのがいい」「腕組みでもしてどんと構えてるのが男らしい」のようなものだ。
しかし、世の中的に考えられる男性のカッコよさは以下のようなものだ。
・パートナーや周りの人に優しく接することができ、
・進んでいろんなことにいっしょに取り組んでくれて、
・頼りがいがあり、
・スマートにパートナーをエスコートしてくれる
私は、日本人男性が考える男性のカッコよさを続けてきた結果が、現在の離婚率38%なのだと思う。
思いやりをもってパートナーに接することができるよう、男性も女性も成長し続けることが、よい恋愛関係、夫婦関係を築くことにつながるのだと信じている。
ペアダンスを男性がはじめると、これらの「世の中で考えられる男性のカッコよさ」が身についていき、パートナーとの絆をより強固なものにしていける。
2. 初心者の自分を周りに見られるのがイヤ
「ダンスなんてしたことがないからできない」「上手な人がいる中で、自分だけ初心者なのはイヤ」という話をよく聞く。
人は年齢を重ねると保守的になっていく。いまできることしかできないなら、生まれたときから、いまの自分ができることは全てできていたのだろうか。そんなことはない。
まずは、保守的になってしまっている自分の状態を自覚するのがよい。保守的な自分が行き着く先を想像してみよう。
・時代の変化に対応できなくなり、周りから煙たがられる自分
・子どもにはいろいろ挑戦させるのに、自分はリビングでダラダラしている未来
・いまの会社に未来がないように思えるけど、転職できる自信がなくてできない
保守的になっていることに自覚をもてたなら、次に自覚するべきことは「新しいことをはじめるときは、なんであれ・だれであれ、初心者からなんだ」ということだ。
積み上げてきたものがある人にとっては、ゼロから新しいことを始めることに抵抗があるのかもしれない。しかし、新しいことを始めると人生の幅が増える。新たな仲間、新たな価値観、いままでの自分の経験が実はほかの分野でも活かせるということ、新しく始めることがいままでの自分のフィールドにも役立てられるということなど、新たな発見がある。
そして、大人になってからは得られにくい「先生」をもつことができる。
自分とは違う分野を突き詰めてきた方から、自分がもっていないものを受け取ることができる。
私もいまでは「上司」というものがいない仕事をしているが、それもあってダンスで「先生」がいる安心感をありがたく感じている。
とはいえ、どうしても気持ち的に「周りに初心者な自分を見られたくない」というのを払拭できないこともあるだろう。
そういった場合には、ダンス教室で周期的に初心者募集をする際に申し込んだり (周りがみんな初心者)、プライベートレッスンで自分たちだけで先生に習うところから始めるなどもできる。
3. リズム感がない
ペアダンサーの多くは、はじめはリズム感がないので大丈夫だ。
はじめて1年くらいはみんな「音をとるのがむずかしい」と言っている。
リズム感は先天的に身についているものではない。
意識的に音楽を聞いたり、先生から音楽のとらえかたを習うことで徐々に身についていくものだ。
4. センスがない
センスはある・ないものではなく、磨くものだ。
最初からセンスがある人なんていない。
習っていくうちにセンスは自然と磨かれていくので大丈夫だ。
5. パートナー以外と手をつなぐのに抵抗がある
あなたはパートナーとこの上なく最高なコミュニケーションをとれているだろうか?それにYESと答えられる人は少ないだろう。
先生やほかの生徒と手をつなぎ、いろいろなフィードバックを得ることにより、本来の自分のパートナーとの接し方を振り返ることができ、改善につなげることができる。
ペアダンス教室を「コミュニケーション教室」ととらえて習ってみるとよいだろう。
おわりに
この記事では、ペアダンスにいっしょに取り組んでくれない彼氏・旦那について考えてみた。しかし、成功事例を多く観測できているわけではない。
そういった成功事例、もしくはうまくいかなかった、こんな理由でも踊ってくれないなどあれば私に教えていただきたい。