【vol.4】インドで学んだ「持続可能」な生き方/小川美農里さん
ダーナビレッジの広報スタッフ、サエがお届けするインタビューシリーズ。今回は、ダーナビレッジのオーナー・小川美農里さんにお話を伺いました。ダーナビレッジ立ち上げまでの経緯や、美農里さん自身の価値観の変化、今の取り組みに対する想いなどなど、全5回にわたってお届けします。
「vol.4」では、看護師を辞めて訪れたインドのエコビレッジでの経験や、ダーナビレッジ創設の背景についてご紹介します。
ダーナビレッジとは、「すべてのいのちが輝く社会づくり」をテーマに、健康回復とじぶん発見をめざす体験型の宿泊施設です。ヨガやセラピーなどの体験、隣接する農場で育てた有機野菜のお食事などを通して、「本来のじぶんらしさを取り戻す」お手伝いをしています。
自分が楽しくやっていることが、みんなの幸せとして循環していく。
ー持続可能な社会づくりの実現にむけて、4年勤めた看護師を辞めてインドにあるエコビレッジ「オーロヴィル(Auroville)」へ行かれたとのことですが、その動機や現地での取り組みについて教えてください。
美農里さん:東日本大震災や原発事故が発生して、改めて持続可能な生き方や、自分らしくあることの大切さを実感したんです。オーロヴィルでは、医療も農業も、生きる営みすべてが持続可能なかたちで行われていると聞いていたので、自分がめざしている社会のかたちがここにあるんじゃないかと思って。それに、世界をまわってさまざまな格差・貧困社会の実情を目の当たりにして、難民キャンプでボランティアをしたり国際協力に携わったりしたもものの、それらを通して自分ができることってすごくちっぽけなんですよね。それを実感したから、自分が海外に出て社会貢献をするよりも、日本にいる人々を勇気づけたり、持続可能な社会をつくったり、仲間を増やしたりと、日本で活動したいと考えるようになりました。オーロヴィルは、そのための学びの場だったんです。
美農里さん:オーロヴィルには、1年半ほど滞在しました。コミュニティーファームといって、滞在しているみなさんと共同生活をしながら農業に取り組んだり、村内にあるヒーリングセンターでお手伝いをしたり、オーロヴィルの近くにある村のヘルスセンターでボランティアとして活動したり。
ーオーロヴィルで滞在されてみて、特にどんなことが学びになりましたか?
美農里さん:もっとも学びになったのは、みんなの自由意志に基づきながら、みんなの幸せにつながる取り組みが展開されているということです。誰かに言われたからやってるとか、自分を犠牲にして誰かの幸せを叶えるとかではなく、自分の人生楽しみながら、社会もよくなる仕組みであること。それが、持続可能な生き方の土台ではないかと思いました。
ー滞在中も、日本での計画について考えたりされましたか?
美農里さん:そうですね、ここで学んだことをどこで実践しようか考えていました。最初は、母校がある山口県や三重県を候補に入れていたんですが、ふるさとの福島県のことがずっと気になっていて。福島に帰るのは嫌だなと思う反面、福島だからこそ持続可能で、本質的にゆたかに生きられる場所をつくり、世界に発信できるモデルになれるかもしれないと考えたんです。
パートナーのウィックさんと一緒に、ダーナビレッジを創設。
美農里さん:日本に完全帰国するまでに、「バイオダイナミック・クレニオ・セイクラルセラピー」というボディタッチを通してからだの自然治癒力を高める治療法に出合って、技術を学ぶために日本とインドを行き来していました。完全帰国したのは、2016年のこと。オーロヴィルで出会ったオランダ人のウィックと一緒に、福島県西会津町でダーナビレッジをスタートしたんです。
ーどうして西会津町を選んだのでしょうか?
美農里さん:帰国してから数週間くらいで場所が決まった記憶があります(笑)。ダーナビレッジは、もともと小学校の分校だった木造校舎をリノベーションして立ち上げたのですが、たまたまこの町を訪れたときに空き物件になると聞いて。ここは安座(あざ)という集落にあり、瞑想するにもぴったりな場所だ!と思って、ここに決めました。
ーわたしも何度も安座集落やダーナビレッジへ訪れましたが、まわりとぐるっと山に囲まれていて、いつ来ても見惚れるほど美しい場所だと思います。
美農里さん:山の持つエネルギーがすごいですよね。
その人しにかない、美しいギフトを贈りあえる場に。
ー「ダーナビレッジ」の名前の由来って何ですか?
美農里さん:「ダーナ(dana)」はサンスクリット語で「贈りもの(ギフト)」という意味なんです。誰もが、その人にしかない美しい贈りものを持っている。天から与えられたギフトを交換しあえる場所にしたいという想いから、「ダーナビレッジ(Dana Village)」と名付けました。
▷vol.5に続きます!