幸福追求権の保障

全ての国民は、個人として尊重される、生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

これが憲法13条に規定される幸福追求権の保障。

人間が人間らしく生きることを人格的生存と呼ぶが、それを守るために必要な権利が新しい人権であり、幸福追求権に関して実生活に直結する権利はこの後から生まれた「新しい人権」の方。

新しい人権が生まれた経緯

肖像権関係
みたりに容貌や姿態を撮影されない自由の保障(京都府学連事件判例)
プライバシー関係
・みだりに前科などを公表されない利益(ノンフィクション逆転事件判例)
・みだりに指紋押印を強制されない自由(指紋押印拒否訴訟判例)
・使命や連絡先などの個人情報の保護(江沢民講演会事件判例)

ちなみに宗教関係では、「静謐な宗教環境で信仰生活を送る利益」については判例で認められていないらしい。

肖像権に関する有名な事件は京都府学連事件で、デモ参加学生の撮影をした警察官の行為は公共の福祉に資するもので、撮影されない自由は認めつつも公共の福祉のもとに制限を受けた。
つまり、警察官による撮影は肖像権の侵害とはならなかった。

プライバシーに関する有名な事件はノンフィクション逆転事件江沢民講演会事件指紋押印拒否訴訟などがあり、これらの事件によってはじめて「新しい人権」として具体的なものが登場してきたということらしい。

幸福追求権という抽象的な規定から実際の事件を通して肖像権やプライバシーなどの具体的な規定が生まれるのが面白いと感じた。

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