週報5月⑤
リッピングしたもの
Vinyl
James Blood Ulmer - Black Rock(1982)
Ornette ColemanのHarmolodicsの担い手として有名なギタリストのソロ作。1980年にMayo Thompsonプロデュースでラフトレードからのリリースもある。タイトル曲"Black Rock"の前のめりな勢いがかっこよすぎる。ドラムは共演も多いCalvin Weston(Calvin Westonはフィールドが似ているRonald Shannon Jacksonとよく混同する)。
Klaus Schulze & Andreas Grosser - Babel(1987)
Klaus Schulzeと、1981年にカセット作品をひとつリリースしている電子音楽作家Andreas Grosserとの共作。シュルツェにしては明快?な感じなのでAndreas Grosserの個性が出ている?80年代共演ものとしては封印されている画家Ernst FuchsとBloss、Schulzeの共演盤が気になるのですがリイシューはまだ…。
Michael Rother - Fernwärme(1982)
Neu!の片割れのギタリスト、Michael RotherのSkyからポリドールに移ってのソロ作。邦題『熱地帯』。ドラムは引き続きJaki Liebezeitがサポートしていて安定感がある。
Tim Buckley - Starsailor(1970)
前作のLorcaから続くフリージャズとフォークの融合の集大成のような作品。2000年代のフリーフォークの源流のひとつとも言えるやつ。オリジナルはザッパのストレイト・レコードから出ていて、Mothers of Inventionから一部参加しているらしいです。フリーキーな中のソングライトセンスが光る。
Ssaliva - We Never Happened(2017)
ベルギーの電子音楽作家François Boulanger。ベルギーのEksterレーベルから。日本盤も出ていた『Be Me(2015)』がChillwave以降、ニューエイジ再評価時代のアンビエント~エレクトロニカとして刺さったのが有名。2017年にRVNG Intl.のジャパンショーケースで来日してるみたいですね。
小久保隆 - A Dream Sails Out To Sea (Get At The Wave)(1987)
アニメサントラのエレクトリック・ファンタジーシリーズ(シンセアレンジみたいなやつ)で有名な作曲家小久保隆。元は1987年にサンヨー(現パナ傘下)のレーベルから出ていたニューエイジ・バレアリックな『Get At The Wave』。オリジナルは藤竜也のフォトエッセイ+音楽となっており、こんなのもあったみたいで、プロモーションの一環という感じ。Lag Recordsからのリイシューは小久保隆の個人アルバムとしてパッケージし直している。涼しげな青いクリアレコードにオリジナルのバレアリック感を感じる。
Abner Jay - Man Walked On The Moon(2019)
Abner Jayは1960~70年代に活動していたジョージア州出身のマルチ奏者/ワンマンバンド・ブルースマンで、アウトサイダー・アーティストとして語られたりもするらしい。このLPは米Mississippi Recordsがリイシューした2作品のコンピレーション・アルバム。 "I Cried"、"Sitting On The~"とかフォーク要素もかなりありますね。
CD
Takao - Stealth[Gold Edition](2021)
Em Recordsからの2018年の同作品『Stealth』を再度作り直し、新曲を追加した「Gold Edition」。
Saal2 - Auf Der Suche Nach Dem Glück(1994)
1980年結成、当初はElectro-Pop/New Waveとして活動したドイツのバンドの1994年作。形態によってはSaal 3やSaal 4となるみたいです。
GAME
Mind Walker(1986/Amiga1000) - Bill Williams
ゲームデザイナーBill Williamsがデザイン・作曲を担当し、Synapse SoftwareがAmiga1000向けに開発したもの。人間の脳に入り込み精神病を治療するというやや尖った内容のサイケデリックなゲーム。精神分析の影響を受けておりフロイト先生がゲーム中で出てくる。自分はニコニコ動画でとくにないです氏の紹介動画で知ったのだが、ウゴウゴルーガのプロデューサがこのゲームを紹介していたらしいので知る人は知っていたのかな。
Bill WilliamsはAtari 8-bitのSalmon Run(1982)という鮭が川を遡上するゲームでデビュー。アタリにあったAtari Program Exchangeというソフトウェアの通信販売部門でアマチュアのソフトウェアも募集しており、これを通して配布されている。Salmon Runも水の音の表現がすごい気がしますね。
ちなみに、Atari Program Exchangeのカタログの表紙がいい感じなんで見てください。
Atari Program Exchange Catalog (Fall 1983) : Free Download, Borrow, and Streaming : Internet Archive