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忘れられないゲームの記憶。

(だいぶ昔のゲームですが一応…多少ネタバレしてます。)


 誰かの悪い企みから、私が世界を守るんだ!

 RPGというのは総じて、そういうスタンスで始まるものだと思っていました。しかし、【レナス】は違った。私(主人公)自身がやらかしたことの始末をつけるための冒険譚だったのです。

 封印されし古代機械をまんまと解き放ってしまった私(主人公)。目覚めた時の世界の変わり様。それが全て私(主人公…厳密には違うとも言えるのですが)のせいであるということ。

 幼かった私にとって、それは相当にショッキングな出来事でした。

(うわああああ!!)

 私は反射的にスーパーファミコンのリセットボタンを押しました。

 無かったことにしたのです。こんなにひどい事になるくらいなら、私は何もしない方がいい。その先の冒険も、他の町も、これから会えるはずだった景色も人も、何も知らないままでいい。

 ゲームの話です。それは十分にわかっていました。それでも私はしばらくの間、そのゲームをプレイ(冒頭だけですが)したことさえ誰にも言えずにいました。世界をあんな風にしてしまったことを、本気で無かったことにしようと努力していたのです。

(数年後、少しだけ大人になった私はゲームだと割り切って再プレイし、四苦八苦しながらも何とかエンディングを迎えるわけですが。楽しかった。)

 大人になった今、二つ、思うことがあります。

 一つ。

 リアルでは、悪いことが起こるかどうかなんて判らないけれど、悪いことが起こりそうだなと思うことは結構頻繁にある。そういう時、何もしないことは果たしてどんな結果を招くのだろうか。

 二つ。

 あの日、リセットしたあの世界は、実はまだ存在しているのではないだろうか。封印を解かれたまま放置されている、あの世界。それは恐らく、私が覚えている限りは。

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