dami

言葉で何かを表現したい人。引っ込み思案を引っ込ませたいです。

dami

言葉で何かを表現したい人。引っ込み思案を引っ込ませたいです。

最近の記事

  • 固定された記事

創作を中心に。

この場をお借りして自己紹介。 恋愛小説が好きな一児の 母です。 福島在住の いたって平凡な 区役所 職員です。 四駆が欲しい今日この頃。 このばをおかりしてじこしょうかい。 れんあいしょうせつがすきないちじの ははです。 ふくしまざいじゅうの いたってへいぼんな くやくしょ しょくいんです よんくがほしいきょうこのごろ。

    • 酔いたい夜【ショートストーリー】

       僕は酒を飲まない。理由はいくつかある。まず、頭が痛くなること。それから、父をはじめとして、学生時代の先輩、友人、どこを見ても酔っ払いにはろくな人間が居なかったこと。経験則ではあるが、根付いてしまったイメージというものはなかなか払拭されないものだ。そして何より最もたる理由は、酒が苦くて不味いからだ。  とは言え、酒を飲まないと言うだけで、酒に恨みがある訳ではない。我が物顔で延々と語られる酒のうんちくは聞くに堪えないが、話を振られてさりげなくおすすめの酒を紹介している上司を見

      • 5人のフィルター【創作ショートストーリー】

        平日の早朝、とあるカフェにて。 1人目  ぼく、あのおじちゃん知ってるよ。あのおじちゃん宇宙人なんだよ!このまえね、テレビで見たもん。お父さんみたいにね、スーツきててね、四角のカバンもっててね、メガネなんだよ。それでね、みんなが仕事に行かなきゃいけない時間にね、その人はべつに行かなくていいからね、こういうお店でね、コーヒー飲むの。でもそれはウソでね、みんなに宇宙人だっていうのをバレないようにするためでね、ほんとは飲んでないの。宇宙人のエネルギーはさとうだから、甘いのばっか

        • クリスマスのサプライズ【創作文】

           シャンシャンシャン、シャンシャンシャン。  この時季お馴染みのクリスマスソングが、そこいらで流れている。至るところにツリーが置かれ、電飾がチカチカと点いたり消えたりしていて、何と言うか陽気だ。結構、結構。存分に浮かれるがいい。私はそんな浮かれた方々から、お給料を頂いているのだから。かく言う私のアルバイト先である飲食店も、店先にツリーを飾っている。クリスマスソングをBGMに、従業員たちは半ばやけくそで笑顔を振りまいていた。  夜9時過ぎ。いつもの3割増しくらいの疲労を感じ

        • 固定された記事

        創作を中心に。

          やさしい友達。2

          * * *  家にいると、気持ちが悪くなることがあった。テレビの音、温かい部屋、ご飯の匂い。アットホームを絵にかいたような、やさしさの溢れるその家で、自分だけが異質であるような気がするのだ。次第に私は、家族の目を盗んで、夜に家を抜け出すようになった。  あの夜もそうだった。  家族におやすみを言った後、自室の窓から外へ出た。行きたい場所があったわけではない。足の赴くままに、もうほとんど人気の無い道を歩いて、気づけば近所の公園に辿り着いた。何気なくその敷地内に足を踏み入れ

          やさしい友達。2

          やさしい友達。1

          真夜中の公園で、女の子に会った。 女の子は暗がりの中、たった一人で猫を埋めていた。 * * *  幼い頃から、母に「やさしい子」と言われて育ってきた。「人にはやさしくしなさい」でも、「やさしい人になりなさい」でもなく、ただ「あなたはやさしい子ね」と言われて育ってきた。  きっと私は、やさしい子であるべきなのだ。  そう思ってからは、やさしいと言われている人の言動を真似るようになった。その人と同じ表情を作った。きっと今は笑うべきで、今は泣くべきなんだ。これは喜ぶべきこと

          やさしい友達。1

          弥立つ【ショートストーリー】

          親愛なる君へ 私は今、福島県の会津に来ています。 さっきようやく旅館に辿り着きました。 ようやくっていうのは、 別に道に迷ったとかじゃなくて、 強い風が吹いていたからです。 あんなにたくさんの雪の粒が空中を舞うのを、 私は初めて見ました。 見せたいなあ。混じり気のない一面の白。 ここには、高い建物があまりなくて、 空がとても広いんです。 この吹雪が晴れたら、 きっと星もよく見えると思います。 もしも今、隣に君が居たら、 この風景も、一層素敵に見えるのだろうなあ。 また、手紙

          弥立つ【ショートストーリー】

          忘れられないゲームの記憶。

          (だいぶ昔のゲームですが一応…多少ネタバレしてます。)  誰かの悪い企みから、私が世界を守るんだ!  RPGというのは総じて、そういうスタンスで始まるものだと思っていました。しかし、【レナス】は違った。私(主人公)自身がやらかしたことの始末をつけるための冒険譚だったのです。  封印されし古代機械をまんまと解き放ってしまった私(主人公)。目覚めた時の世界の変わり様。それが全て私(主人公…厳密には違うとも言えるのですが)のせいであるということ。  幼かった私にとって、それ

          忘れられないゲームの記憶。