レトロゲームの追憶 #01 ブルーシャーク(TAITO/1978)
かつて「ゲームセンターあらし」と呼ばれた筆者が幼少期に出会ったビデオゲーム紹介と、ゲームにまつわる懐古をゆる~く綴ります。
ブルーシャークのゲーム内容
ブルーシャークは、潜水士となって水中銃で海中のサメやタコを狙い撃ちするゲームです。
獲物を仕留めたときの得点は200~500点。遠くの獲物ほど高得点ですが、タコだけは例外で400点です。タコは瞬間移動するので仕留めにくい獲物となっています。
時間が経つとダイバーが現れます。誤ってダイバーを撃ってしまうとマイナス500点!かなり痛い減点を喰らいます。
プレイは淡々としていて同じことを繰り返すだけです。時間切れでゲームオーバーになります。
ブルーシャークの思い出
ブルーシャークは、オレが生まれて初めてプレイしたビデオゲームなのね。このゲームによって人生が決まってしまったと言っても過言じゃないんですよ。
母の実家は土産物の問屋で、近所や離れた街の観光施設に土産物を卸してたの。配達は伯父さんが担当してて、よくクルマで一緒に連れて行ってもらってたのね。
伯父さんは寡黙な人で幼心にちょっと怖い雰囲気があったんだけど、叱られた記憶は全然ないからきっと優しい人だったんだと思う。「きっと」ていうのは、叔父さんは病気で30代で亡くなったから、当時幼かった自分とはあまり会話したことがなくて、結局よく知らないままお別れしちゃったんだよね。
話を元に戻そうか。どこの観光施設にもちょっとしたゲームコーナーがあって、まあ子供向けのエレメカが中心のラインアップなんだけど、小遣いもらってモグラたたきやカプセルのクレーンゲームなどをするのが楽しみだったわけ。
とある日、隣町の観光施設に行ったら見たこともないデカい筐体があったのよ。驚いて駆け寄ってみたら「ブルーシャーク」だって!シビれるネーミングだよね。
カラフルに彩られたアップライト筐体に、カッコイイ水中銃のコントローラー!こんなの、子どもが嫌いなはずがないじゃない。
「これ、やりたい!」
デカい声で叫んだら、従業員のおばちゃんが台を持ってきてくれたのよ。ここまでしてもらったら、やらないわけにはいかないよね(金持ってないけど)。実はちびっ子のずる賢い計算なのだ…プププ!
て、よく見たら1回100円かーい!高けぇ~!
でも後には引けない!恐る恐る伯父さんの方へ視線を向けると、ニコニコしながらくわえタバコのまま100円玉を入れてくれた(やったーよかったー!昭和の人!めちゃイイ人!)。
100円飲み込んだらすぐにそっけなく始まるブルーシャーク。はい、何の演出もありませんよこの時代のビデオゲームは。いいの、遊べるだけでセレブなの!
「サメ!サメ!市ね!市ね!」
もう夢中で水中銃を撃ちまくり、ダイバーも撃ちまくり、時間切れになるまでとにかく撃ちまくり。
ゲームオーバーになっても画面に映る文字とサメに見とれながら、いままで味わったことの無い爽快感に浸ってましたよ、しばらく。
結局伯父さんには300円も出してもらっちゃて、悪いことしたなーと反省。ハイライトが2箱分のお金だもの。
でも帰りのクルマの中でも興奮は冷めなくて、家に着くまで妄想しながらフロントガラスに向けて水中銃を撃ちまくってた。ちょっとヤバい子だよね。
この日を境に、オレの脳みそはゲームでいっぱいになっちゃって、ゲーム中心の人生を送ることになったわけなんだ。