MUTE BEATとかマルセ太郎さんとか

J-WAVE深夜の「Tokyo M.A.A.D SPIN」は好きな番組。特に毎週火曜日の高木完さんの日はほぼ毎週聴いている。１月30日と2月6日は元MUTE BEAT のこだま和文さんがゲストだった。
MUTE BEAT好きだったなあ。いろんなことを思い出したよ。

86年。シティボーイズに、渋谷で同時多発的にやるイベントの出演依頼があった。
オーバーヒートレコードという会社だった。
ミドリヤの店頭でネタをやってくれてとのこと。雑踏の中でネタなんかやっても誰も聞いてくれないでしょう。そんなカッコ悪いことはシティボーイズにやらせたくない。
でも、そんな状態にはしない。とにかくオシャレなものにしたい、それにはシティボーイズが欠かせないんです、と言われた。
オシャレという言葉にオシャレじゃない自分は弱い。大竹まことさんがむずかりそうだなあと思ったが、ま、稼がなくちゃね。ということでOKする方向でいこうかと思ったが、なんせ初めてのお付き合い。どんな会社なのか？　ちゃんと支払いできるのか？　ぶっちゃけて聞いてみた。
レゲエのレコードとか輸入したり、レゲエジャパンスプラッシュにかかわっています。
へーえ、去年からやってるやつだ。
で、何人かのレゲエミュージシャンの名前をあげた。
知ってるやついる。
あと、日本だとMUTEBEATが所属しています。
MUTEBEATだと！
その頃はお笑いだけじゃなく音楽関係とかとコラボしたくてしょうがなかった。
自分で主催していた「東京バビロン寄席」に、笑いの取れるバンドを出したくてしょうがなかった。第一回目の「バビロン寄席」に出演した象さんのポットには、打ち合わせの時、事務所の隣りのインド人の歌を作った事を聞いてそれを歌ってくれとリクエストしたりした。出演者を探しに新宿ロフトへ何回か足を運んだ。後の電気グルーヴになる人生というユニットに出演依頼するために渋谷HMVのインストアライブ(feat.GO-BANG‘S)にも行ったが、結局はスタッフの女子から強く止められて断念した。卓球のMCは面白かったのだがなあ。
東京ソイソースに行ったり、いとうせいこうの雑談から情報をもらったりしたが、日本のバンド関係の情報は、舞台監督の比嘉からが一番多かったなあ。
Jagataraのライブにも何回か行ったり、OTOちゃんとお茶したりしているうちにどこかでMUTEBEATの名前も出ていたはず。

えーーー！凄いじゃないですかあ！と言って音楽の話になった。
Jagataraの話なんかもしてみた。すると、
あそこのホーンはみんな上手くてメンバーが羨ましがってるんです……。
へー、そうなんすか。
確かに後にコンポステラで独自の音楽性を作り出した篠田昌巳とか、後に古畑任三郎でお馴染みになる村田陽一とか、上手い人ばかりなのは知っていたが。
MUTEBEATのいる事務所とお近づきっ。いいじゃない。
で、イベントも無事終了。大竹さんはむずからなかった。

そのあとミュージカルぼーいずさんの話で書いたハートランドビアホールの仕事をいただいたステーションというイベント会社の石山さんから、今度はハートランドビアサーカスというイベントにマルセ太郎さんを出してほしいと言うオファーをもらった。
他にどなたが出ます？　と聞くと、
MUTE BEATって知ってます？
知ってますとも！
マルセさんを説得しないと。こういったザ・営業みたいな酒を飲む場所での営業は最近全然やっていないから断られそうだなあ。
OKをもらえたのは社長が説得してくれたらしい。
で、本番。
会場は今の新宿駅新南口あたりの空き地に建てた巨大テント。まだタカシマヤもバスタもない時代。
ビアホールと違って客層は若者ばかり。まともにステージを楽しむ奴が少なかった。
やっちまったー！　
怒られちゃう。案の定マルセ師匠はおかんむりのご様子。
あのね、言いたくないけどね、ぼくはこおいった場所でやらなくてもいいように今まで頑張ってきたのね。
すいませんでした。でもマルセさんが出演することでイベントの格が上がることになりました。
とは言えなかったんだよなあ。
見送ってからバスを改造したスタッフルームに戻るとステーションの社長たちが会議中。
東京の地下迷宮を云々かんぬん。
何の話をしているんだよお…。
そしてMUTEBEATのステージを観た。「STILL ECHO」が切なかったなあ。

あ、そうそう。オーバーヒートにはランキンタクシーさんもいた。ランキンさんが出る後楽園の屋外ステージでやったレゲエフェスみたいなのにも招待してもらった。
ゲストとして牧伸二さんのレゲエ版やんなっちゃった節は最高だったな。
新宿シアターアップルで計９回やった「バカ爆発！」(命名三木聡)にも出演してもらった。テーマ曲まで作ってもらったよ。

で、最後にMUTEBEATを観たのは渋谷公会堂。客席総立ちで踊りまくったなあ。

マルセさんが亡くなってから１月２２日で２３年も経ってしまったが、
「〜しなくていいように今まで頑張ってきた。」
というフレーズは、折々に自分も呟くようになってしまったのよ。
音楽のライブにも久しく行っていない。
歳をとるってそーゆーことなのかい。