The BandのWhispring Pinesという曲が好きだ。
シンプルながら繊細なピアノをバックに
霧のような儚さを感じるリチャードマニュエルのヴォーカル。
ガースハドソンのオルガンが曲の全体に憂いのあるヴェールをかけている。
whispering pinesとは何なのかを少し調べたのだが、作詞のロビーロバートソンの生まれ故郷の景色のような気がしてきた。
カナダのトロント生まれの彼の幼少期の原風景。
早くにユダヤ人の父を交通事故で亡くし、母はネイティブアメリカンだったというから、決して裕福ではなく、寂しさもあっただろう。
風に揺れる松の木や、海ではないがオンタリオ湖の景色。
そして空っぽの部屋、冷たい太陽と
心の源泉にある寂しさへとわけ入っていくような感覚は、誰にもそれぞれの共感がありそうな気がする。
そしてこの曲、歌詞に前置詞inが多い。
懐かしい記憶の景色、心の奥底の寂しさの源泉へと潜っていくinである。