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The Band 『Whispering Pines』#今日の一曲

The BandのWhispring Pinesという曲が好きだ。

シンプルながら繊細なピアノをバックに
霧のような儚さを感じるリチャードマニュエルのヴォーカル。
ガースハドソンのオルガンが曲の全体に憂いのあるヴェールをかけている。

If you find me in a gloom 
 もしも暗がりの中で
or catch me in a dream
 いや夢の中で私を見つけたなら
inside my lonely room 
 この孤独な部屋に
there is no in between
 2人を隔てるものは何もない
Whispering pines
rising of the tide
 ささやく松の木 満ちてゆく潮

Foghorn through the night
calling out to sea
 霧笛は夜を抜けて 海を呼んでいる

Let the waves rush in
let the seagulls cry
 打ち寄せる波 カモメの声を聞かせて

Standing by the well
wishing for the rains
 井戸の側に立って 雨を待っている

Drifting in a daze
when evening will be done
 一日が終わるとき 彷徨い歩いている

Try looking through a haze
At an empty house
 霧の中の空っぽの家の
in the cold, cold sun 
 冷たい太陽を探して

whispering pinesとは何なのかを少し調べたのだが、作詞のロビーロバートソンの生まれ故郷の景色のような気がしてきた。

カナダのトロント生まれの彼の幼少期の原風景。
早くにユダヤ人の父を交通事故で亡くし、母はネイティブアメリカンだったというから、決して裕福ではなく、寂しさもあっただろう。

風に揺れる松の木や、海ではないがオンタリオ湖の景色。
そして空っぽの部屋、冷たい太陽と
心の源泉にある寂しさへとわけ入っていくような感覚は、誰にもそれぞれの共感がありそうな気がする。

そしてこの曲、歌詞に前置詞inが多い。
懐かしい記憶の景色、心の奥底の寂しさの源泉へと潜っていくinである。

I will wait until it all goes 'round
 全てが巡りゆくまで待とう
With you in sight the lost are found
 失われたものを取り戻すまで

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