SocksでAAF(AllAvatarFitting)対応するにあたり気を付けた点
服を着せやすくするポイント
まずSocksの前にいかなる人型アバターに対しても服を着せるためのポイントをまとめます。
大きく分けて、【アバター側】【衣装側】【ユーザー側】の3方向が存在し、それぞれが複合的に絡み合い衣装を着せることになります。
それぞれの方向で対応度が高ければ高いほど着せやすさや着せられる対応の幅が広がります。
(ある程度の幅がないとAAFとは言えないかもしれません)
以下でそれぞれの理想の対応内容を記載します。
■アバター側
・シェイプキーの項目の多さ
例えば脚なら大まかに大腿・下腿・足などでなく、更に細分化して太さの調整ができるとよい
・シェイプキーは完全に0になるように
ただ脚を細くすればよいだけでなく、完全に見えなくなるまで調整できること。
・胸などもシェイプキーで大小それぞれ大げさなほど振れ幅をもたせる(作者の意図もあるだろうから難しい点もあるだろうが)
■衣装側
・衣装側で調整できる点は
【ボーン】
【サポートボーン】
【シェイプキー】
【MeshDeleterWithTexture】(衣装の機能ではないが)
であることを理解する
・シェイプキーの項目の多さ。アバター同様各部位大まかでなく更に細分化して調整できるとよい
・シェイプキーは太さだけでなく前後左右など位置調整もできるとよい
・シェイプキーの振れ幅はなるべく大きめに
・シェイプキーで補えない部分はサポートボーンを入れる
・サポートボーンは関節付近だと関節の動きが硬くなるので注意(使用を控えシェイプキーで何とかする等)
・揺れものの場合サポートボーンが邪魔をする可能性があるのでテストして問題がある場合使用を控える。
・初心者でも理解できるような導入案内を作成する。
・ある程度のテスト(複数のアバターで装着テストをしたい)
■ユーザー側
・ボーンの簡単な仕組みの理解
・シェイプキーの理解
・初歩的なUnityのスキル(アバターのアップロードや対応衣装の装着などが一人でできる程度)
・導入案内を見て理解できる程度のUnityへの理解力(導入案内を分かりやすく作成することも重要)
と各方面で推奨されるポイントがあります。
・懸念としてアバター側、衣装側の制作や調整のコストが上がる
・ユーザーの覚えなくてはいけないスキルが増える
と全体的にコストが上がってしまいます。
特にユーザー側は人により知識やスキルに幅があるが、
なるべく低い人でもスキルの底上げができるような環境を作ることが重要だと思っている。
逆に足かせになって諦められてしまうことは避けたい。
Socksについて気を付けた点
今回Socksを制作するにあたり気を付けた点は前述した内容とほぼ同じになります。
更に次の項目でそれぞれを詳しく解説します。
・シェイプキーで調整できる箇所を多くした
・シェイプキーで調整できる内容を多くした(拡大縮小、前後左右の位置調整、断面の形状の調整)
・サポートボーンを必要な箇所に配置した(関節が硬くなるので必要最低限にした)
・導入案内は初心者でも分かるつもりで作成した
・フレンドに頼んで複数回装着テスト→修正を繰り返した
・他クリエイターを巻き込みAAFの理解と普及の下準備
・noteでの制作のポイント発信
・Discordでのクリエイター間の情報交換の場を作る
■シェイプキーで調整できる箇所を多くした
【大腿】【膝】【下腿】【足】の4つごとに調整できるようにしました。
アバターのシェイプキーはもっと細かく分けてあるとよいと思いますが、
Socksはこの程度でよいかなという判断です。
■シェイプキーで調整できる内容を多くした
・拡大、縮小
・前後左右移動
・断面の形状変更(円から四角に)
・ハイヒール対応(つま先下げる)
を設定しました。
振れ幅は広めに設定しました。
スライダーを振り切ると正直脚としてのシルエットがおかしくなるのでそこまでは使う人はいないと思いますが。
■サポートボーンを必要な箇所に配置した
サポートボーンは1か所につき軸の中心から放射状に8本設置しました。6時の位置から1~8までナンバリングしました。
個別にも動かせますし、まとめて選択すればまとめて動かすことも可能です。
当初膝の近くにもサポートボーンは設置していましたが、ひざを曲げたときに弾力性のないロボットのような曲がり方になってしまったので
Socksの一番上のフチ(脚との境界線付近)と足首付近にのみ設置することにしました。
関節付近にサポートボーンを設置するのはちょっと難易度が上がると思います。
■導入案内は初心者でも分かるつもりで作成した
ボーンは親から子へ影響が伝わること、その逆は伝わらないこと、
ボーンは、拡大縮小、移動、回転に影響を受けることなど商品の導入以前の知識から解説しました。
AAFはユーザーのスキルがある程度ないと成立しないので、ここは重要だと考えます。
■フレンドに頼んで複数回装着テスト→修正を繰り返した
手持ちのアバターでは数に限りもあるので、複数のフレンドに頼み様々なアバターに装着してもらいました。
問題点などフィードバックを反映し、それを数回繰り返して完成させました。
■他クリエイターを巻き込みAAFの理解と普及の下準備
今このnoteもそうですが、積極的に情報を公開し様々クリエイターの理解を得て賛同してもらうことが第一と考えております。
とても一人だけで遂行できるプロジェクトではないと思っております。
■noteでの制作のポイント発信
同上
■Discordでのクリエイター間の情報交換の場を作る
同上
となります。
今回は靴下という非常にシンプルなアイテムでしたので何とか完成しましたが、
それでも完璧とはまだ言えないと思う。徐々に難しい衣装にも挑戦してみたいし、各クリエイター同士で情報共有を重ねながら
界隈としてレベルを上げ、実際にユーザーの選択肢が増えることを目指したいです。
■Discord
■All Avatar Fitting【AAF】ロゴセット
https://kodamaaltanative.booth.pm/items/5055071