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2020年以降の研究動向を徹底解説!画像認識でここまで進んだ食品カロリー推定の最前線
〜3月8日 22:30
【はじめに】
昨今、健康意識の高まりによって、カロリー管理、睡眠管理、運動管理等に関するソリューションの需要が急激に高まってきました。
今はサービスとして、成熟したものはないですが、将来的には食事・睡眠・運動をワンストップで管理するパーソナルAIエージェントなどの出現も遠くない未来にできると筆者は考えています。体調を自動で管理できて、最適なボディメンテナンスができる世界!とても楽しみですよね。
本記事では、「画像認識の技術を使って料理のカロリーを推定する」最先端の研究動向(2020年以降)をわかりやすく解説します。まず初めに、今私が、画像認識による食品カロリー推定を行うAIモデルの開発を行っている途中で、開発の方向性を決めるために情報収集を行いました。今回はその内容をここで共有します。
ターゲット読者は、AI開発に興味がある人です。
この記事では、AIの研究最前線がどこまで進んでいるか、どんな課題が残っているか、そして読者が今後どのように活用できるかを、Step by Stepで丁寧に紹介していきます。
読み終わるころには、「最近のAI研究では、料理画像からどこまで正確にカロリーを推定できるのか」「今後どのような活用が見込めるのか」が具体的にイメージできるようになり、日々のヘルスケアやビジネス上の新サービス構築などにも役立つ内容となっています。ぜひ最後までご覧ください。
情報収集源:ChatGPT Deep Research, Gemini Deep Research, Felo, Genspark
※大量の情報源を元に筆者が精査しました。かなりディープな内容になります。
Step 1:画像認識×食品カロリー推定とは?
1-1. そもそも「料理のカロリーを推定する」ってどういうこと?
日常生活で料理のカロリーを計算するとき、栄養成分表を見ながら「食材の重量×食品成分の数値」を掛け合わせる手順を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし実際は、「同じパスタでもソースの量や麺の太さ、具材の種類によってカロリーは大きく変わる」など、かなり複雑です。
さらに、食べるときは必ずしも食材の重量を計測しているわけではありません。すると「ぱっと見」で量を見積もるしかなく、ざっくり“1人前ならこのぐらい”という平均値を頼りにするケースがほとんどです。そこに深層学習(ディープラーニング)を使った画像認識を導入することで、「料理写真を見るだけで何がどのくらい盛られているかを判断し、カロリーを自動計算しよう」という試みが一気に進んでいます。
電気通信大学の柳井研究室では、毎年カロリー推定関係の論文がリリースされています。(2017年頃から)
参考:
1-2. なぜ画像だけでカロリーを当てるのは難しいのか?
一番の理由は、料理ごとに盛り付け量が大きく異なることです。たとえば「カレーライス」なら、同じ皿のように見えてもご飯の量が違えばカロリーも大違いです。もう一つの理由は、混合料理や複数皿が載った定食など、「実際に何が含まれているか」「どれくらいの体積を占めているか」が判定しにくい点にあります。画像認識のアルゴリズムが高精度化してきたとはいえ、食品ごとの密度や質感も考慮しなければいけません。
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それでも近年の研究では、深度カメラやAR技術、さらに3D復元の仕組みを取り入れたり、料理のレシピ情報(テキスト)を合わせて活用したりして、以前より正確に分量推定を行う手法が開発されています。
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2月6日 22:30 〜 3月8日 22:30
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