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【Vol.32】イラストレーターほし先生談・企業の求めるキャラクターデザインの描き方(MSI-美星メイ)

こんにちは
DRAW A LOT Collegeです!

DRAW A LOT Collegeはクリエイティブの仕事だけで、まだ生活ができていないクリエイターさんに『クリエイティブで飯を食う』きっかけを提供すべく生まれたプロジェクトです。
(詳しくはこちら↓)


今回はSeason2 第4回 特別講義の様子をレポートします。
講義のテーマはこちら!

テーマ:「VTuber・美星メイの誕生秘話」


DRAW A LOT Collegeでは「自己のスキル・特性を活かす」ことに長けた、クリエイティブ界の第一線で活躍する講師をお招きし「College」でしか聞くことのできないオンラインセッションを開催しています。


今回の講師を務めてくださるのはこの方々!

阿部史典 さん
MSI ノートPCマーケティング担当

ほし さん@hoshi_u3
イラストレーター / 美星メイちゃんのキャラクターデザインを担当

美星メイ さん@mei_mihoshi
MSIノートPCイメージキャラクター / MSIオフィシャルVTuber

画像:美星メイちゃん公式Twitterより


先日の発表通り、College生はSNOW MIKU 2022とコラボし、それぞれの個性を活かしてキャラクターを描いている最中です。
今回はキャラクターの用いられ方として主流になったVTuberがどのように、どうやってでき上がるかを実例を交えて学んでいきます。


■なぜVTuberを作ったのか

(阿部さん)
MSIは台湾に本社のあるパソコン系の会社で、日本法人としてはエムエスアイコンピュータージャパン株式会社という名前です。日本国内ではグラフィックボードやマザーボードなどPCパーツメーカーとしてのイメージが強いですが、実は全国の家電量販店さんやPCショップさんでノートPCを販売しています。自社でデザインから製造まですべてしている点が他のメーカーさんにはない強みかなと思っています。

美星メイはそんなMSIノートPCを宣伝するキャラクター、そしてVTuberとして生み出されたキャラクターです。ほかの企業さんでもVTuberを活用しているところが最近増えていて企業がVTuberを持つ流れが来ている中、PCメーカーでイメージキャラ兼自社専属のVTuberを保有しているのは今のところ弊社だけかもしれません。

各企業のVTuberを活用したPR活動としてタイアップがあります。弊社もにじさんじさんとコラボタイアップをして実績ができたこともあり、自社でイメージキャラ兼企業VTuberとして美星メイを作成する運びとなりました。よりユーザーフレンドリーに、弊社のノートPCの顧客層との親和性も考えながら「ノートPCのキャラクターを作ろう」という流れになりました。


■なぜ「ほし先生」にお願いしたのか

(阿部さん)
企業のキャラクターなのでデザイン面では衣装等のロゴを崩しすぎない、幼すぎないキャラクターなどブランドイメージを保つ必要がまずありました。

それに加えて、このキャラクターを通してまだリーチできていない将来の
ユーザーさんにアプローチしたいという思いがあり、ほし先生のタッチや色遣いを弊社の製品の持つイメージと組み合わせたら、新しくて面白いのではないかという点でほし先生にご依頼させていただきました。


■企業系VTuber キャラデザのこだわり

(ほし先生)
とても細かいところまで丁寧に書いてくださっている仕様書だったので、阿部さんの中で「こういうのがよい」という形があると感じました。その意図を汲み取って形にするのが私の役割だなと思って、その点を意識してデザインしました。

それから、私にご依頼いただいているということなので、ただ仕様書を形にするだけではなく、私の感性で可愛いと思えるものと仕様書の内容との共通部分にあたる部分をしっかり抽出していくことも意識していました。

最初に提出したデザインが一番悩みましたね。メイちゃんが店頭の広告にも使われるということだったので、遠目でパッと見たときに「メイちゃんだ」とわかるような、近寄りたくなるようなイメージが大事なのかなと思いました。なので、あまり複雑すぎないデザインでわかりやすく、色味もMSIさんのイメージの赤をわかりやすく出せるように意識して作りました。

複雑すぎないようにする、且つキャラクターデザインとして個性を出すというところが難しくて、悩んだ記憶があります。最初は複数のデザイン案を提出しました。髪型など、どの案がよいかイラストレーター側で決めかねるなと思ったときは、複数案作成して見ていただいてフィードバックを頂くという形で私はいつも制作しています。

仕様書でご指定いただいた部分が多かったので、その部分はイメージを崩さないようその通りに描くというのを意識していたのですが、逆に指定がない部分は私がこだわりを出せる部分だと思いました。そういった箇所で「私はこういうの好きだな」と思うパーツを入れることを意識しました。例えば、ブレザーの形を工夫したり、スカートをハイウエストにして制服だけれど少し普通とは違うデザインにしてみたり。こういうところで個性を出してみるというところはこだわりました。


(阿部さん)
仕様書の内容に沿ってデザインしていただき、非常に感謝しています。最初に案を提出していただいた時点で「とても可愛い!」と思いましたね。その後すぐに社内でマーケティング的な観点から話し合って、ほし先生の仰っていたようにパッと見たときのシルエットなどわかりやすい案を選ばせていただきました。

ほし先生にお願いして助かったなと思ったのは、最初に三つほどデザイン案を頂いていた中で「こことここを組み合わせる、というのもやりますよ」と仰っていただけたこと。僕の「こうしたいです」という声に対応していただいて、非常にありがたいなと思いました。

ほし先生にお任せしていた部分から新しい案が出た部分もあります。例えば、美星メイのロゴ。当初、星モチーフにするということだけ決まっていて、色味などは決まっていませんでした。そこでほし先生から頂いたデザインの美星メイの目の色(ブルーとピンク)を見たときに、これをロゴの色に使おうと社内ですぐに決まりました。

「美星メイ」ロゴ:MSI公式サイトより


■企業はどこからイラストレーターを探すのか

(阿部さん)
今回はDRAW A LOTさんのご紹介もあり、絵師100人展に出ている方の作品を全部見させていただいて、その中から理想のテイストに合うイラストレーターさんを探して、ほし先生にご依頼しました。

私がコンテンツを好きだからかもしれませんが、Twitterなども見ます。普段どういう絵を描いているのかなあと作品のテイストをTwitterで見ている企業さんは多いと思います。

・その際、フォロワー数などは選ぶ参考にしているのでしょうか?

(阿部さん)
フォロワー数を意識している企業さんはたしかに多いと思います。そのイラストレーターさんに宣伝していただいたときに、どれだけ拡散するかという点を意識しているので、その観点で言えば1万人を超えているかというのは指標の一つになると思います。ただ、弊社で言うと「フォロワー数はあったほうがよいけれど、このスケジュールに間に合わせてもらえるイラストレーターさんがよい!」というところからスタートしていたので正直あまり気にしていませんでした。

拡散力の観点で言うなら、他のVTuberのキャラクターデザインもしているかという点は(VTuberを作るときは)見ると思います。なので、どの点を見てお願いするかというのはキャラクターによって変わると思います。「VTuber等、お願いしたいお仕事のデザインをしたことがある」という実績から逆算して、目につきやすいと言うほうが正しいですかね。そういうところも見ている企業さんはいるのではないかなと思います。

・企業の目に留まるイラストレーターになるにはどうすればよいと思われますか?

(青山P)
例えば「絵師100人展に掲載される」が目標なら、そこに至るまでのプロセスを細分化するとよいですね。絵師100人展に掲載されるにはここに辿り着けばよい。そこに辿り着くためにはもう少し小さなステップを達成していく……みたいな。そこを描くのがよいかなと思います。

(ほし先生)
目標がふわっとしていると何をしたらよいかわからないので、具体的なものがあるとよいですね。


■最後に

(美星メイちゃん)
こだわって作っていただいていたのは知っていたのですが、ほしママの素敵な感性もあり、ここまでとても細かなところまでこだわって作っていただいていたとは知らなかったです。
私はたまに配信で(自分のことを)「かわいい」と言うのですが、もっと言っていこうかなと思いました!

(阿部さん)
企業の立場から言えることであれば、皆さんの継続的な活動を企業側は見ていると思うのでそこを継続していっていただけるとお仕事に繋がるのではないかなと個人的には思います。ありがとうございました!

(ほし先生)
私も色々勉強になって楽しかったです。ありがとうございました!


♢♢♢

以上、「VTuber・美星メイの誕生秘話」の講義でした!

クライアントの求めるもの、そして自分の個性の共通点をうまく探し出し、形にしていくVTuberデザイン。
自分の武器を常に磨いて機会を掴め、カレッジ生たち!

次回のレポートはカレッジ生個人インタビューを予定しています。


次回もお楽しみに!


By. DRAW A LOT College


(前回の特別講義は↓)

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