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『箱男📦』公開記念舞台挨拶付上映を観た。
8月23日(土) 渋谷 ユーロスペースで、映画『箱男📦』公開記念舞台挨拶付上映を観た。
7月8日(月) 新宿ピカデリーで開催されたジャパンプレミアから2度目の鑑賞。
当日は満席だけあって、上映40分前にして、ロビーは人ぎっしりで、凄い熱気。
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『箱男📦』は、最もノーベル文学賞に近い作家とも言われた世界的な作家・安部公房が1973年に発表した代表作を石井岳龍 監督が、一度映画化が決まるもクランクイン直前で中止、27年の年月を経て映画化したもので、映画は「人間が匿名性を手に入れた先にあるものは何かを問いかける。」原作に準じている。
出演:永瀬正敏(わたし)、浅野忠信(ニセ医者)、白本彩奈(葉子)、佐藤浩市(軍医)、渋川清彦(ワッペン乞食)他。
自主映画に近い作品なので、キャスティングや演技に関しては何も問題はない。
段ボール箱を被ったダークヒーロー「箱男📦」が、ワッペン乞食やニセ箱男と戦う話+箱男に関心を持つ軍医とニセ医者、葉子が絡んでくる。映像はスピード感に溢れ、箱男になったかのような体験ができるのが面白い。
石井岳龍監督の過去作品の中では、『⚡ELECTRIC DRAGON 80000V🎸』が一番近いかもしれない。
舞台挨拶について
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石井監督は「映画館で『箱男』を観ること」を強調していた。確かに、この映画は映画館で観ることにより、観客は箱男の気持ちになれる。音のよいユーロスペースなら、なおさらだ。是非とも映画館で『箱男』体験をしていただきたい。
感無量といった表情の石井監督と、深々と頭を下げる永瀬さんの姿が印象的で、映画『箱男』が二人にとってどれだけ大きな存在であったかを物語るような気がした。
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現代社会では、誰もが『箱男』になれる
石井岳龍監督曰く「自分の自画像 、安部公房さんの自画像。私は「箱男」だ」。
現代社会では、スマートフォンとインターネットで誰もが「箱男」になることが出来る、完全なる匿名性で、他人のプライバシーを覗くことが出来る。いや「箱男」以上かもしれない。他人の秘密を暴いたり、誹謗中傷をしてのけることさえ可能だ。安部公房は半世紀も前に、現代社会を予言していたかもしれない。