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【映画鑑賞】終戦の日に『野火』を観た。

8月15日(木)、79年目の「終戦の日」、塚本晋也 監督の『野火』を ユーロスペースで観た。
8月11日(日)に横浜シネマリンで観た後に、記憶の新しいうちにもう一度観ようと思い、ユーロスペースへ。

この映画は、大岡昇平が、死の直前における人間の極地を描いた戦争文学『野火』(1951) を原作とし、かなり忠実に映画化している。

原作もだが映画も「説教臭さ」が皆無なのがよい。それでも、戦争の狂気、恐ろしさ、馬鹿馬鹿しさは痛いほどに伝わってきた。

冒頭から没入感が素晴らしく、映画を観る者は、主人公の田村一等兵になり、フィリピンのジャングルを舞台とした戦場をさ迷う気分になれる。主人公が自分の肩の肉を食べるシーンは、美味しそうに思えたほどに…。

塚本監督は低予算の戦争映画と自嘲されたが、主な演者の迫真の演技に加え、カメラワークや音作りが素晴らしいので、安っぽさは微塵も感じない。上映後のトークイベントで音の良さを伝えると、すかさず「監督は映画館でどう聴こえるかをよく知ってる」とサポート。  

上映後は塚本晋也監督自らが演じた (極限状態においても人間性を保とうとする) 田村一等兵と対極的な (人を騙したり、人肉を食べてでも生き延びようとする) 安田を見事に演じた リリー・フランキー さんを交えたトークイベントが行われ、リリーさんのウイットに富んだ切り返しに場内は度々大爆笑。
監督やにリリーさんに質問や感想が伝えられたのは嬉しかった。
実に楽しかった。

塚本晋也監督に加え、リリー・フランキーさんの
サインももらった。

来年以降、監督に質問する機会があれぱ、市川崑監督による『野火』をどれぐらい意識したかを聴いてみたい。  


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