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第1回 〜言葉遊びの扉〜

 この記事を今読まれている皆さんがどのような経緯を辿ってここに至ったのかは不思議ですが、ぜひ楽しんで読んでいただければ嬉しいです。

1μmの黒目の部分

 「何を言っておられるのだ。」上の一文を見てそう思われた方も多いかと思います。
 結論から申し上げれば、これはX(旧Twitter)上では有名な「部分ツイート」と言われるものです。
 「1μm(いちまいくろめーとる)」には「黒目」という単語が隠れている。それを面白がって「〇〇の〇〇の部分」のフォーマットに落とし込んで投稿する風潮、流行が昨今Twitterではあるのです。
 
 言葉はもとは話すための道具でした。「このファイル、いっぱい紙がふぁいるわぁ〜」と言った親父ギャグ、ダジャレも当然、会話の中に織り込まれるわけで、顔と顔が向かい合わせの対人関係の中で、「話し言葉」の中で存在してきました。
 Twitter、そしてこのnoteなど文字メディアの出現は、言葉遊びに新たな潮流を生み出しました。言葉が文字に起こされる、そして、その言葉を全世界に発信することが可能になった21世紀、新たな言葉遊びのフォーマットが生まれていくのです。その1つが上記のような部分ツイートであるとも考えています。ここで、1つ寒いダジャレを紹介させてください。

子供が「俺が太陽だ」って言い張ってやまないたんだって? それはなかなか折れがたいようだね。

 おわかりいただけたでしょうか。ダジャレの解説をするという行為ほど情けないものはないですが、解説しなくては次にも進めませんので、種明かしをしてしまおうと思います。上記のダジャレ、「俺が太陽」と「折れがたいようだ」が綺麗に掛かっている、言い換えれば同音になっているのです。
 ここで、「同音」という特徴に注目していただきたいです。上記のネタを中心に、完璧な同音を追求してしまうと、実は、言葉を声として伝え合う「会話」の世界では非常に分かりづらくなってしまいます。
 そんなことは現実問題ないと思いますが、例えば、上記のネタを会話の中で披露したとすると、「1つ目の『おれがたいよう』は、『俺』が『太陽』って意味のおれがたいようで、2つ目のやつは折れる、折れないの『折れる』で『折れがたい』、つまり…折れることはなかなかない、みたいな意味でさ…」などと場が冷めるほど、ネタの説明をしなくてはならなくなるわけです。音には文字という情報は付随せず、これによって完璧な同音を追い求めた言葉遊びは非常に使う範囲が限られてしまうのです。
 そこで、そういった類いの言葉遊びに寛容な姿勢を示してくれたのがTwitterを中心とする文字メディアと言っても間違ってはいないのだろうと思います。ダジャレとは、言葉遊びとは、実は意外にも会話にはそぐわない形態なのです。
 ところで話は変わりますが、なかには、冒頭の部分ツイートを見て「〇〇のなかに〇〇が含まれてるとか言ってるけど、だからなんだよ」と思われた方もいらっしゃるかもしれない。私も同感です。「〇〇のなかに〇〇が含まれている。」言ってしまえば、これは、普通の平日の通勤通学中に駅のホームの電光掲示板に表示されている「東海道新幹線遅延のお知らせ」ぐらいどうでもいい話です。しかし、このくだらなさこそが言葉遊びの絶大的な魅力でもあり、これをしっかりと受け入れてもらえるTwitterというプラットフォームの寛容さこそが部分ツイート流行の潮流を作った。そうとも言えます。
 実際、私はダジャレや謎掛け、部分ツイートのみならず様々な形態の言葉遊びを投稿していくなかで、多くの方々が耳を傾けてくれました。時には、ちょっと考えないと理解できないような難しい言葉遊びを投稿することがあっても、それでも、考えてくれます。Twitterのプラットフォームという最高の環境で、言葉遊びを投稿する潮流がさらに出来上がっていけば嬉しく思います。
 だんだん文章が大学入試の面白みのない論説文みたいになってきましたが、ここからは雰囲気をガラリと変えて…部分ツイート20連発でこの投稿を締めくくらせていただこうと思います。

「フレキシブル」の「歴史部」の部分
「ボタン連打」の「鍛錬だ」の部分
「耳鼻咽喉科受付」の「インコを飼う」の部分
「交際相手」の「最愛」の部分
「倒置法」の部分、関東地方の
「タラコ唇」の「告知日」の部分
「メガホンと拡声器」の「目がホント覚醒」の部分
「月1ごとに棚に飾る」の「木苺と似た何か」の部分
「大人な雰囲気のビル」の「7分生き延びる」の部分
「緊急事態条項」の「球児退場」の部分
「公共の福祉」の「今日の服」の部分
「多様性の時代」の「正の字」の部分
「札幌旅行」の「ポロリ」の部分
「発症後はけだるい」の「8勝5分け」の部分
「それは彼氏が悪いね」の「別れ」の部分
「竹下通り」の「消したどお」の部分
「中央北改札」の「宙を浮き高い」の部分
「talk to birds」の「Octorber」の部分
「アインシュタイン」の「飲酒」の部分
「法案可決」の「あんかけ」の部分







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