荻生徂徠(おぎゅうそらい)とほっこりする「徂徠豆腐」の講談と日本の近代哲学と
先日、テキトーに点けていたテレビだったか、ネット記事だったか忘れたが、最近人気の講談師・神田伯山が「徂徠(そらい)豆腐」をやるだのやらないだの、を小耳に挟んだ。
近年ツイッタランドでよくある傾向として、プロフィールその他に「日本に生まれて良かった」「日本に生まれて感謝」みたいなのを良く見かけるが、個人的に「本当かい?」と怪訝に思う。
実際、海外旅行を一度でもした人なら「やっぱ日本は最高だわ!」と実感すること請け合いではあるが、日本人であることに誇りを持ち、感謝したくなるなんてことが日常において、そうあるだろうか?
そこで講談の「徂徠豆腐」なのである。実は落語にもネタはパクられていて、江戸古典落語の演目にすらなっている(動画は講談だが)。
こういった講談を知れば、少なくとも「日本人で良かった」と思うのではないだろうか?
個人的に私は高校を中退したが、当時の現国・古典・英語の教師には今でも感謝している。
私は中学生の頃、すでに太宰治と日本近代文学に狂ってはいたが、それを正しく導いてくれるような指導をしてくれたのは、進学した高校の現国の教師と教育実習に来ていた文学マニアの大学院生だったし、古典や漢文を好きにしてくれた古典の教師であった。
同様に英語の教師は私から英語の苦手意識を払拭してくれただけでなく、「なんだ、英語なんて簡単じゃん!」という意識を植え付けてくれた。
そんな高校生の頃、漢文の興味から新潮文庫の『論語』を買い求めて読んでいた。
当時の私も今の私もバカなので、高校生の頃は『論語』の注釈で出てくる「荻生徂徠」を知らず、「はぎ おうそらい」と勝手に読み間違えて「そんな儒学者がいたんだ」ぐらいにしか思ってなかった。
実は荻生徂徠(おぎゅう そらい)なんだが、後年になって講談の「徂徠豆腐」を知り、自分の無知を恥じたが、それだけではない。
実は「徂徠豆腐」にも出てくるが、赤穂事件や幕末の西洋哲学の第一人者、西周(にしあまね)の話に通じる(この辺は講談師や落語家に依る)。
実は赤穂浪士の事件が「天皇陛下への不敬」が発端だったとか、四十七士を切腹させたのは荻生徂徠の意見だったとか、更には西洋哲学の「Philosophy(フィロソフィ)」を「希賢学(きけんがく)」と訳したのが西周で、それから「哲学」が日本でも広まったのだが、実は西周自体は荻生徂徠の「徂徠学」の影響を多大に受けていた人なのだ。
昨年、ツイッタランドで親しくしているJKと「哲学と神道」に関して意見交換をして盛り上がったので、それをメインサイトで記事化したかった。
私自身に哲学を語れるほどの学識は全くないが、その入門程度の興味を惹く記事ぐらいは書けると思っている。
で、荻生徂徠も追加で思い出し、「あ、そう言えば全然サイト記事の企画をやってねーな」と思った次第だ。
個人的にSNSには期待してないし、文学だの哲学だのなんて話から神道だの何だのと記事を書いても、恐らくニーズはないだろうし、読まれないだろうと思ふ。
それがいくら大事なことであっても、人間は興味・関心がないことには1秒も時間を費やさないからなぁ。
つーか、FBに書き捨てるのがモッタイナイと思ったので、noteに書いた次第。メインサイトの記事にするには、もうちょっと練らないとダメだな。