見出し画像

成分分析

ご存知の通り、食物は各種栄養成分で成り立っていますが、当社が大豆の成分を調べる場合は「水分」、「タンパク質」、「脂質」、「炭水化物」、「灰分」、「エネルギー」、「ナトリウム(食塩分)」などを調べています。 灰分はミネラル分ですので、「灰分が多い方が栄養価が高い大豆です!」と言っていただいて大丈夫です。ちなみに大豆には5g〜6g/100gの灰分があります。
一見少なさそうですが、玄米で1.2g/100g、白米で0.4g/100gくらいですので、大豆のミネラル分は米に比べて玄米の5倍、白米の10倍と言っていただいても良いかと思います。

さらにご存知かと思いますが、米のたんぱく質は5gとかですので、大豆のたんぱく質40gはすごい数値ですよね。白米の成分の7割くらいは炭水化物で、大豆は3割強です。このように白米と比べても大豆は高たんぱくで、バランスの良い食べ物ということがわかりますね。

ナトリウムに関しては穀類は基本0です。検査で1mgくらい出るときもありますが、海が近いとか、土に若干入っているとかの誤差です。ですので、「大豆は食塩分0です!」と言っていただいて大丈夫かと思います。
さらに大豆の鮮度を調べるために「発芽率」「NSI(水溶性窒素指数)」「AV(アダルト…失礼。ではなく酸価)など調べる方もいらっしゃると思います。温度が高く、湿度も高い所に大豆を置いておくと大豆の劣化が進み、発芽率・NSI・AVの数値は悪くなってしまいます。大豆の保管状況によって変わってきますので、定温倉庫にちゃんと大豆を保管する事が重要だという事がわかりますね。ただし新豆であれば鮮度も抜群ですし、定温倉庫にちゃんと入っているものであれば劣化はそこまで進まないので、高い検査費用をかけてまで毎回数値を調べる必要はないかと私は思っています。

後は大豆の成分分析で大事なのは無水物換算値(乾物換算値)で見ないといけないという事です。例えば同じ大豆でも水分が14%と、12%では12%の方がどうしても数値が高く出てしまいます。(水分も含めて全体を100%として見るからです)ですので、水分以外の正確な数値を見るのでしたら、無水物換算値で見る事が大事です。 炭水化物の数値は糖質としても見れますが、炭水化物の中には食物繊維も入っているので、純粋な糖質ではありません。
だったら炭水化物の中の糖質と食物繊維の数値もちゃんと調べて!と思われるかもしれませんが、そこは大人の事情(結構高いんですよ「小声」)というものがございまして…。 ただ炭水化物の数値が高ければ糖質もある程度高いだろうという推測は大丈夫かと思います。

また青豆の葉緑素(クロロフィル)数値を調べた事があります。
葉緑素は食物や藻類に含まれる緑色の天然色素です。人間の血液の色素であるヘムと似た構造をしているので、「緑の血液」と言われています。
葉緑素はサプリで摂取している方がいるくらい体に良いとされていて、明日葉・小松菜・ほうれん草・クロレラ・緑茶などに多く含まれています。
青大豆を使用していただいているメーカーさんに「青大豆は葉緑素が豊富で体に良いよ!」と言って販売していただきたかったので、分析をしてみました。結果、葉物などに比べるとかなり少ない量というのがわかりまして…。
ちなみに100g中の葉緑素含有量はほうれん草(77mg)、小松菜(71mg)、黒神(0.37mg)、岩手みどり(0.17mg)、秘伝豆(0.19mg)。青大豆の葉緑素の部分は差別化や機能性食品と言えるようなレベルにならない量ですね。
取扱い品種数が多いので中々大変な事もありますが、お客様のご要望があればしっかり分析をおかけします。私自身も取り扱い全品種の分析をかけていきたいと思っていますので、ご依頼お待ち申しあげます。
なお、分析をかけているものであれば無償で提供できますので、遠慮なくおっしゃって下さい。
※分析表は無断で使用されるとおそらく私が怒られてしまいますので(汗)一応何かにご使用の際は一声かけて下さると嬉しいです。