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負け癖 2015年04月05日
機会があったので後輩に説教をした。負け癖についての話だった。
負け癖と私たちはよく言うけれど、具体的に負け癖とはどんな癖のことだろうか。負け癖を二つに分けると
・勝負をしないこと
・勝利への躊躇
だと思っている。
負け癖のもっと手前の段階はそもそも負けることがない。というのも勝負自体をしていないので、明確な勝ち負けというのを明らかにしないで生きている。勝負というものは遠くの誰かがやっているもので、自分の人生とは無縁であると思っている。傍観者の人生だ。勝利はおろか勝負というアイデアが人生にない。
このような状態はそれなりに居心地がいい。特に勝負を降りた友達がたくさんいる場合。みんなで滅びに向かえばさほどさみしさを感じない。こうしてたとえ隣にいても勝負の世界とは全く違う世界を生きることになる。
勝利への躊躇は、勝負はしようとしているけれど、勝ちきれない人に当てはまる。ずっと手に入れたかったものが本当に手に入りそうになる時、人は恐れ、戸惑い、緊張する。これを乗り越えてようやく勝利し、それを繰り返すことで勝利に慣れ始めるのだけれど、負け癖がある人はこれを乗り越えられない。勝利に躊躇し、つまづく。
やっと勝利が手に入りそうだという瞬間、様々な迷いが生まれる。ほぼ手に入った勝利をもし自分のミスで手に入れられなければ一生後悔するんじゃないか。ライバルがいきなり仕掛けてくるんじゃないか。いろんな考えが頭に浮かび、手に入れることが現実になりそうになればなるほど、緊張し、動きが自然でなくなる。そして何かのきっかけで動きが滞り、勝利をさらわれる。
厄介なのは、これが1、2度続くとまたあれが起きるのではないかという恐れが、さらに緊張を加速させ、本当にまた勝利を手放してしまう。そうなると癖になってしまい、勝利が近づけば近づくほど、まるで自分の体がそれを嫌がるようにことごとく勝利を手放してしまう。
結局のところ、負け癖を直すには、小さくてもいいから勝利するしかない。自分は勝利してもいい側なんだという許可を自分に与えるため、また自分を信用させるために小さく、勝つ。この小さな勝利を積み重ねそれを自分に印象付け、繰り返すことで負け癖が取り除かれる。間違えてもいきなり大きな勝利を手に入れようとしてはいけない。同じことを繰り返してしまい、言葉は勇ましくなっても、自分の本心がどんどん自分の言葉を信じなくなる。あくまで大事なことは現実の勝利を積み重ねることだと思う。そうすることで、人は自分の言葉と本心のズレがなくなっていき、次第に自分の実力が勝負どころで出せるようになる。
若者よ。勝利の許可を自らに与えるのだ。長年座り続けてきた敗者の席を立つ決意をするのだ。自分を支配しているものを認識し、行動と小さな結果によって、自分自身を変えていくのだ。負け癖とはただの思い込みにすぎない。自らによってそれを書き換えるのだ。
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