『政治と情念』〜金儲け総理vs増税総理〜
前回はセンメルヴェイスとMMTについて述べました。
税金を上げても上げても国が良くならない。
財源がないから、とさらに税金を上げる。
今では借金大国日本。
こんなに一生懸命やってるのに……。
そんな状況をなんとかできそうなMMT。
でも日本政府はどうしてもそれを受け入れない。
なぜなら、それを受け入れるには真面目すぎるから。
手術前には手を洗う。
そんな当然のことを絶対に受け入れない。
まるで過去のセンメルヴェイスに対する行為のようだ。
そんなふうにまとめました。
今の日本はもはや死に体。
給与は全く上がらない。
高齢者がどんどん増える。
賃金も技術も諸外国にどんどん抜かれていく。
その理由が税金の扱い方にある。
それでも日本政府はそれを変えようとしません。
でも、こんな日本でも元気のいい時がありました。
バブル景気です。
土地を買えば土地の値段がどんどん上がる。
だから、土地を買っておいて後で売る。
高くれるからさらに広い土地を買える。
お手軽簡単で確実。
土地転がし、というもうけ話がありました。
しかし、どうしてこんな夢のような話があったのでしょう。
色々な理由があると思います。
僕はここで田中角栄という人に注目しました。
日本史を勉強すると大体が戦後数十年まで。
受験生には田中角栄元総理の印象は薄いのではないでしょうか。
日本列島改造論。
ロッキード事件で捕まった。
賄賂ばっかりの黒い政治家の見本。
そんな印象くらいでしょうか。
事実、当時のベストセラー。
立花隆著『田中角栄研究』。
読んでみるとまあすごい。
架空の会社を作って人脈や金脈の流れを作る。
税金はできる限り浮かせる。
土地の値段を上げる政策で自分の土地の値段を上げる。
悪者です!
完全な悪!
こんな人が内閣総理大臣を務めたなんて信じられない!
一方で2023年2月現在の岸田総理。
田中角栄元総理と比べると、本当に真面目な方ですよね。
金儲けなんて、まったくやってなさそう。
国会答弁の言葉を選ぶような発言。
丁寧な姿勢で政務に励んでいらっしゃる。
田中角栄元総理と岸田現総理。
方や悪徳政治家。
方や品行方正な総理。
どちらがいいか、一目瞭然ですよね。
そんな真面目な方が、最近文句を言われました。
親の顔が見てみたい…岸田の「ドラ息子秘書官」の欧州お土産騒動に大物政治家が「おれはもらってない」 Yahoo!ニュース
田中元総理から比べるとなんとも小さな話……。
あら探しといってもいいんじゃないでしょうか。
脱税や土地転がし、利権。
息子さんにお土産を買わせる。
どちらが許されないのかはいわずもがな、ですよね。
こんなことをほじくり出さないと悪いところがない。
岸田総理はやっぱり真面目な方。
僕はそう思います。
じゃあ、どちらが良い内閣総理大臣なんでしょうか。
ロッキード事件を起こし私腹を肥やす田中元総理。
お土産を息子さんに買わせに行く岸田現総理。
当然、岸田総理ですよね。
だから今、岸田総理は現職でいらっしゃる。
でも、岸田総理の2023年1月の支持率は33パーセント。
一方で45パーセントが不支持。
そりゃあ当然ですよね。
だって国民の生活が苦しい現在。
未来の世代に借金は残せない。
防衛費のために増税する。
国民が苦しいのに迷わず増税。
こんな内閣総理大臣、困っちゃいますよね。
……あれ?
ここで不思議な結論になりました。
田中角栄元総理は私腹を肥やす悪い政治家。
岸田文雄元総理は増税を目指す悪い政治家。
じゃあ、良い政治家っていったいどんな政治家なの?
長くなったので、今回はここまでにしたいと思います。