手術前に手を洗うなんてけしからん!!(ボコボコ)〜センメルヴェイスとMMT〜
手術前には手を洗う。
当たり前のことです。
こんなこと、誰でも知っています。
でも、細菌やウィルスを見つけられなかった時代もあります。
雑菌が混じった手で手術を行う。
当時のことを考えただけでもゾッとします。
逆に、手術前にしっかり手を洗う。
それを初めて見つけたお医者さんには感謝してしまいますね。
実行した方はさぞかし賞賛を受けたことでしょう。
その方の名はセンメルヴェイス・イグナーツ。
今としては当然の、でも偉大な発見をした方です。
現にこの案を述べた時、医師から大反響がありました。
怒りと嘲笑で。
センメルヴェイスは論文で述べました。
出産後の女性の処置には手洗いが有効。
そうすることで、女性の命が救われる。
そう書いたのです。
もちろん、科学的な証拠もつけました。
でも、この論文は医師からめちゃくちゃ叩かれました。
今から見たら変な話です。
雑菌まみれの手で手術したら病気になる。
そんな当然のことを誰も知らない。
しかも、正しい情報の証拠付きの発表。
信じないなんて馬鹿げてる。
ところが、当時の医者は全く信じませんでした。
センメルヴェイスへの反論は当然。
それどころか嫌味やあざけり、いじめまで。
命を救う大発見をしたセンメルヴェイス。
最終的に彼は精神病院に入れられ、失意のうちに亡くなりました。
このことから「センメルヴェイス反射」という言葉が生まれました。
なぜ、こんな話をしたのか。
それは、MMTも同じ扱いをうけている。
MMTもセンメルヴェイス反射を受けている。
そう考えているからです。
MMTに反対する方々の反応。
おかねをたくさん印刷したらインフレになるに決まっている。
国の借金は将来の世代に残してはいけない。
そんな話をよく目にします。
実際、2023年現在の岸田文雄総理もおっしゃいました。
岸田総理「国民にお願いせざるを得ない」防衛費増へ国債発行は否定 Yahoo!ニュース
「未来の世代に対する責任として、取り得ないと思っております」。
ニュースの中で、総理はおっしゃっています。
未来の世代に対する責任。
とても美しい言葉です。
若い官僚の方も同じ内容をおっしゃっていたのを、どこかのページで見ました。
ここで考えたいのです。
国債=借金。
借金は悪いもの。
借金が残れば未来の世代に対して無責任。
だから絶対に国債は増やしてはいけない。
なぜ、この考え方ばかりにこだわってしまうのでしょうか。
この反論であるMMTの説をなぜ学ぼうとしないのか。
総理、そして政治家や官僚の方々。
賢い方々が、昔の賢い医師達と同じことをしている。
新しい論を受け入れようとしない。
センメルヴェイスを攻めた昔の医師たち。
MMTを学ぼうとしない政治家や官僚の方々。
MMTに対するセンメルヴェイス反射が起きている。
センメルヴェイス反射はなぜ起きるのでしょうか。
その当時の医師は間違いを認めない卑怯者なのでしょうか。
僕は違うと思います。
多分、ものすごく真面目だったんだと思います。
人を救いたい。
純粋にそう思って当時のお医者さんは努力していたのです。
でも、そのやり方が間違っていた。
それを知った時のショックは計り知れません。
誠実であればあるほど、それは受け入れがたくなります。
助けたかった人々を殺したのは自分。
それをそのまま受け入れられる人間はいません。
だから反射してしまうのです。
自分は間違っていない、と。
政治家の方々や官僚の方々。
僕はすごく真面目でいらっしゃると思っています。
真面目に国を良くしようと努力されている。
だからこそ、その努力の方向性を変える新しい考え方。
MMTの考え方は受け入れられないのではないでしょうか。
今回はアンチ田中角栄の話をまとめるつもりでした。
でも、そこまで行けませんでした……。
次回こそはこの考え方をまとめたいと思います。