あえて「検索しない」で得たもの
漢字を覚えはじめた小学校1年生の息子が言った素朴な疑問。
「右」は、カタカナの「ナ」の下に、「口(くち)」を書くの?
「左」は、カタカナの「ナ」の下に、「図工の工」を書くの?
答えは、Google検索が教えてくれる!・・・だけど、直感的にイヤだった、僕が(笑)
なんで?に答えられない。でも、Google検索で答えを知りたくはなかった。
「図書館に行って調べよう!」
僕と息子は「右」と「左」の漢字の成り立ちを知るために図書館に向かった。Google検索なら1秒後に答えがわかるけど、あえて遠回り。遠回りだからこそ、得られる体験もあった。
1.仮説をつくる
自分で考えることをする。息子は「右」にある「口(くち)」は、実は「くち」ではなく、カタカナの「ロ」じゃないかという仮説を立てていた。
同じく「左」にある「工」は図工の工ではなく、カタカナの「エ」じゃないか説。
じゃあなぜ、カタカナのロと、カタカナのエなのかまでは、答えられなかったけど、仮説としては十分いいじゃんと思った。
2.ほかの人の意見(仮説)を聞ける
僕は「右」と「左」が、対であることがポイントなんじゃないか説をとなえた。右と左は2つ揃って意味をなす。だから「口」と「工」も対となって表現されているんじゃないかという仮説。
「工」が何らかのカギで、「口」がカギ穴で、ある場所の左側にカギがあり、右側にカギ穴があって、そのカギでカギ穴に差し込むイメージなんじゃないか説。
まあ結論からいうと、この仮説は間違えているんですが(笑)
息子目線でいうと、自分の意見とは別に、ほかの人(ここでは父である僕)の意見を聞く体験ができる。Google検索をして答えを知る手順だと、ほかの人の意見を聞くことはない。
3.プラス アルファな出来事
そんな仮説を言い合い図書館に向かった僕らの前にエレベーターが現れました。エレベーターには「右」と「左」のような対になる漢字があったのです。
「開」と「閉」
「右」と「左」が対なのがポイントだ!という勝手な仮説をとなえていた僕は、エレベーターで同じく対な関係である「開」と「閉」を発見。
これも開けると閉めるで対になる言葉だ。やっぱり漢字も似てるね、と。
「図書館に行く」という時間がかかる体験をすることで、最初の疑問から派生した事柄にも、思いが広がった。1秒後に答えがわかるGoogle検索では得られない体験だと感じる。
ちなみに、
自宅から図書館までは20分もあればつくけど、なんだかんだでカフェによったり、意表を突いてケーキも食べちゃったりで、「右」と「左」の成り立ちを知る冒険は2時間位かかった(笑)
たどり着いたこちらの「白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい」
「右」と「左」にある「口」と「工」の謎は、ここではあえて書かないでおきたいと思います!