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【苦しみ、悲しみ、慰め、そして勝利のファンファーレへ〜チョンミョンフン×東京フィルハーモニー交響楽団】
東京フィルハーモニー交響楽団・第1011回サントリー定期演奏会に行ってきました。
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プログラムは、ベートーヴェン作曲・三重協奏曲と交響曲第3番「英雄」。
3・3ですね。
3といえば、キリスト教の世界では三位一体という言葉があるように重要で意味のある数字なんです。
特に三重協奏曲は、クラシック音楽の中でもかなり珍しい編成ではないかと思います。
指揮者のチョンミョンフンさんは、中学校の頃から大ファンで、来日公演はほぼ毎回足を運びます。
韓国に生まれて10歳で日本に来た僕は、チョンさんの力強い指揮姿に何度も励まされてきました。その恩返しとして足を運んでいるんです。
珍しく、チョンさんは今回ピアノを弾きます。
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チョントリオで若い頃は相当お弾きになったのですが、チョンさんのピアノを聴くのは初めてでした。
マエストロのピアノは透明感があって繊細。
楽器ごとのバランスをしっかり見ながらアイコンタクトを取り音符に命を宿していきます。
生演奏の醍醐味ってやはり、演奏者同士のアイコンタクトであったり呼吸の合わせ方、身体の使い方をじっくり見れるところにあるなと改めて思いました。
そして、英雄が凄かった。
熱演でした。
特筆すべきは2楽章。
この世の全ての苦しみと悲しみを1箇所に集めたような音。響き。
そして一気に大放出するようなエネルギー。
凄まじかったです。
それに対して子供をあやすかのような3楽章、そして最終楽章ではホルンが勝利のファンファーレを盛大に奏でます。
オーケストラの大音量はやはり、生演奏でしか伝わらないですね。
全身で音を浴びて、心のサウナに入ったかのようでした。
改めて見るとフルコンサートピアノってでかいですね🎹。迫力があります。
そして、生演奏の醍醐味ってノイズにもあると思うんです。
隣の人のプログラムをめくる音、咳をする音、これもまた「音楽」だと思うんです。
サントリーホールの響きってやはりクリアで気持ちいいですね。
オーチャードホールと比べると温かい音がします。
生まれ変わったらチョンミョンフンになりたい。
いや、自分自身でこの世に生まれたことにもきっと意味があるんです。
チョンさんと同じように自分にしかできないことがあるから僕は生まれてきたんです。
そんな哲学的なことを考えた一夜でした。
熱演すぎてしばらく放心状態でした。
ブラボー!!!
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第1011回サントリー定期シリーズ
指揮・ピアノ:チョンミョンフン
ヴァイオリン:前田妃奈
チェロ:ハンジェミン
コンサートマスター:三浦章宏之
ベートーヴェン
ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための三重協奏曲
交響曲第3番「英雄」