短編小説・「光の広場」
一
心が躍り出すほどの快晴だった。毎週日曜日になると秋葉原では歩行者天国ができる。この日もそうだった。神田明神通りと中央通りの交差する場所は特に通行人が多かった。そこを目がけて十二時二十分ごろ、二トントラックが物凄いスピードでベルサール秋葉原を左手に走ってきて数人を轢いた。二トントラックは後退して方向を変えた後、秋葉原駅の方に向かって走っていった。その時向かってきたタクシーと正面衝突し停止した。交通事故だ。誰もがそう思った。群衆の不安がピークに達するのは皮肉にもその後、狂っ