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【悲しい歴史を乗り越えて、希望溢れる新しい時代へ〜日韓国交正常化60周年記念演奏会】
弦楽器はうねり、木管楽器は嘆き、金管楽器は叫び、2台のティンパニがトドメを刺す。
最後の音が消えた瞬間、割れんばかりの拍手と巨大な感動の波が押し寄せる。
まるで奇跡のような出来事。
今年は、日韓国交正常化60周年なんだそうです。
そちらの節目を記念して開かれたKBS交響楽団と東京フィルハーモニー交響楽団の合同演奏会に行ってきました。
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日韓国交正常化がなかったら、僕も日本に来ることはなかったでしょう。
時代に感謝ですねぇ。
いやーー、もうね、たまげました。
プログラムはモーツァルトとマーラー。
一見すると真逆の作風のようですが、どちらもウィーンにゆかりのある作曲家なのでクラシックのコンサートではよくある組み合わせです。
最初はモーツァルト作曲の2台のピアノのための協奏曲 変ホ長調。
ピアノはソヌイェゴンと五十嵐薫子。
日韓の若手音楽家を代表する2人。
僕も初めて聴いた曲なのですが、ピアノの音色が、まるで壮大な雪景色の中の小さな民家の灯りのようでした。
色のイメージはエメラルドグリーン。
ソヌイェゴンさんの音色が素晴らしかった。
そして、トリルがうますぎる。
僕も今、モーツァルトのピアノソナタを練習しているのですが、お手本にしたいですね。
天国で踊る妖精たちのように煌びやかなスケールに加え、呼吸ぴったりのピアノ。
モーツァルトってこうだよねぇ、と思わせるような演奏でした。
モーツァルトってやっぱうっとりしますよね。
すごくすごく幸せでした。
そしてメインディッシュのマーラー。
なぜ、巨人という選曲なのだろう?
まず一つは、大編成の曲じゃないと合同オケで演奏する意味はないから、というのが挙げられるでしょう。
そしてそれは、終演後、その意味が分かったような気がしました。
鳥の鳴き声、地震、火山の噴火、マグマ、地鳴りといった自然現象と人間のあらゆる感情が詰まったような壮大かつ大胆な音楽。
それがマーラー「巨人」なのだと思います。
言葉でなかなか言い表せない部分も多いんですよね。
恐怖、狂気、ユーモア、勝利、希望、神聖な、攻撃、祝福、憧憬、愛、恋、敗北、癒し。。。
すべての人間の感情が込められているかのようです。
マエストロ・チョンの指揮を凝視しておりましたが、シンプルかつ美しい図形とここぞ、という時の右足の踏ん張りで、素人ながらオーケストラに求める音がタクトから伝わって来るような気がしました。
4楽章でそのエネルギーは最大限爆発し、今まで自分の人生で起こった辛かったこと、悲しかったこと、嬉しかったこと、楽しかったこと、韓国での生活、韓国に住む家族、日本に住む家族、日本で出会った方々、すべてのことが走馬灯のように思い浮かび、最後の2音が力強く鳴り終わった瞬間、涙腺崩壊しました。
号泣しました。
コンサートホールで号泣したのは久しぶりでした。高校生以来かなぁ。
すごい、すごすぎる。
日本と韓国の間であった暗い歴史を象徴するかのようなドロドロした描写から、希望と勝利に溢れる圧倒的なラスト。
終演後、日韓の奏者達が互いの健闘を讃えあう姿を見てさらに感極まりました。
このコンサートに来られて本当に良かった。
魂の底からよかった。
また仕事頑張って、お金を稼いでマエストロのコンサートに来ようと思いました🎵
国境、国籍、言語、文化、時代の壁を越えて人間の心を動かす何か。
僕もそんな何かを表現したい。
そう強く思いました。
終演後、しばらくは胸がいっぱいになり、何も考えられないのですが、数時間すると、心で感じたことがどんどん言葉に変換されて思い浮かんできて、それを書かずにはいられません。
もう、癖ですね。
生涯忘れられない、素晴らしいコンサートになりました。
会場にはお花が届いておりました。
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ロッテがスポンサーということもあり、最後は板チョコを頂いて帰路に着きました🍫
そしてコアラのマーチがいっぱい。
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今週は2回もマエストロ・チョンに会えて本当に幸せでした。
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日韓国交正常化60周年記念
KBS交響楽団
東京フィルハーモニー交響楽団
合同オーケストラ特別演奏会
指揮:チョンミョンフン
ピアノ:ソヌイェゴン、五十嵐薫子
「プログラム」
モーツァルト:2台のピアノのための協奏曲 変ホ長調 K.365
マーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」