放送から45年「横溝正史シリーズ2女王蜂」第一回 源頼朝の子孫に北条政子の呪い赤塚真人死亡
横溝正史シリーズⅡ
女王蜂
企画
毎日放送
角川春樹事務所
古谷一行
片平なぎさ
神山繁
岩本多代
板東正之助
夏夕介
赤塚真人
田中春男
川合伸旺
斉藤恵子
南美江
三谷昇
菊地太
天草四郎
本多和子
岡田茉利子
長門勇
原作
横溝正史
音楽
真鍋理一郎
主題歌
茶木みやこ
脚本
石松愛弘
プロデューサー
青木民男
伊藤満
監督
富本壮吉
製作
毎日放送
三船プロダクション
第一回
昭和27年。
実業家・速水励造と金田一耕助は西伊豆諸島の孤島・月琴島に向かっていた。
20年前、速水励造の親友、日下部達哉が月琴島の崖から転落死した。
日下部達哉の子を孕んでいた大道寺琴江はたいそう悲しみ、病にかかり、子供・大道寺智子を生んですぐに死んだ。
大道寺琴江は速水励造に大道寺智子のことを頼んでいた。
大道寺智子を養女として引き取ろうとした速水励造の所に
「月琴島から娘を呼び寄せるのはやめよ。あの娘の前には多くの男の血が流されるであろう。彼女は女王蜂である。」
という脅迫状が届いていた。
月琴島には金田一耕助と速水励造のほかに、愛人・速水蔦代、息子・速水文彦もついてきている。
大道寺智子が母・大道寺琴絵の墓に行くと
奇怪な顔の男に「島から出るな」と言われる。
大道寺邸はウェストミンスター寺院を模した時計台のある洋館だった。
時計台には大音量のチャイムが鳴るチャイム・モードがあるが、近所に配慮してサイレント・モードにされていた。
大道寺家は源頼朝の末裔だという。
源頼朝は北条政子から離れ大道寺家祖先の大道寺タエを愛したため、北条政子が激怒、大道寺勢を殺戮したという。
大道寺家の女を愛した男は死ぬと言われる。
源頼朝研究者の多聞連太郎が大道寺家に来ている。
使用人の姫野東作と三郎の会話を聞いていた大道寺智子の家庭教師・神尾秀子。
姫野東作は「奇妙な蝙蝠がいる」と話していた。
神尾秀子は赤い毛糸を落とす。
赤い毛糸は使用人・姫野東作の方へころがる。
使用人・姫野東作に気づかれる家庭教師・神尾秀子。
大道寺家の使用人・姫野東作は金田一耕助に怪訝な顔をする。
金田一耕助を快く思っていない使用人の姫野東作。
金田一は姫野東作の目を盗みゴミを持ち去る。
ゴミは新聞で、脅迫文の元になった新聞だった。
パーティーでは速水文彦が大道寺智子とダンスを踊る。
続いて多聞連太郎が大道寺智子とダンスを踊る。
影から見ている使用人の三郎。
パーティー後、化粧室に入る大道寺智子。
大道寺家化粧室の鏡に
「月琴島にとどまれ。お前が島を出ると災いが起きる。お前の身辺には血の匂いがする。お前のお袋がそうであったように。」
という脅迫文が口紅で書かれていた。
大道寺智子の母変わりである家庭教師・神野秀子は、大道寺智子に心配しないよう言う。
大道寺邸には開かずの間があった。
大道寺智子は大道寺琴絵の墓で鍵を見つける。
大道寺智子は鍵が開かずの間のものであると気づく。
大道寺智子は開かずの間の鍵を開け、開かずの間に入る。
そこには北条政子勢に襲撃され殺される大道寺勢の絵があった。
さらに血痕のある破壊された中国の琴・月琴、血痕のある絨毯がある。
速水文彦と多聞連太郎は卓球をしていた。
卓球が強い多聞連太郎。
速水文彦は、社交的で大道寺智子とうまく関わっている多聞連太郎に嫉妬、殴りかかる。
速水文彦がしつこく絡んでくるので多聞連太郎は速水文彦を殴る。
喧嘩になる速水文彦と多聞連太郎。
卓球のラケットが折れる。
折れた卓球のラケットを見て、開かずの間の月琴を思い出し恐怖のあまり失神する大道寺智子。
大道寺智子の祖母・大道寺槇がすがる加持祈禱の行者・九十九龍馬は
「北条政子の霊が大道寺智子を呪っている」と言う。
加持祈禱の行者・九十九龍馬は「東京まで祈祷が届かないので一度、私の所に来なさい」と大道寺智子に言う。
大道寺智子の部屋の窓枠に、「午後9時半に時計台に来い。重大な事実を知ることになる。」という脅迫文が置いてあった。
智子に思いを寄せる使用人の三郎が惨殺されていた。
三郎のそばには折れたラケットがあった。
様子を見に来る多聞連太郎。
多聞連太郎は大道寺智子を介抱する。
その時、時計台の大音量チャイムが鳴る。
時計台の大音量チャイムはサイレント・モードになっていて鳴らないはずだった。