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【書評9】自分の小さな箱から脱出する方法②

今日はこれの続き。

「自分への裏切り」とは自分が他の人のためにすべきだと感じたことに背く行動を指し、その状態を「箱に入っている」と呼ぶ。

それが様々な人間関係のトラブルを産む。

『自分の小さな箱から脱出する方法』

著:アービンジャー インスティチュート、監修:金森重樹、訳:冨永星

自分の小さな箱から脱出する方法

箱に入るとどうなる?

15時から田町駅直結のビルでアポがある。

長く関わってきた案件で取引先に出向いての最終チェック。

大崎駅から田町まで電車で10分弱、駅まではゆっくり歩いて10分弱、いつも14時半前に出ているからそれでいこう。と思っていた。

ところが14時から上司のお得意様が突然の訪問、対応してたら14時半だ!

"まずい!!でも落ち着け!急げばギリギリ間に合う、たぶん。"

大崎駅南口改札へ到着、電車が来ている音がするから急いで降りたい!あの電車に乗りたい!

だけど大崎駅のホームに降りるエスカレーターは1人乗りで追い越せない。

前にいる高校生カップルは、二人の世界を楽しんでいる。

咳払いをしたり、緊急さをアピールするが前のカップルは急ぐ気配がない。

そうこう言っているうちに電車の発車の音楽が流れる!

"エスカレーターの降り口までもう少し!!ギリギリ乗れるかも!?"

駆け込もうとしたところで、無情にも閉まるドア。

変な汗が出てくる。時計を見ると14時45分。

タクシーに乗るか?でも次の電車は3分後でそっちの方が明らかに早い。

やってしまった。

自分の中に起こる感情

こういうときに自分に沸き起こる感情がある。

"ったく、何で気づかないんだ!空気読めてないカップルだ!"

"男はぼーっとしてる感じで成績もよくなさそうだし、女は大きな声でべらべら話してるし、周りに気を配れたりしない、ばかなやつなんだ!"

"次のアポは、長く関わってきた案件の最終局面で超重要な仕事なんだぞ"

"さっきまでぼくは自分のお客さんでもないのに対応したり、大変な仕事をしてるんだ。"

"そんなこともわからないなんて今の学校教育は何を教えてるんだ!"

"あの急なお客さんも話が長いんだよ。10分で終わったのにずるずる世間話やら社内事情やらをくどくど話してくるし。あの人ヒマなんだな!」

"前々から思ってたけど、JRも何であそこのエスカレーターを1列のままにしてるんだ。朝の混み具合のあの行列を考えたらあの設計はミスだし、改修すべきだ"

"JRは、元々公務員上がりな体質があるからこういうところに気づけないんだろうな!こういう古い体質の会社が生き残っていくのが日本でだから世界と比べても遅れをとっているとか言われるんだ。" 

正当化する視点から周りを見る。

ここまで行かなくても、似たような感情を抱いたことはないだろうか?

たしかにカップルも上司のお得意様も非がないとは言い切れない。

そこでもう一度振り返ってみよう。

1:自分が他の人のためにすべきだと感じたことに背く行動を「自分への裏切りと」呼ぶ。
2:いったん自分の感情に背くと、周りの世界を、自分への裏切りを正当化する視点から見るようになる。
3:周りの世界を、自分への裏切りを正当化する視点から見るようになると現実を見る目がゆがめられる。
4:したがって、人は自分の感情に背いたときに箱に入る。

もし、自分に時間の余裕があったら、カップルのことや上司のお得意様のことをここまで悪く思うだろうか?

そこまで大変で重要な仕事だと思って元々仕事していたのだろうか?

「JRへの要望」「学校教育」「海外から日本が遅れている」など、今回の一件からそれを考えたんだろうか?

落ち着いて考えたら、そうじゃないことはわかるだろう。

そういう状況だったから仕方ない!

でもそういう状況だったんだから仕方ないじゃない。

そもそもそういう状況になっちゃったら大なり小なりそういう感情になるし、むしろそう思わない方が感情にも背いてるとも言えるんじゃない?!

さて、本当にそうだろうか?

その③に続く、、、


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