【書評9】自分の小さな箱から脱出する方法①
今日は、1月末に開催した読書会で参加者が持ってきた本を紹介します。
自分の小さな箱から脱出する方法
著:アービンジャー インスティチュート
監修:金森重樹、訳:冨永星
2006年10月発売して以来、五郎丸選手愛読、Google、 IBM、ナイキが研修に取り入れているなどなど、変化の激しい現代のおいて15年にわたり、支持されている一冊。
仕事、家族、恋人、友人など人間関係をよりよくしたい人にはぜひ読んで欲しい。
物語調で挿絵も入りながら進めていけるのでとても読みやすいと思う。
「君には問題がある」
主人公は、超優良企業ザグラム社の上級幹部として転職してきた。
ライバル会社にいて高いパフォーマンスを発揮し、実績を引っ提げて入社した1ヶ月後、専務副社長バドが主人公に伝えたこの一言から物語は始まる。
人間関係でトラブルを起こす原因は「自己欺瞞」だ。
これを正しく理解し、自分をコントロールし、"箱"に入らずに居ること、居続けることが望ましい。
ゼンメルヴァイス医師から学ぶこと
1800年代半ばのヨーロッパは産褥熱と呼ばれる原因不明の病気で妊婦が次々と亡くなっていた。
この事態を憂いたゼンメルヴァイス医師は原因不明の病を解決するため、彼は通常勤務以外の時間をフルに使い、圧倒的な量の死体を研究し、原因究明に没頭。
ただ没頭している医師の病棟の死亡率は下がらず、医師が離れた病棟の死亡率が下がっていた。
何かしらの方法で死体から健康な人に何かが移動しているという仮説を立て、医師に石灰を用いた手洗い消毒することを徹底したところ、死亡率が下がっていった。
原因究明のために尽力したゼンメルヴァイス医師が他の誰よりも原因を運び、それが死亡率を高め、その異常な数値のおかげで原因が突き止められた。
「わたしのせいでどれくらいの患者が寿命を真っ当できずに墓に入らなければいけなかったか、まるで見当もつかない。」
これが細菌理論の先駆けとなったと言われている。
自分が良かれと思ってやってきたことが逆効果を生むこともあり、自分自身がそれに気づいていないことが誰しもある。
"自己欺瞞"とはなにか?
「"自己欺瞞の状態"="箱に入る"=細菌に感染し、発症している」
細菌が原因で産じょく熱を発症するのと同じように
自己欺瞞が原因で様々な人間関係の問題が発症する。
人間関係の問題を直すためには自己欺瞞という細菌のメカニズムは、細菌がどう感染し、発症しているかを知る必要がある。
自分への裏切り
"自己欺瞞=箱"の第一歩は、"自分への裏切り"だ。
1:自分が他の人のためにすべきだと感じたことに背く行動を「自分への裏切りと」呼ぶ。
2:いったん自分の感情に背くと、周りの世界を、自分への裏切りを正当化する視点から見るようになる。
3:周りの世界を、自分への裏切りを正当化する視点から見るようになると現実を見る目がゆがめられる。
4:したがって、人は自分の感情に背いたときに箱に入る。
わかったようでわからないので、ぼくの体験談に合わせて解説していく。
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