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お寺のデータサイエンス(準備編)

 お寺には過去帳というものがある。もちろんこれは、個人情報となるので人に見せてはならないとキツく宗門から言われている。過去帳には、門徒様がいつ何歳で亡くなったか(往生されたか)が記録されている。元々は全て手書きのものであったが、30年くらい前に私の両親がその過去帳をパソコンに入力した。パソコンに入力されていれば、例えば来年、どなたの回忌法要(33回忌等)が当たっているかの一覧を出したり、個別の案内を作成したりができる。自坊では、そのようにして出力された案内を、門徒様に毎年送付している。パソコン入力以前はどうやっていたのかはまた後日書こう。昔の人は大変だったなぁと思う。

 さて、それ以降、手書きの過去帳とパソコン内の過去帳が並列して記録されている。約500年の歴史のある寺なので、手書きの過去帳のデータは膨大であるが、約30年前に両親が打ち込んだのは1940年以降に亡くなった方のデータのみ。なぜかというと、自坊では50回忌(亡くなってから49年目)の案内までをしているから。ちなみに50回忌の次は100回忌、150回忌と50年ごとに続くが、うちでは50回忌までしか案内をしていない。100回忌も案内されるお寺もあるようで、その話も面白いが、それも後日。つまり、両親がパソコンに打ち込むと覚悟を決めた1990年ごろから50年前ということで、1940年ということになる。

 つまりまとめると、我が家には1940年から2024年に至る、約80年分の往生年月日、享年(亡くなられた年齢、ただし満年齢ではなく数え年)、性別の電子的なデータが存在する。もちろん、お名前とリンクすると、個人情報となるので、上記三つ(往生年月日、享年、性別)だけを抜き出したもので解析してみようかなと思う。データを調べると、どうも1940年ごろのデータは怪しいので、キリが良いところで1950-2019年の70年分のデータを使うことにしよう。

 田舎の規模も比較的小さな末寺である。データ数もたかが知れている。よくわかっている人なら、これらのデータから、寺の規模をおおよそ推定できるだろう。その辺りは、勝手に推定してもらっても構わない。隠すことでもないだろう。

 ということで、不定期になるが、自坊のデータサイエンスを今後やっていく予定である。


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