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AIを中心においた研究会の提案

AIはこれからも大きく進化するであろう。これは現状のAI(ChatGPT-4あたり)の活用法としての提案というか、先日ちょっとした集まりで試してみたことを述べたい。

過疎化対策研究会

たとえば、過疎地域の今後を考えるということ。現状は、多額のお金を市などが払って業者に委託し、様々な分析結果を得て、それを元に一部の人が政策を立てていく。それプラス、住民の要望を聞くということがある。

率直に言って、経済的に発展している時にはそれで良いと思うが、今後、過疎が進み、街が消えていくという方向にある時にはそう言ったやり方はうまくいきそうにない。なぜなら、住民の意見というのは大抵自分勝手であるし、国からの補助金に依存する現状においては、それを当てにした政策しかおそらく出てこない。実際問題として、これは仕方ないことである。

そこで、AIを中心に置いた研究会をするのだ。政策策定をする人たちと、住民、たとえば高校生なんかも参加する。人口統計データなどは、e-Stat などから持ってきておく。

現状のAIは、そのままのエクセルデータなどを投げると、結構AIは混乱する。前もっての多少の加工が必要であるが、近い将来にはそれも不要になるだろうが。

長門市の人口ピラミッド

それらを元に、たとえば私の住んでいる長門市の人口ピラミッドの図を描いてみたりする。

2024年の長門市の人口ピラミッド

この図を見ると、そもそも人口ピラミッドになっていないことが一目瞭然である。また、これはまずいだろうというのも瞬間的にわかる。

一つ注意しておきたいことがある。外部委託で同じような資料が得られるとして、それが目の前の資料にあるということと、現場でデータを解析してその場でこの図を出すのでは意味あいが違うということ。全くもって軽い言い方であるが、感動の度合いが違う。また、思考のプロセスがそこにはある。これは決定的な違いなのだ。結果だけを見るのと、結果を導き出す現場に居合わすことは全く違う。

また、AIであれば、ピラミッドの時間的な変化もわかるし、今後の予測もできる。そう言ったことを、AIの力を借りればその場のある意味素人の集団で、あーだこーだで「研究」できるのである。ただし、ある程度AIの操作に慣れていて、しかも統計や数学的な知識を持った人が操作する必要があるが。

こう言ったことを、ライブで検討を進めていくことが、現状のAIでできるし、これはAI登場以前ではなかなか難しいことであった。

AIが中心にあることで、客観的な議論ができる。たとえば、これまでの方法では、そもそも街の思惑もあり、ある程度方向性が決まっている中で、住民の意見は聞きつつも、その方向性を「説得」するということであったであろう。

この、AIを中心に、住民と政策決定者が一緒に研究しつつ、その方向性を決めるというのは、たとえばある土地の住民的には多少不利益があったとしても、全体としての利益が上がるとかそういう議論がよりスムーズにできる可能性がある。また、そもそも論として、まだ我々が気がついていない、外部委託では気がつけない問題点や、良い方向性が見出せる可能性がある。

山口県の人口ピラミッド

参考までに、山口県全体の人口ピラミッドを見てみよう。

2024年の山口県の人口ピラミッド

これもあまり良い形ではないが、先の長門市よりはかなりマシである。45から55歳の人口のボリュームがある程度あるため、労働人口は長門市単独に比べれば良いようだ。

県内の市町村の具合等をそれぞれ比較していける。たとえば、高齢者と若者の人口比率が長門市に比べて特に良いような市町村はどこか?とか。そこにヒントがあるかもしれないし、そうでもないかもしれない。

素人研究会のすすめ

実際、こういうことを先日ちょっとした集まりでやってみた。私を含めて、こういうことは素人の集団である。AIにこう言った図を出させて、いろいろ提案もしてもらった。提案は、突拍子ものないものから月並みなものまで。正直、AIの政策提案には現状あまり期待できるものはなかった。ただ、一緒にこういう「議論」「研究」をしているという雰囲気は確実にでた。それが大事なのだ。どうせ決まってるんでしょ?からの脱却。また、自分自身が当然だと思っていることからの脱却。これこそ、「議論」「研究」に求められることであり、AIはそれをサポートできる。

長々と書いたが、多くの解決困難なことが世の中には溢れている。先も書いたが、全体として発展している世の中では、それぞれのローカルな希望を聞いて実現しておけば良かった。今は、何を残し、何を捨てるか的な議論が本質的に必要で、これは「研究」に参加しつつ決定しなければ誰も納得できないことであるように思う。

以前であれば、専門家しかわからず、しかも都合よく方向性を決められ、よくわからず世の中が進んでいたかもしれない。そういうのはもうやめることができる。AIの助けを得れば。一方で、既定路線で物事が進んでほしい人たちも多くいる。しかも、そういう方々にとっては現状で良いというのが通常であるから、やはり難しいことだろう。街の素人集団での「研究会」という始まりが良いのかもしれない。

まとめ

AIを通じた「住民参加型の政策決定」の提案なのだろうと思う。ただ、最後に書いたように、現状なかなか難しいであろうことも容易に想像できる。高校のカリキュラムに、こう言ったAI活用の研究を入れると良いように思うが。

AIは、これまで専門的で難解であったため、ごまかしがきいていたことを、我々の面前にごまかせない形であらわにすることができる。これはとても良いことであるし、真に民主的な社会に近づくチャンスであるように思う。

少なくとも、AIの登場で、これまで存在しなかった「場」を作ることができるようになった。これを活用しないのは勿体無いように思う。

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