中小企業こそ営業DXを始めるべきではないだろうか?
みなさん、こんにちは。
カイロスマーケティングで代表を務めております、佐宗(さそう|@dsasoon)と申します。
カイロスマーケティングを創業から10年以上が経ちました。創業から一貫して、営業DXという領域でSaaSのソフトウエアの開発と提供に取り組んできました。いまでは2,000以上のお客さまにご利用いただけるようになりました。心から感謝申し上げます。
この過程において、多くの中小企業のお客さまと営業DXに関する課題やお話を伺う機会をいただきました。さまざまな課題が存在する一方で、中小企業に共通するいくつかの課題もあきらかになりました。
お話をうかがうにつれて、中小企業は営業DXを始めるべきではないか、課題解決に営業DXがピッタリ合うのではないか、と感じております。
そもそもDXってなんだろう?
DXは、デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略語であり、ITツールやデータなどのデジタルの力を活用して組織や事業を変えることを指します。国内では、2020年の社会情勢の変化をきっかけに、多くの企業でDXに関心を寄せるようになりました。
DXは、IT化やデジタル化と近い意味を持っています。
IT化やデジタル化は、業務そのものや業務プロセスに情報技術を取り入れ、情報の収集・処理・共有などの業務における作業の進捗効率を向上させ、業務の生産性や品質の向上や自動化を実現することです。例えば、紙の書類や手作業に頼っていた業務を電子的に処理し、情報の共有や検索を短時間でかつ簡単にすることがあげられます。データベースやクラウドサービスの活用により、情報を一箇所に集めて共有や検索を簡単にすることで、情報共有の即時性が上がります。
しかし、DXはIT化やデジタル化の枠組みを超えたものであり、事業やその目的主体を変えることを目指す取り組みです。DXは急速に変化するお客さまや市場に適応して、自社の競争力を維持または向上させることを目的としています。DXは、自社の競争力を強化する一環として、組織文化や組織としての「姿勢の変革」を含んでいます。
急速に注目を浴びる営業DX
リモートワークが進み、非接触での営業活動が求められるなかで、営業DXに関心を寄せる企業が増えてきました。営業DXとは、営業、販売促進、およびマーケティング(中小企業ではマーケティングを広報と呼ぶことがある)の分野におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を指す造語です。
営業DXの目的は、デジタル技術を活用して自社の営業活動を変えることです。
営業DXにより、売上や利益の向上、営業業務の効率化、デジタルマーケティングの活用による新たな市場機会の発見やお客さま関係性の強化、データに基づいた精度の高い意思決定など、さまざまな効果が期待できます。
営業DXではITツールを導入して営業業務の生産性の向上を目指します。
例えば、オンライン会議システムや、社内・チーム内のチャットツール、お客さまとのアポを手軽に調整する日程調整ツールなどが代表的な営業DXのITツールです。これらの活用により、営業活動における出張時間や出張費用の削減、会議時間の削減や組織内コミュニケーションの活性化に効果が期待できます。
また、会社の紹介や基本的な見積もり作成など、お客さまごとにほぼ同じ作業や繰り返し作業が存在する場合、これらの作業をITツールで行うことで、単純作業の時間削減につながります。
営業DXでは、業務効率以外にも蓄積されたさまざまなデータを活用します。CRM(顧客関係性管理ツール)やSFA(営業支援システム)と呼ばれるお客さま管理システムを使うと、お客さまの連絡先や企業情報、ヒアリング内容や商談情報が整理・蓄積できます。また、マーケティングオートメーション(以下「MAツール」と呼ぶ)は、お客さま単位でメール開封やホームページのアクセス状況を記録・蓄積し、有望な見込みのお客さまを探し出す、営業DXの代表格のITツールです。
CRMやSFAとMAツールを合わせて活用することで、販売促進や営業活動で発生するお客さま情報や自社の製品・サービスに関する情報が、一つのデータベースに集まるようになります。情報が一箇所に集まることで、営業社員どうしの情報共有や情報検索にかかる時間や手間が減るだけでなく、営業活動の情報も蓄積できるため特定のお客さまへの見積もり値引きの額の推察や、ある競合とのコンペ時の対策などができるようになり、営業力の強化につながります。