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ピンク・フロイド "Animals" より "Pigs (Three Different Ones)" 〜 歌詞和訳


前説

"Animals" は, ピンク・フロイド の アルバム の中で特に好きな方のアルバムというわけではない(理由はここでは詳述しないけれど, アルバム・カヴァーの絵柄といい, 歌詞といい, 戯画化がちょっと過ぎるという感があったせいかも)。筆者が一番好きな フロイド の アルバムは, "Meddle" 邦題「おせっかい」, 次が "Atom Heart Mother" つまり「原子心母」。その辺りについては, 次々章にリンクを置く過去 note にて。

で, 今でも時折り聴きはするけれど, フロイド の アルバムとして特別に好きなアルバムとは言えない(しかし懐かしい, ガキの頃の思い出に繋がる大事なアルバムの一つではある)"Animals", その収録曲の中で, "Pigs (Three Different Ones)" は好きな方の曲ではない。要するに, その他の曲, 当時の(高1 の冬, 1977年1月にリリースされて直ぐに買った) LP, A面の "Pigs on the Wing (Part One)", "Dogs", B面 2曲目の "Sheep", アルバムの最後に流れる "Pigs on the Wing (Part Two)" の方が, 歌詞においてもメロディにおいても自分の好みとしては上だ。

今日, "Pigs (Three Different Ones)" の 歌詞の和訳を note 投稿しようと思ったのは, 単刀直入に言うと, 前回投稿した note* の中で この歌の歌詞の一部の和訳を試みていた経緯があって, このままじゃ勿体無いな(笑), 残りも日本語にして完成させようと思ったから。

*前回の note というのは(この下にリンク), その第1章が 替え歌 〜 ピンク・フロイド "Pigs (Three Different Ones)" 歌詞中の "Mary Whitehouse" を "White House", つまり 「ホワイトハウス」 に替えて で, その冒頭から引用しておくと,

あの歌, 元々は, 1番の歌詞は 資本家・ブルジョア階級もしくは皮肉の対象としてのビジネスマン全般を揶揄していて, 2番の歌詞は マーガレット・サッチャー, 3番の歌詞は 当時 イギリス で ウルトラ原理主義 の キリスト教的価値観 を武器に「活躍」していた 超保守の活動家(後の アメリカ合州国 で言えば, ネオコン や クリスチャン・シオニスト みたいな奴ら, のようなもん)の 婆ちゃん, メアリー・ホワイトハウス を 批判・非難・罵倒している(なんと メアリー, BBC の番組からポピュラー音楽を一掃せよなんてことまで言ってたらしい, まるで イスラムの方の原理主義の ホメイニ みたいだな, で, その婆ちゃんの名前, 英語で書くと "Mary Whitehouse")。

ここでは, 3番の歌詞の "Whitehouse" を "White House", つまり, あの「ホワイトハウス」に替える。

** 本「前説」の最初の段落で, 「"Animals" は … アルバム・カヴァーの絵柄といい, 歌詞といい, 戯画化がちょっと過ぎるという感が」云々 書いたけれど, 以下の note は 音楽作品ではない(念のため!)。

ホワイトハウスさんよ, おまえら全くの茶番だぜ 〜 Hey you, WHITE HOUSE, haha, CHARADE you are!!

ではでは。

"Pigs (Three Different Ones)" from Pink Floyd's 1977 album Animals 〜 歌詞和訳

Pigs (Three Different Ones) 〜 歌詞和訳

まずは, 本 note「前説」の最後に 前回 note リンクと共に掲載した引用から再び。

1番の歌詞は 資本家ブルジョア階級もしくは皮肉の対象としてのビジネスマン全般を揶揄していて, 2番の歌詞は マーガレット・サッチャー, 3番の歌詞は 当時 イギリス で ウルトラ原理主義 の キリスト教的価値観 を武器に「活躍」していた 超保守の活動家(後の アメリカ合州国 で言えば, ネオコン や クリスチャン・シオニスト みたいな奴ら, のようなもん)の 婆ちゃん, メアリー・ホワイトハウス を 批判・非難・罵倒している(なんと メアリー, BBC の番組からポピュラー音楽を一掃せよなんてことまで言ってたらしい, まるで イスラムの方の原理主義の ホメイニ みたいだな, で, その婆ちゃんの名前, 英語で書くと "Mary Whitehouse")。

つまり, 1番の歌詞では「カネにモノを言わせる連中」, 2番の歌詞では「(政治)権力にモノを言わせる連中」, 3番の歌詞では「"お仕着せ" の 道徳にモノを言わせる連中」, そんな, それぞれの類の, 巷の人間を操ろうとする連中を ターゲットにして, 誹謗と罵詈を浴びせ, 罵倒する。それが この歌。

しっかし ナンですね, インドのパンのナンは美味いけど(そんなの関係ねぇ, 古いな), アメリカ合州国の ホワイトハウス は なんナンだ, 相変わらずの ダブルスタンダード と 偽善 と 欺瞞。

今は 1977年ではなくて 2024年(まぁ 1977年当時の ホワイトハウス だって 今と同様なんだけど, しかし今, 2024年の今の今の方が もっと酷いかも)。

この歌, 2番の歌詞のターゲットのサッチャーは時代の産物(?)として残すとして, 3番の歌詞はやっぱ, 2001年11月にこの世を去った "Mary Whitehouse" に対する罵倒ではなく, 残念ながら今も その ダブルスタンダードと偽善と欺瞞ぶり が「健在」の アメリカ合州国 "White House" への誹謗・罵詈・罵倒だと見做して聴いた方が, 今のこの時代に相応しい聴き方なのかもしれない。

ではでは, どう聴くかはその時々の気分しだい(で責めないで, サザンオールスターズ 1978年11月, 脱線!)として, 歌詞全編の和訳をば(誹謗・罵詈・罵倒の歌詞の雰囲気を出したいので, そこそこ 意訳)。

"Pigs (Three Different Ones)", from Pink Floyd's 1977 album "Animals" 🎶

(英語原詞)
https://genius.com/Pink-floyd-pigs-three-different-ones-lyrics

(日本語訳)

*豚の鼻息の音(イントロ)

大男、ブタ野郎
ハハ, 見せかけの芝居だぜ お前ら
ウー!
ただ 金回りがいいだけの有力者さん達よ(*1)
ハハ, ただの茶番だぜ お前ら
で, お前ら その手を心臓の上に置く時って
危うく大笑いだよな, 利口ぶってるけど 莫迦だよ(*2)
ブタ箱, いや ゴミ箱に 頭を突っ込んで(*3)
「漁り続けろ」って言いながら
太った顎には ブタ, いや ゴミのシミ付けてやがる
何を見つけたいんだ?
ブタの坑道に入り込んで

お前ら 危うく 笑いそうだな
笑いだしそうだろ, だけど 本当は 泣いてんだよ

バス停にいる 口うるさいブス(*4)
ハハ, お前って ただの見せかけだぜ
醜悪な クソババアだよ(*5)
ハハ, お前なんて ただの茶番なんだよ
割れたガラスのような冷たい光を放って
危うく 大笑いだよな
歯 見せて サッと 満面の笑みってとこだ
お前って まるで 鋼鉄 触ってる感じだな
ハットピン付けたお前って 猥褻だぜ(*6)
拳銃 弄んで(もてあそんで)イキそうかい

お前 危うく 笑いそうだな
笑いだしそうだろ, だけど 本当は 泣いてんだよ

おい お前, ホワイトハウスっていうんだな
ハハ, ただの茶番だな お前
お前の家の自慢の ドブネズミ ってとこだ
ハハ, 言う事 為す事, ぜんぶ茶番だぜ
俺たちの感情を通りから遠ざけたいんだろ
お前って ほとんど至れり尽くせりだな
みな 堅く閉じた唇 と 冷たい足 ばかり
虐められてるって 感じるかい?
...! ...! ...! ...! ...! ...! ...! おい
邪悪な流れを 喰い止めるんだよ
ぜんぶ お前の中に 詰め込んじまえよ

メアリー, お前 ほとんど 至れり尽くせりだよな
メアリー, ほとんど 至れり尽くせり, だけど 実は 泣いてんだろ

…………………………………

訳注
*1 big wheel は「大きな車輪」「大観覧車」といった意味にもなるが, イギリスの口語 bigwig と同義で, 「有力者」「大立者」「大物」などを指す言葉にもなる。

*2 joker には「ジョークを言う人」といった意味の他に, 「利口ぶった野郎」「自惚れてる奴」「ばか」「あほ」「取るに足りない奴」といった意味も。

*3 bin は「ゴミ箱」, pig bin も「ゴミ箱」「ごみバケツ」。歌のタイトルに因んで, あえて上記の和訳のような表現にした。

*4 rat は「ネズミ」だが, 口語で「嫌な奴」「卑劣な奴」といった意味もあり, bag の方は 普通に「バッグ」の他に, 俗語として「醜い女」「ブス」「口うるさい奴」といった意味で使われることがあるようなので(*6 との繋がりで言うと, やはり俗語として「女性の性器」という意味も)。

*5 hag は「クソババア」。なかなか使う機会ないね(笑)。

*6 hot stuff は 俗語。色々な意味で使われる。まさに色々。「非常に優れた人, 物, もの」「流行りのもの」「最新情報」, そして「性的に興奮させるもの」「卑猥なもの(写真とか本とか動画とか)」。あ, 熱い食べ物とか飲み物といった意味も一応あります。一応ってなんだ(笑)。それと, hatpin は, 婦人帽を髪に留める長めのピン。

英語原詞 について

外国語の歌の歌詞の和訳を試みてそれを掲載するのだったら(note にしろその他のサイトにしろ), できることなら 原詞を併載した方がよい。明らかにその方が分かりやすい。しかし, それは(歌詞原詞の全編掲載は)残念ながら不可能。

本 note で取り上げた "Pigs (Three Different Ones)" の歌詞なら, 上に掲載した筆者の拙訳(拙者による訳なので「拙訳」, しかし中身は「良訳」.. かな, 「良薬は口に苦し」, 笑)のその上に, 同曲の歌詞原詞が掲載されたサイト(一例!)へのリンクを載せたので, そちらでどうぞ。

英語歌詞, つまりここでは, 英語で歌われる曲の原詞。その(全編)掲載に関しては, 以下の note の「前説」の次の次の章「英語原詞 について」にて。

さて さて 🎶

ピンク・フロイド, 歌詞和訳 note リンク集

"Wish You Were Here" と "If" と "Echoes" の 3曲。しかし note の数はわりと沢山。

"Wish You Were Here", the title track of Pink Floyd's 1975 album 〜 歌詞和訳

当時は「拙訳」と付してたのです, 拙者の訳だから「拙訳」と, 遠慮して(笑)。しかるにその実は「良薬は口に苦し」の「良薬」ならぬ「良訳」。自訳自賛。

"If" from Pink Floyd's 1970 album Atom Heart Mother 〜 歌詞和訳

"Echoes" from Pink Floyd's 1971 album Meddle 〜 歌詞和訳

けっこう気に入ってる日本語訳です, 我ながら!

note ピンク・フロイド 「エコーズ」 を和訳する 〜 空を見上げ、アムリトサルで、ダラムサラで、ポンペイで、そしてスタンリー・キューブリック「2001年宇宙の旅」を観ながら聴く、不朽の名作 "Echoes" by Pink Floyd

note ポンペイで、アムリトサルで、ダラムサラで聴く 〜 ピンク・フロイド 「エコーズ」 (歌詞和訳)

note ポンペイの遺跡を歩いた, 1983年7月8日(写真11枚) 〜 "Echoes" Pink Floyd LIVE at ポンペイ, 1971年10月(歌詞和訳)

ちょっと関係ありの 2つ。

note インド入国, まずは シク教「黄金寺院」の街 アムリトサル へ 〜 1983年11月29日-12月3日

note ダラムサラ(インド北部) 〜 チベット難民が住む標高2,000m超の山中で暮らした, 1983年12月の10日間

note 2001年宇宙の旅 と ピンク・フロイド 「エコーズ」 の シンクロニシティ 〜 歌詞和訳

ついでに 宣伝。

note 「ブレードランナー」から「2001年宇宙の旅」/ "Echoes" へと巡る旅 〜 〜 経由地は「いまを生きる」「6才のボクが、大人になるまで。」「生きる」「ゴンドラの唄」, "To the Virgins, to Make Much of Time", 途中下車して「ウィンザーの陽気な女房たち」, "Welcome to the Pleasuredome" "Relax", 「アポロの歌」, "If" & "If", 「ツァラトゥストラはこう語った」

あと 2つ。

note 宙に舞い静止するアホウドリ 〜 ピンク・フロイド Echoes 和訳, フィンランド・ヘルシンキ編

note ピンク・フロイド Echoes 歌詞和訳 〜 ネットで入手した「英語原詞」に誤り発見


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