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インド・ダラムサラ, 標高2,000m超の山中で聴く ピンク・フロイド 「エコーズ」 〜 歌詞和訳

インド・ダラムサラ 滞在 41周年記念(41, 半端だな), かつ「エコーズ」歌詞和訳・初出 note ハート 50 到達記念(3日前にキリのいい 50 に, 更なるアップを祈念, 宗教上の「神」に念じるなんてしないけど 宇宙の何処かに祈念)。


インド・ダラムサラで, ピンク・フロイド 「エコーズ」

タイトル上の写真は, 現地時間の 41年前の明後日(微妙だな, 笑), 日本軍による真珠湾攻撃からちょうど 42年後(それ日本時間ですね), ジョン・レノンがニューヨークで殺されてから 3年後(ニューヨーク現地時間ですね), インド・ダラムサラの山中にて 現地時間 1983年12月8日の夕刻, 筆者が撮影したもの。

のっけから(文字通り)冒頭の一文, 長過ぎ。しかしピンク・フロイドの名曲「エコーズ」も長い。あれは長過ぎではなく, あのくらいあってこその歌詞と音楽だけど。

因みに40年ほど前, 1983年から1984年にかけての "バックパッカー" 一人旅(時に二人, 稀に三人以上)の際, ちょうど今頃, 12月上旬の約10日間(8泊9日です), 確かにインド・ダラムサラの地に滞在したけれど(*1, 2), 彼の地で「エコーズ」は聴いていない。当時, トルコ・イランの国境からイラン・パキスタン, そしてインドのアムリトサル, 更にダラムサラまで移動を共にしたドイツ人バックパッカーがカセットで持っていた喜多郎やキング・クリムゾンを聴きながら, それからラジオで インドの音楽をかけながら, チャラス(ハシシ)をチャイに入れて飲んだり, あるいは吸ったり(すかさず注釈入れると少なくともその頃のインドでは合法である地域が多かった, しかしその後, 1985年に制定された法律で各種行為が規制されるようになったようなので, その後インドに行ってない筆者には現状不詳, 括弧長いな, 「エコーズ」も長いんだってば)。

その時は パキスタンから インドに 陸路入る直前に 知り合った ドイツ人女性バックパッカー, それからもう一人日本人バックパッカー, 計4人で ダラムサラ 山中の山小屋みたいな宿に同宿していたのだが(その後, ダラムサラはそれぞれ別々に発ち, 以降, インドを引き続き旅し, タイ, 韓国を経て日本に戻るまでの間は再びの一人旅), 前述の彼も残念ながら ピンク・フロイドのカセットは持っていなかった。

ただ, まだ アムリトサルにいた 12月1日の日記に,

青色テープはプライバシー保護

思い出し記。
きのう, かなり効いてるとき, "エコーズ" の世界に
いるかんじだった。

とあって, インドの夜は「エコーズ」なのです(詳述割愛, 笑)。

それより何より, アムリトサル(*3), ダラムサラと, 2週間ほど 旅を共にしたドイツ人女性バックパッカー, レナーテ, たまたま同じ23歳で, 英語で話すときは "Maybe" が口癖, 朝, 顔を洗ってると, いつも笑いながら "Maybe you can lend me your towel" と言って近づいてきたレナーテ(なんで自分のタオル使わないんだよ, 笑), その時の彼女の顔や表情, 声は今でも思い出せる, レナーテ, 彼女を思い出す曲が, Pink Floyd "Echoes" なのだ。

And no one sings me lullabies
And no one makes me close my eyes
So I throw the windows wide
Call to you across the sky

なぜかというと.. それは以下の過去 note の中に書いてあります(my note 宣伝)。そこに書いた以上のことは.. それは meddle というものです(笑)。

Echoes 〜 from Meddle, the sixth studio album by Pink Floyd, released on October 31, 1971 🎶

Overhead, the albatross
Hangs motionless upon the air
And deep beneath the rolling waves
In labyrinths of coral caves
The echo of a distant time
Comes willowing across the sand
And everything is green and submarine

歌詞原詞の全編掲載は著作権上無理。歌詞和訳は次章にて。

*1 ダラムサラ(インド北部) 〜 チベット難民が住む標高2,000m超の山中で暮らした, 1983年12月の10日間

*2 ダラムサラ 〜 標高2,000m超、インド北部、チベット難民が住む地域の山中で暮らした、1983年12月の10日間

*3 インド入国, まずは シク教「黄金寺院」の街 アムリトサル へ 〜 1983年11月29日-12月3日

ではでは。

インド・ダラムサラ の 山中で聴く, ピンク・フロイド 不朽の, 永遠の, 名作 「エコーズ」 〜 歌詞和訳

もったいぶって, 41年前のほぼ今頃, 1983年12月8日に インド・ダラムサラ 山中で撮った写真を載せ(この風景にぴったり, あの名曲の音楽も歌詞も以下に掲載するミュージック・ヴィデオも), その後, エコーズを聴きます。

Echoes (short version) 〜 from "ECHOES - The Best of Pink Floyd", the compilation album by Pink Floyd, released on November 5, 2001 🎶

英語原詞 https://genius.com/Pink-floyd-echoes-lyrics

頭上 空高く アホウドリが (*1)
宙に舞い上がったまま静止して垂れ下がる
そして 揺れる波間の奥深く
珊瑚の洞窟の迷宮の中
遠く離れた潮の流れ 遥かな過去の残響が (*2)
砂地を越え 風に舞う柳の如くゆらゆらとやって来る (*3)
そして 何もかもが青々とした緑色を成し 海の底に (*4)

誰も我々を陸地に導かなかった
誰もが 何処にいるのか 何故そこにいるのかを 分かっていない
しかし何かが目覚めて動き出し 何かが試みを始める (*5)
そして 光に向かって 登り始めるのだ

通りすがりの見知らぬ者どうしが
偶然にも 一瞬その視線を交わす
実は私はあなたであり 私が見ているのは私自身なのだ
私はあなたの手を取り
この地の何処(いずこ)かに導き
自らができる最上のことは何なのか 理解することになるだろうか?

先に進むよう呼びかけるものなどいない
視線を落とすよう強いるものもいない
言葉を発するものはいないし 我々のように試みるものもいない
太陽の周りを飛ぶものなどいないのだ

雲ひとつない毎日 あなたは 覚醒した私の眼に舞い降りる
私に起き上がるよう 誘い(いざない) 鼓舞しながら
そして 壁に埋められた窓を通し
陽の光の翼に乗って差し込んでくるのは
眩い(まばゆい)ばかりに光り輝く何百万もの朝の大使 (*6)

私に子守唄を歌ってくれるものなどいない
私の目を閉じさせるものもいない
だから私は窓を大きく開け放ち
空の向こうのあなたに呼びかけるのだ

.............................................

訳注

以下, 次章にリンクを載せる筆者の「エコーズ」歌詞和訳・初出 note に付した「注釈」を転載。

*1~6 はこの歌の和訳歌詞の筆者(あ、拙者のこと)による和訳作業にかかる注釈で、*7 はこの歌の収録アルバムについて。

*1 albatross

鳥の名前、アホウドリのことだけれど、アホウドリは南太平洋に沢山いて、翼が長いのが特徴の水鳥。この鳥を航海中に見たらそれは嵐の前兆だとされたとかいう話もあるようで、それと関係があるのかどうか、"albatross" には「心配のもと」、要するに、心配なので「頭痛の種」になるようなものを意味する場合がある。

"albatross" が「頭痛の種」を意味する場合がある鳥の名前だと思えば、この歌の歌詞が "Overhead the albatross hangs motionless upon the air", 「頭上 空高く アホウドリが 宙に舞い上がったまま静止して垂れ下がる」で始まっている点、英語で「頭痛」を意味する "headache" にも「頭痛」だけでなく、「頭痛の種、悩みの種、困ったこと」といった意味があるわけで、"Overhead" と "albatross" の意味上の関連があってこうした wording, すなわち言い回しなり言葉遣いなりが為されたのか、その辺り、興味深いものがある。

つまり、単に「アホウドリ」という水鳥のイメージだけでなく、「アホウドリ」=「頭痛の種(心配事、困り事、悩みの種)」が「頭上」にあってといった意味合いが込められている、そういったダブル・ミーニング的なニュアンスがあるのかどうか。

*2 time (tide)

この箇所、"time" にも "tide" にも聞こえる。文脈上、"tide" であっても不自然ではないと思うが、ネット上の歌詞サイトで見る限り、"time" としている方が多いようだ。

"distant time" なら「遠い過去の時代」といった意味合いになると思うが、"tide" も「潮の流れ」「潮流」の他に文語として「好機」「潮時」、更にはやはり文語で「季節」「時期」といった意味として使われるケースがあり("Christmastide" などのように結合語の一部としてというケースが多いようだが)、"distant time" なら「 遠い時代」「遥かな過去」といった訳し方ができる一方で、"distant tide" も似たような意味で解釈することは可能だと思う。

そこで、当該の箇所 "The echo of a distant time (tide)" については、"tide" の一般的な意味が「潮の流れ」であることも踏まえ、かつ "distant tide" としての解釈を先に持ってきた方が日本語としてのリズムがいいように思えたため、「遠く離れた潮の流れ 遥かな過去の残響が」と訳すことにした。

*3 willowing

willowing は難関。"willow" が動詞として使われることは、極めて稀だろうと思う。"willow" だけなら通常は「柳」の意だが、これを動詞として使うなら「開繊機にかける」という意味の極めて特殊なケースの場合になる。

結局、筆者は、"Comes willowing across the sand" については、些か苦し紛れであるが、前後の文脈を考えた上で、「砂地を越え 風に舞う柳の如くゆらゆらとやって来る」という長めの日本語表現にした。

この歌の歌詞における "willowing" の解釈は非常に難しく、英語話者の間でも議論されているくらいのもののようだ。

以下は、訳す際、"willowing" という、"willow" は「柳」の意の名詞でありながら "willowing" と動名詞に変化しているかに見えるこの箇所について、何か特殊な意味の(「開繊機にかける」の意味以外の)動詞としての "willow" があるのかどうか、何か手掛かりがないかとググって見つけたウェブ上の複数意見。ただし、これを見ても、結局、はっきりした結論は出ない。というか、正直言って、途中まで読んで、最後まで精読しないままに、歌詞和訳の作業に戻ってしまった(笑)。

なお、前項 *2 time (tide) との関連で言うと、前項において筆者が 〜 "time" にも "tide" にも聞こえるがネット上の歌詞サイトで見る限り "time" としている方が多いようだ 〜 としている件、以下のリンク先では質問者は "tide" の方を採用している。

*Willow (Verb)? という見出しのオンライン解説のリンク, 初出 note に載せていたのだが, 残念ながら現在 "404 Not Found" になっている。とりあえず放置。

*4 green

"green" は当然ながら、普通、日本語では「緑色」ということになるわけだが、英語の "green" には(形容詞として)「緑の」「緑色の」といった意味の他に、「(植物などが)青々した」とか、「(青々とした植物のように〕若々しい」「元気な」とか、「(果実が)青い」「未熟の」、それが転じてということなのだろうが、「(青い果実のように人が)未熟な」「経験の浅い」「世間知らずの」といった意味がある。ついでながら("Echoes" の歌詞の中においてどこまで「ついで」か分からないが)、「(顔色が)青ざめた」「吐きそうな様子で」「体調が悪そうな様子で」といった意味もあるようだ。

また、上記より更に「ついで」ながら、交通信号の中の日本語でいうところの「青信号」は英語では "green", "green light", "green signal", "green traffic signal", "green traffic light" といった言い方になり、いずれにしても "green", つまり日本語に直訳すれば「緑」「緑信号」であって、これに関しては英語話者の色彩感覚は日本人一般のそれと異なる事になる。要するに、英語の "green" と日本語の「緑」、英語の "blue" と日本語の「青」は、その意味するところがぴったりイコールで一致するわけではない。

"And everything is green and submarine" については、上記のような微妙なニュアンスを気にしつつ、「そして 何もかもが青々とした緑色を成し 海の底に」という日本語のフレーズに置き換えることにした。

*5 stir(s)

"stir" と言えば、筆者の頭に最初に浮かぶのは他動詞で「(スプーンなどの器具で液体を)かき回す、かき混ぜる」、自動詞で「(スプーンなどで)かき回せる、かき混ぜられる」といった意味になる単語だが、"stir" (はこの歌の歌詞の該当箇所では自動詞) には自動詞として他に「(位置が)わずかに動く」「ずれる」「揺れる」、「(休息後に)目覚める」「活動する」、また(文語として)「(感情が)呼び覚まされる」「(感情が)湧き上がる」、(話語として)「(騒ぎなどが)起きる」「発生する」といった様々な意味がある。

"But something stirs and something tries" については上記を踏まえ、「しかし何かが目覚めて動き出し 何かが試みを始める」と訳すことにした。

6 A million bright ambassadors of morning

"A million" はもちろん、日本語に直訳すれば「百万」。ただ、ここで表現したいことは、「数え切れないほど沢山の」といったニュアンスだろうと思う。些か冗談めくが、通貨価値からしても "A million" US dollars はかなりの大金だが、「百万」円となるとそれと比べた場合にはそこそこの大金(筆者にはそれもかなりの大金だが、笑)。

いずれにしても、この歌詞の上記フレーズの中での "A million" は、日本語に置き換えた場合は「何百万もの」とした方が相応しいと考え、"A million bright ambassadors of morning" は日本語で「眩い(まばゆい)ばかりに光り輝く何百万もの朝の大使」と表現することにした。

*7

以下のリンク先にあるのは、筆者が 14年前、2006年5月21日に (HTML で) 書いて、自分のホームページにアップした、"Echoes" 収録アルバムである "Meddle" についての比較的短い、かつ私的(当たり前か、笑)レヴュー。

ただしそのホームページは近年全く更新していない。また、2001年夏に本を買って HTML 独学して 1週間ほどで立ち上げた、ホームページ作成用簡易ソフト不使用のウェブサイトで、以降一切、仕様を変えておらず、現在、とりわけスマホなどから閲覧しようとすると OS のヴァージョン次第では文字化けする(威張ることじゃないけど、まぁ威張ってはいないけれど、いつもこれ書いてるんだけど、でも初めて見る人には「初めて」なわけで)。

*どうやら近頃はほぼ文字化けが起きないようで。

さてさて 🎶

ピンク・フロイド 「エコーズ」 を和訳する 〜 空を見上げ、アムリトサルで、ダラムサラで、ポンペイで、そしてスタンリー・キューブリック「2001年宇宙の旅」を観ながら聴く、不朽の名作 "Echoes" by Pink Floyd

Echoes 〜 from Meddle, the sixth studio album by Pink Floyd, released on October 31, 1971 🎶

Overhead, the albatross
Hangs motionless upon the air
And deep beneath the rolling waves
In labyrinths of coral caves
The echo of a distant time
Comes willowing across the sand
And everything is green and submarine ..

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