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男が歌う、女が歌う、バイセクシャルが歌う ー 恋人と別れる50の方法 (歌詞和訳)

ポール・サイモンは面白い人で、というかメロディ・メーカーとしてもメタファー・メーカー(なんて言葉がなければこれは拙者の造語)としても天才で、曲も歌詞も素晴らしいものを作ってきた人なんだけれど、面白い人で、と言ったのは、グラミーの最優秀アルバム賞を受賞した1975年10月25日リリースの "Still Crazy After All These Years", 昨日の note 投稿でも取り上げたそのアルバム・タイトル曲の "Still Crazy After All These Years" は "I met my old lover on the street last night" (昨日の夜、街で思いがけず昔の恋人に会った:意訳) と語り始めて、その元彼女、いわゆる「元カノ」とビールを飲みながら昔話をして、「今でもイカレてる」、そういうヴァースで始まる歌なんだけれど、その曲はそのアルバムの A面1曲目で、同じアルバムの A面4曲目では、今度は "50 Ways to Leave Your Lover", つまり「恋人と別れる50の方法」について歌っている、例えばそういうところが面白いと思ったわけで。いきなり長い一文だな(笑)。

もっとも、ポール・サイモン本人がこの2曲の対比について何か考えたかどうか、あるいは何かそこに意図があったのかどうかについては知る由もないけれど。

以下の歌詞の日本語訳は、今日午前中に思い切り短時間で訳してみた、ホヤホヤの和訳詞。推敲に時間をかけてないから、いずれは改訂するかもしれないけれど、とりあえず今日、投稿してしまおうと思う。

で、Paul Simon のオリジナルと、他に、Sophie Milman という名のジャズ・ヴォーカリストの女性ストレート・ヴァージョン、それから Miley Cyrus のバイセクシャルもしくはレズビアン・ヴァージョン(本当にそうかどうかはさて措き!)のカヴァーを取り上げて、それぞれに日本語訳をつけてみた。

原詞にある英単語を、逐語訳的に訳してはいない。そういう意味で意訳っぽいところはあるけれど、元の歌詞の雰囲気に近づけるにはこの方がいいと思う。

例えば、“It’s really not my habit to intrude" は、「おせっかいするなんて私の柄じゃないし」という日本語にした。"intrude" は「(私事に)立ち入る、邪魔する」とか訳す場合が多いんだろうと思う。"habit" なんて「習慣」「癖」、せいぜい「性分」ぐらいだろうけど、「私の柄じゃない」としたところは、本当は「私の趣味じゃない」としてもいいくらいだと思った。 

サビのところの、「ジャック, スタン, ロイ, ガス, リー」と名前が連呼されるところは、それぞれのところで、それこそ面白いように英語で韻を踏んでいるわけだけれど(ああいう短い間隔でやるやつも「韻」っていうんだっけ? まぁそこは今日は深く考えないで、とにかく)、それを日本語訳に反映させるのは極めて困難で、無理してやることもないだろうと思う。

ところで、「恋人と別れる方法は 50もあるのよ」と言う女性からさらに “Why don’t we both just sleep on it tonight? And I believe in the morning you’ll begin to see the light” と言われて、こういうシチュエーションで、世の多くの男はどう応えるんでしょうかね。まぁ人によりけり、かつ相手によりけりってところか。そりゃそうだな。女性が男性に言われた場合も然り、LGBT の人が LGBT の人に言われた場合も然り。恋愛なんて、十把一絡げに答えを出すのは無理なんだから。

というわけで、この地球上、実際のところは「恋人と別れる方法」も 50 どころか 70億 ぐらいあるのかな(笑)。

恋人と別れる50の方法 (ポール・サイモン)

Paul Simon の数多あるヒット曲のうちの一つ、イントロの Steve Gadd のドラムスがあまりに有名な、"50 Ways to Leave Your Lover" ♫

50 Ways to Leave Your Lover ー From Paul Simon 1975 album "Still Crazy After All These Years"

*一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)より「著作権を有する音楽著作物の著作権を侵害している」旨, 指摘を受けた為, 当初 私の誤認識によりここに掲載していた英語歌詞を削除しました。英語歌詞・原詞は公式サイト等に掲載されているものを確認してください(2022.9.1 加筆/削除/編集)。

..............................

問題は全部あなたの頭の中にあるのよ
彼女は僕にこう言ったんだ
論理的に考えれば簡単なことよ
私はもがき苦しんでるあなたを助けたいの
自由になれるようにね
恋人と別れる方法なんて 50もあるに違いないんだから

彼女はこう言ったよ
おせっかいするなんて私の柄じゃないし、
私の気持ちが無意味になったり誤解されるのも嫌だわ
野暮なのを承知で繰り返すけど
恋人と別れる方法なんて 50もあるに違いないのよ
50も方法があるのにって言ってるの

こっそり脱け出すだけよ、ジャック
新しい計画を立てるの、スタン
遠慮しなくてもいいのよ、ロイ
ただ自由になるだけなのよ
バスに飛び乗るの、ガス
そんなに話し合う必要なんてないの
鍵なんて置いていけばいいのよ、リー
そうすれば自由になれるの

さぁこっそり脱け出すのよ、ジャック
次のプランを立てて、スタン
遠慮なんてしないで、ロイ
私の話を聞けばいいの
バスに飛び乗って、ガス
そんなに話し合っても無駄よ
鍵なんて置いていくの、リー
そうすれば自由になれるんだから

彼女は話し続けたんだ
あなたがそんなに苦しむのは見ていられないわ
私に何かできることがあればいいのにって思うの
あなたの顔に微笑みが戻るようにね
僕はそこで応えたんだ
ありがとう
じゃぁ教えてくれないかい
その 50の方法ってのを

彼女はこう言ったんだ
それって今夜一晩二人で一緒に寝て..
そうね、寝かせて考えてみたらどうかしら
朝になったらきっと
あなたは答えに近づいていると思うの
そう言って彼女は僕にキスして
それで僕は彼女の言う通りだって悟ったんだ
恋人と別れる方法なんて 50もあるに違いない
方法は 50もあるってわけさ

こっそり脱け出すだけよ、ジャック
新しい計画を立てるの、スタン
遠慮しなくてもいいのよ、ロイ
ただ自由になるだけなのよ
バスに飛び乗るの、ガス
そんなに話し合う必要なんてないの
鍵なんて置いていけばいいのよ、リー
そうすれば自由になれるの

こっそり脱け出すのよ、ジャック
次のプランを立てて、スタン
遠慮なんてしないで、ロイ
私の話を聞けばいいの
バスに飛び乗って、ガス
そんなに話し合っても無駄よ
鍵なんて置いていくの、リー
そうすれば自由になれるんだから

恋人と別れる50の方法 (ソフィー・ミルマン)

Sophie Milman はロシア生まれのジャズ・ヴォーカリスト。ユダヤ人で、子ども時代をイスラエルで過ごしている。以降はおそらくカナダ。

彼女はポール・サイモンがオリジナルの歌詞で "She" としているところを、全て "He" に置き換えている。だから、女が男から「恋人と別れる50の方法」を「指南」されているというストーリー(もっともサビの部分、「ジャック, スタン, ロイ, ガス, リー」という男の名前の連呼は原曲通り、この、これでもかこれでもかの韻のところを変えるわけにはいかない)。

ところで、「指南」というと武術や芸事に使うのが元々の語法だろうけれど、恋愛というやつも、武術や芸事みたいなもんだろう ... 本当にそうか?(笑)

50 Ways to Leave Your Lover ー Sophie Milman

*一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)より「著作権を有する音楽著作物の著作権を侵害している」旨, 指摘を受けた為, 当初 私の誤認識によりここに掲載していた英語歌詞を削除しました。英語歌詞・原詞は公式サイト等に掲載されているものを確認してください(2022.9.1 加筆/削除/編集)。

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問題は全部きみの頭の中にあるんだ
彼は私にそう言ったわ
論理的に考えれば簡単なことさ
僕はもがき苦しんでるきみを助けたいんだ
自由になれるようにね
恋人と別れる方法なんて 50もあるに違いないんだから

彼はこう言ったの
おせっかいするなんて僕の柄じゃないし、
僕の気持ちが無意味になったり誤解されるのも嫌さ
だけど野暮を承知で繰り返すよ
恋人と別れる方法なんて 50もあるに違いないんだ
50も方法があるのにって言ってるのさ

こっそり脱け出せばいいんだ、ジャック
新しい計画を立てるんだ、スタン
遠慮しなくてもいいんだよ、ロイ
ただ自由になるだけのことさ
バスに飛び乗るんだ、ガス
そんなに話し合う必要なんてないんだよ
鍵なんて置いていけばいいさ、リー
そうすれば自由になれるんだ

彼は話し続けたの
きみがそんなに苦しむのは見てられないよ
僕に何かできることがあればいいのにって思うんだ
きみの顔に微笑みが戻るようにね
私はそこで応えたの
ありがとう
じゃぁ教えてくれない?
その 50の方法を

彼はこう言ったの
それって、今夜一晩二人で一緒に寝て..
そう、つまり、寝かせて考えてみたらどうだろう
朝になったらきっと
きみは答えに近づいていると思うんだ
そう言って彼は私にキスして
それで私はきっと彼の言う通りねって悟ったの
恋人と別れる方法なんて 50もあるに違いないのよ
恋人と別れる方法なんて 50もあるの

こっそり脱け出せばいいんだ、ジャック
新しい計画を立てるんだ、スタン
遠慮しなくてもいいんだよ、ロイ
ただ自由になるだけのことさ
バスに飛び乗るんだ、ガス
そんなに話し合う必要なんてないんだよ
鍵なんて置いていけばいいさ、リー
そうすれば自由になれるんだ

こっそり脱け出すんだよ、ジャック
次のプランを立てなよ、スタン
遠慮なんてすることないさ、ロイ
聞いてくれ
バスに飛び乗るんだ、ガス
そんなに話し合っても無駄さ
鍵なんて置いていくんだ、リー
そうすれば自由になれるんだから

恋人と別れる50の方法 (マイリー・サイラス)

マイリー・サイラスは確かバイセクシャルの人だったと思うけど、オリジナルの歌詞のまま、相手のことを She で歌ってるから、サビ以外の部分は、同性の相手とのやり取りを歌ってる、って感じになってる。

サビの部分、それぞれのところで韻を踏んで楽しめる「ジャック, スタン, ロイ, ガス, リー」という、男の名前の連呼については、原曲通り。

50 Ways to Leave Your Lover ー Miley Cyrus

*一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)より「著作権を有する音楽著作物の著作権を侵害している」旨, 指摘を受けた為, 当初 私の誤認識によりここに掲載していた英語歌詞を削除しました。英語歌詞・原詞は公式サイト等に掲載されているものを確認してください(2022.9.1 加筆/削除/編集)。

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問題は全部あなたの頭の中にあるのよ
彼女は私にこう言ったの
論理的に考えれば簡単なことよ
私はもがき苦しむあなたを助けたいの
自由になれるようにね
恋人と別れる方法なんて 50もあるに違いないんだから

彼女はこう言ったの
おせっかいするなんて私の柄じゃないし、
私の気持ちが無意味になったり誤解されるのも嫌だわ
でも野暮なのを承知で繰り返すけど
恋人と別れる方法なんて 50もあるに違いないのよ
50も方法があるのにって言ってるの

こっそり脱け出すだけよ、ジャック
新しい計画を立てるの、スタン
遠慮しなくてもいいのよ、ロイ
ただ自由になるだけなのよ
バスに飛び乗るの、ガス
そんなに話し合う必要なんてないの
鍵なんて置いていけばいいの、リー
そうすれば自由になれるのよ

こっそり脱け出すのよ、ジャック
次のプランを立てて、スタン
遠慮なんてしないで、ロイ
ただ自由になるだけなのよ
バスに飛び乗って、ガス
そんなに話し合っても無駄よ
鍵なんて置いていくの、リー
そうすれば自由になれるんだから

彼女は話し続けたわ
あなたがそんなに苦しむのは見ていられないの
私に何かできることがあればいいのにって思うのよ
あなたの顔に微笑みが戻るようにね
私はそこで彼女に応えたの
ありがとう
じゃぁ教えてくれない?
その 50もある方法のことを

彼女はこう言ったの
それって今夜一晩二人で一緒に寝て..
そうね、寝かせて考えてみたらどうかしら
朝になったらきっと
あなたは答えに近づいていると思うの
そう言って彼女は私にキスして
私は彼女の言う通りだって悟ったの
恋人と別れる方法なんて 50もあるに違いないのよ
恋人と別れる方法なんて 50もあるのね

こっそり脱け出すだけよ、ジャック
新しい計画を立てるの、スタン
遠慮しなくてもいいのよ、ロイ
ただ自由になるだけなのよ
バスに飛び乗るの、ガス
そんなに話し合う必要なんてないのよ
鍵なんて置いていけばいいの、リー
そうすれば自由になれるのよ

こっそり脱け出すのよ、ジャック
次のプランを立てるの、スタン
遠慮しなくてもいいのよ、ロイ
私の言うことを聞いて
バスに飛び乗るの、ガス
そんなに話し合っても無駄よ
鍵なんて置いていけばいいの、リー
そうすれば自由になれるのよ

そうすれば自由になれるの

関連リンク 1: 女性版 Still Crazy After All These Years (歌詞和訳)

昨日の投稿から。

関連リンク 2: Still Crazy After All These Years (歌詞和訳)

"Still Crazy After All These Years" の歌詞についてのちょっとした考察と、歌詞和訳。

この時は(拙訳)と書いているけれども、しばらく前から、そういう謙り表現はしないことにしている。拙者は拙者、だけど拙者による歌詞の日本語訳は、拙訳ではない。まぁ意訳だったりはするけれど。

拙訳ではなく良薬、良薬口に苦し、じゃなかった、良訳。おやじギャグ。

関連リンク 3: 収録アルバムのレヴューもどき

2004年10月11日、不惑のはずの「季節」を過ぎた44歳の時、1975年の晩秋、思春期とやらだったはずの中学3年だった15歳の時にアルバムを買って聴いて以来、2020年8月、来月の「還暦」とやらを控えた今も、Paul Simon の、に限らず、史上最優秀アルバムの一つだと思っている、"Still Carzy After All These Years" のレヴューもどきをして、「ライナーノーツ」もどきを書いていた。昨日の投稿でもリンク貼る前に書いた、ったく(全くの略、説明つけてまた長くなる)まわりクドイ一文。

ネット上ではここ。自前のホームページ上。ただし、2001年夏に本を買って HTML 独学して 1週間ほどで立ち上げた、ホームページ作成用簡易ソフト不使用のウェブサイトで、以降一切、仕様を変えておらず、現在、とりわけスマホなどから閲覧しようとすると OS のヴァージョン次第では文字化け。


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