トマト、チーズ、肉、アンチョビーなどをパン粉にまぜ、香料で香りをつけて焼いた、平たい大型のタルト
『遠いアメリカ』は古書店と喫茶店がふんだんに登場する小生がもっとも好きなタイプの自伝的小説。久しぶりに読み直した。やっぱり面白い。
主人公は大学を出ても定職に就かず英文学の翻訳家を目指している重吉。恋人ができ、先輩の好意もあって、小説の翻訳がようやく出版社に認められ、最後はそこに就職が決まって彼女と結婚できる……とこう書いてしまうと身も蓋も味もそっけもないが、これがなかなか苦難の道なのである。その叙述にあからさまな自虐的なぶざまさがかえってスマートに見えたりするところが常盤新平ならではの芸(あるいは人柄)なのかもしれない。
喫茶店
エリーゼ 7, 9
コロンバン 26, 27
ユタ 38, 163, 164, 206, 213, 214. 219, 222
レンガ 40
トップ 52, 89, 107, 111, 224
カスミ 106
アンヂェラス 134. 147
大都会 155
書店・古書店
誠志堂 44
高田馬場の古本屋 17, 18, 187, 196
イエナ書店 28, 30, 116, 218
三原橋の書店 31
百軒店の古本屋 碇さん 43, 79, 105, 147, 204, 218
丸善 103, 104
現在では嘘としか思えない翻訳家ならではのカルチャーギャップも見受けられる。1950年代だから、英訳すると言っても、現実のアメリカについてまだまだ知識が乏しかった。(引用文中の一行アキは原文では改行です)
う〜む、恐ろしい時代があったものだ。英和大辞典の説明も間違っているし。
ただ、小生も中学時代(1960年代末頃)初めてコカコーラを飲んだときには「なんて薬くさいんだ!」とビックリして吐き出した。その頃からピンキーとキラーズのコーラCMがテレビでバンバン流れはじめてようやく全国津々浦々に知れ渡ったんじゃないかと思う。
ピッツァとなるともっと後だろう。個人的には1976年にイタリアで初めて本物のピッツアを食べて、日本のあのべたっとしたピザがピッツァとは全くの別物であることを知った。その本場のピッツァが日本で手軽に食べられるようになったのは21世紀に入ってからではないだろうか。今では全国いたるところにナポリピッツァの店ができており、まさに隔世の感がある。