岡崎武志『昨日も今日も古本さんぽ 2015-2022』は『日本古書通信』連載の「昨日も今日も古本さんぽ」という古本屋探訪記を加筆編集した内容です。これに先立つ『気まぐれ古書店紀行』『気まぐれ古本さんぽ』も併せて二十五年もの長期にわたって日本全国の古本屋を訪ね、その記録を綴ってきたということになります。偉業と言っていいでしょう。
ザーッと目を通していたら、喫茶店が登場していたのでメモしておきます。「かけそば一八〇円、コーヒー一六〇円とは/大阪はええとこだっせ」より。創元社の『本の虫の本』(2018)を作るための打ち合わせで大阪へやって来た岡崎氏は、もちろん久しぶりに大阪の古本屋を巡ります。蛇足ながら、この打ち合わせには私も加わっていました、他に荻原魚雷氏、田中美穂さん(蟲文庫)、能邨陽子さん(恵文社一条寺店)、赤井稚佳さん(イラストレーター)、そして担当編集者でまだ大阪にいたころの内貴さん。楽しい半日でした。なつかしい。
チョビひげ老人店主の似顔絵もとぼけているし、シンプルな古本地図にも味がある。
ところで岡崎氏がライターで身を立てるべく上京(1990)する以前、一九八八年一一月に発行された『BRACKET』第五号に「文庫で読めない文庫 絶版文庫カタログ」という特集を山本善行氏(現・古書善行堂主人)と二人で担当しているのですが、そのなかにも大阪・京都の古本屋案内(地図入り)があるのです。そのページがこちら。すでに岡崎武志は岡崎武志です!