仕事に悩めるあなたにむけて。世界のどっかの男性がうつ状態になったお話。
仕事をしていて以下のような感覚に陥ったことはあるでしょうか?
「仕事は行けば楽しいというけれど、行っても楽しくない。。。」
「毎週日曜日夜がしんどい。」
「仕事のことを考えると嫌な気持ちになってしまう。。全てを投げ出したい。。」
「これからちゃんとやっていけるのか不安。。」
僕はあります。
でもきつい状態の時、僕自身はこんな記事を見つけたら、「わかった風にいうなよな。。、、。」と思っていました。
記事を書いている人は元気になったから記事を書いているし、環境も人間関係も違って、本当に目の前が真っ暗に感じている自分の本当の気持ちはわからない。
だからわかったようなことを書かないで欲しいと自分は感じていました。
そして何より、軽々しく「大丈夫?」とか「無理しないで」とか言われると自分が甘えているようで一番苦しい。
みなさんがどう感じるかは自由です。もちろん。
ですが、もしそんな気持ちの人がいたなら、
ここに書かれている話は世界のどっかの人だと思ってください。
あなたにはかけらも関係ない本当にどっかの人です。
仕事に悩めるあなたにむけて。
今日は僕が経験したうつ状態になったお話をします。
1. 僕の生い立ちと周辺環境
僕は社会人2年目(2020年3月現在)のごく普通のサラリーマンです。
幼少期から周りの人たちに可愛がられて、助けられながら生きてきました。
皆さんの周りにもいる、愛嬌と親しみやすさ抜群な弟ポジションの人です。
そんな僕ですが、母親の"宿題の答えは絶対に教えない"という教育方針のおかげか周りより少しだけ勉強ができる子供でした。幸いにも。
そして、中学受験からの中高一貫校に進学、国立大学への進学をへてストレートできれいにレールにのって新卒でイベント制作会社に入社し現在に至ります。
仕事はイベント制作会社で営業兼PM兼プロデューサー業になりました。
大学自体に携わったイベント制作が楽しかった。またそんな経験をしたいという思いで会社を選びました。
弟気質でありながらも負けん気の強い僕は「よし、会社で1番成長しよう。そして何者かになるんだ。」そんな気持ちを強く持ち入社しました。
入社して直後、いやこれは入社する前から思っていたことだったのですが、入社することで実感を得たことがあります。それは素朴ななんか違うな〜という感情。
ワクワク感はないし、先輩の実績がかっこよくて震えることもない。
これまでの人生で体感したことのない感情を自分は全く理解できませんでした。
ただ、大きな予算と多くの人を動かす仕事に対し「成長」という大きな目標を元に必死に頑張りました。
1年目の自分は結構頑張った方だと思います。
社内の中でも随一厳しいと言われる上司の元に配属されながらも、何度ミスしても何度怒られても立ち上がり、必死に食らいつきました。
泣きながら帰ったこともあれば、本当にもう嫌だと思ったりすることはあっても消して逃げずに戦い続けました。
これまである程度いい経歴で生きていきたこともあってでしょう。
自分への期待値やプライドが「もっとできるはず、いけるんだ、成長するんだ」と囁くんです。
その分結果も残しました、1年目で売り上げ目標を達成するのは難しいと言われる中でも120%くらい達成し、成長しているという感覚もありました。
「まぁこの勢いですごい人になれるでしょ。」
そんな感情を抱いていました。
しかし、2年目に上がるくらいから自分に異変が起き出したのです。
2. 何かがおかしい。
1年目の終盤からその異変は起こりはじめました。
全く感情に左右されず仕事ができるようになったのです。
上司に小言を言われたって、あまりの仕事量に追われて眠れないときだって、徹夜で仕上げた企画書を理不尽にもう一度直せと言われた時だって。
何にも辛くない。
楽しくもない。
というかそんなこと考えもしない。
自分の中で"仕事は仕事、感情なんていらない"という観念が生まれていました。そして僕はただの数字稼ぎのタスクマシーンと化していきます。
お客さんに対しても、上司に対してもただただ指示を求めてひたすらにこなしていく、ミスがあったら謝る、褒められたらありがとうございますという。
たったそれだけのことです。変な感情もなく、テンプレートのように自分を行動させる。そして淡々と仕事を進め、淡々と売り上げを積み重ねる。
こだわりや情熱なんてものもかけらもありませんでしたが、なにより消して辛いと思わない自分がどんどん完成していきました。
それはプライベートにおいても変わりません。
土日はほぼ寝ているだけとなり、起きている時間にやることは仕事くらい。
土曜日日曜日は15時間くらい眠り、また仕事へ。
その週が終わったらまた、ひたすらに寝てまた仕事へ。
なんの文句もなくひたすらに働き続けました。
そんな日々を続けているとまた少し変化が起こります。
「目の前で話している言葉が聞こえない。」
は??って感じですよね。わかります。多分これはなったことある人にしかわからないと思います。
音は聞こえているんです。でも本当に入ってこないし、何も理解できないのです。何回言ってもらっても一切何を言っているのかわからない。
ある種不思議な体験でした。ボーッとしている訳ではなく全力で耳を傾けているのに何を言っているのかわからない訳ですから。笑
この現象が起きはじめた頃、自分の仕事のミスは異様に増えはじめました。本当に日本語になっていないようなメールを送ったり、全く理解できていないけど、承知しましたと言って適当にこなしたりしていたからそれはそうなります。
でもそれに対しても何も思っていなかったのも事実でした。
しかし幸か不幸か、この状態になってすぐ仕事が落ち着きはじめます。
大変だったイベントの制作が終わり、ほっと一息をつける時間がやってきたのです。
2年目の初夏ごろです。繁忙期も終わったことで、症状はよくなっていきました。
話している言葉が聞こえないことはないし、仕事に対して感情もある。
なんか普通な感じに戻った自分は夏前のことは忘れて、また仕事をしはじめました。
しかしながら、年中忙しいのがイベント制作。また忙しい時期がやってくると一気に状況が変わってきました。
3.明らかな変化
次の繁忙期に入り、仕事をし始めるとまだ序盤も序盤で2つの症状に加えて新しい変化がありました。
寝坊。
どうしましょう。唐突に朝寝坊してしまう日ができてしまったのです。
目覚ましはセットしていたのに聞こえた記憶すらなく、止まっている。
昼までにやらなきゃいけないことが山ほどあるのに時刻は11:00。いろんなところからメールも来ている。
やばい。やってしまった。
ただ幸いにも会社はフルフレックス制度を採用しているため、社会的な寝坊とはなりませんでした。
その日はラッキーなことにタスクが消えたり、先輩が勘違いしていたりということもありなんとかなりました。
結果何も迷惑もかけずに、それとなく1日が流れてしまったからでしょうか。
「まぁ疲れているのかなぁ、明日から気をつけよう。」
なんて思ってまた仕事に向かっていきました。
しかしながら最初は月に1回だった寝坊も、次第に月に2回、そして2週に1回と増えていくのです。
とてつもなく焦りました。
寝坊なんて普通に考えれば、甘えているだけです。全く持ってやる気がない証拠で、社会人の基礎もできていないではないかと自分に対して相当落胆しました。
しかし、事態はまた進んでいきます。
繁忙期を抜けて寝る時間が増えても、寝坊が減らない。
さすがにこの時期になると自己嫌悪で変になりそうでした。だってなんの言い訳もできないのです。睡眠時間は10時間以上とっている。でもアラームにも気づかず寝坊してしまう。
最初は誰にも迷惑のかからないところでしていた寝坊も、社内MTGに始まり、パートナーさんとのMTG、最終的にはお客さんとのMTGにまで寝坊してどんどん迷惑をかける範囲が増えていきました。
そして僕の寝坊は「朝起きられない」という特性に変わっていきました。
流石にこの時期になると自分でも自覚が生まれてきます。
4.自覚と気合
「もしかして鬱病なんじゃないか?」
こう思った瞬間です。
あぁ終わった。これで真当に生きていくことはできなくなった。
働けない。仕事にも戻れない。
他の場所でも働くことはできない。
そもそも一人で生計を立てる能力すらなくなった。
終わった。一人の社会人男性として終わった。
そんな気持ちで覆われました。
また同時に別の感情が生まれます。
全力で病院にいきたくない。
もし、この状況を気合で直せたなら、自分は鬱じゃない。大丈夫。俺ならできるきっとできる。俺はそんなに弱い人間じゃない。
病院にいって鬱といわれたら終わりだ。そんなことあってはならない。
そう考えた僕は心配してくれる友人や職場の人たちの「休め」という声をガン無視して、働くのをやめませんでした。
しかし、身体は正直なもの。
そこから僕は週2日くらい寝坊して、1日は会社を休むようになりました。
完全に自分では制御できないものとなってしまいました。
5.コロナという状況変化
気が付くと2年目の2月になっていました。
その時コロナウイルスのニュースが日本にも伝播してきました。
イベント業はみなさん知っての通り、強い影響を受けています。
自分もその例に外れず、担当していたイベントは次から次へと中止となっていきました。
誤解を恐れずいうと、僕はこの状況に救われました。
そう。ある種誰のせいでもない理由で一時仕事がなくなったことで、自責の念を持たずに休みをとることができたのです。
そして、2週間ほど会社の仕事を1日20分だけこなし、あとは映画をみたりグータラしているうちになんとなく回復に向かっていきました。
すると病院にいってもいいかもなと思いはじめたわけです。
不思議ですね。ちょっと状態がよくなった方が病院にいく勇気がでるという。笑
少し回復することで自分を客観視することができて、これはちゃんと見てもらった方がいいなと思うことができます。
そして、ついに病院に行ってみました。
結論自分は鬱状態でした。病名は機能障害。
鬱と聞くと病で恒常的なイメージかと思いますが、鬱状態と鬱病は違うと先生に教わりました。
鬱状態は一時的な状態で、鬱病は恒常的に鬱状態が続くことをいいます。また鬱状態になる2つの原因は鬱病か機能障害です。
自分は後者の機能障害でした。
機能障害は強いストレス下にいる時に脳の回路がバグってしまって鬱状態になり、ストレスから抜け出すことができると普通の状態に戻るのだそうです。
上で書いている状態がまさに鬱状態の症状でありかつ機能障害の症状とのこと。
つまり、自分は過度のストレスにやられて、鬱状態になっていたということでした。
そう完結に言ってしまうと。
そしてみなさん気になるのは現状だと思いますが、今は症状はありません。よく寝るのは変わらないですけど起きられないほどでもない。
機能障害はまた過度のストレス下におかれると症状が出る可能性もあるということもあり、少しビクビクしながら生きていますが一旦は大丈夫です。
あぁまぁ一旦よかったのかな?。。。。
6.終わりに
ここまで書いてきましたが、僕自身はこのnoteに対して同情して欲しいとか、だからそこの君も頑張れと応援したい訳ではありません。
というかそんなこと誰にもできないと思っています。
全く同じ境遇で生まれて同じ経験をするなんてことはないし、あなたのことをすべて理解するなんて無理だし、なんなら自分に対してすべてを理解するのも難しいんです。
なんとなく状況を書きたかったから書いただけです。
だけど、一つだけ見つけたことはなんとなく感じてた「なんか違うな〜」。これが火種になっているんじゃないかということです。
それ以上は何も進んでいないですが。
そんなこんなで僕の話は終わりです。
この文章はどう捉えてもらっても構いません。
別にドラマがあった訳でもないし、人生が変わった訳でもない。
なんなら結論転職したわけでもないし、急に世界に飛び立とうとしている訳でもない。
ただ鬱状態になっただけ。
これはただの世界のどこかの男性が鬱状態になってしまっただけの話でした。
▼その後どうなったのかのnoteはこちらから。
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