仮住間(カリスマ)|いろんな場所に依存して楽しく生き延びる方法
このプロジェクトの名は『仮住間(カリスマ)』といいます。東京、神戸、尾道、鳥取と4つの街の各シェアハウスの部屋をあなたは自由に行ったり来たりできます。一つの場所や家にとどまるという概念を消失させて、スナフキンやしゃぼん玉のように旅するように暮らす。アドレスのパクリぽい企画ですが、まったく異質なところがあます。それは無料でお金まったくかからなくてもできる方法があるからです。
このプロジェクトは真面目になりすぎてしまって窮屈な社会の幅をゆるゆるとひろげるという戦わない抵抗です。ジャンリュック・ゴダールは若い頃、ホテル暮らしをしていて、20世紀初頭の芸術家たちは家を持たずに仮住まいが多かったと語ります。仮住まい人はヴァカンスを楽しむ中間地点にいるといえるし、国家離脱的であり亡命者のような脱出可能な自由な存在です。自由自在な「仮」「住」いのあなたが通り抜ける空「間」。それが仮住間(カリスマ)です。
あくまでわたしたちの妄想でありギャグでもありますが、正社員にならずに現住所もない、現政府では管理しきれない、透明で分散型の新しい共同体と、新しい人間の楽しい生活を作りたいと感じています。
たとえば仮住間(カリスマ)の一つ、神戸を拠点としている西村組のバイソンという村では
将来に不安を抱えている若者や、シングルマザー、生活に困窮している人などは、どんどんこの0円プランをご利用ください。きっと信じられないような楽しい生活ができます。みんなで生き延びましょう。
もちろんタダほど恐いものはないという人もいると思いますし、お金や心に余裕がある人には、ブラックジャック方式でお金ありプランも用意しています。ブラックジャックとは手塚漫画に出てくる天才医師でお金がない人には無料で手術をして、お金持ちからはボッタくるキャラクターです。仮住間のプランはボッタではなく大変安価なラッキープランだと思います。どうぞご利用ください。
こんにちは。作家の村上大樹といいます。わたしは瀬戸内の因島という島に住んでいます。この『仮住間(カリスマ)』プロジェクトと単なる窓口なんですが、偉そうに書いちゃうことになると思います。狂人のたわごとだと思ってお付き合いください。
2020年の11月に家賃0円ハウスという企画を思いつきました。
4つ個室があるシェアハウスで1年間家賃が無料で住めるという場所を作ることでした。住める条件は一つだけ。将来に悩んでいる若者です。1年間家賃がないのでお金のプレッシャーもない。必要なものも島の人たちに大体はもらえたりするので本当にお金かかりません。一人の女性は月に1万円くらいの生活費で暮らせていたそうです。
なんと思いついた3日後には物件が見つかり(しかもタダでもらえることになった)その3ヶ月後にはクラファンで資金を集めて、
2021年の9月に鳥取の令和建設による改装が始まった。と同時にまだ改装中の場所に若者たちが住み始めました。物件は事情があり因島とは別の場所でお隣の生口島の瀬戸田町に場所を作りました。
家賃0円ハウスはお金のプレッシャーもないので気軽に好きなことに集中してもらえました。家賃0円ハウスの一室を使って、古着屋さん、古本屋さんなどお店を実験的にやった子もいました。絵を描いて展示した人もいます。時間がありあまるほどあるので悩みがふえた子もいます。わはは。日記を毎日書いて原稿用紙にすると、だいたい2千枚? ほどの増大な作品を書いた強靭なヤツもいます。タロット占いに目覚めて占い師としてお金を稼ぐようになった人もいます。
心の病があり人生において働けなかったし働きたくなった子が、なんとバイトができるようになりました。読み返さず想像で書いてしまいますが、こんな感じのことをメールで彼女はわたしに伝えてくれました。
彼女は自分が生きる場所を見つけたとわたしは感じています。そのほかにも色々な奇跡が起こりました。住んだ人によって「できたこと」「できなかったこと」は様々ですが、全員に共通して得たものがあります。それは仲間と出会えたことです。数年間、ニートをしていてほとんど人間と接触することがなかった彼は、家賃0円ハウスを卒業してからわたしに手紙をくれました。
住んでくれてありがとう。この場所を作って本当に良かった。いままで孤独を感じていた人たちが自分の居場所を見つけたんです。居場所というと窮屈な感じもするけど、家賃0円ハウスはたんなる居場所ではなく、社会現実と神秘のあいだを行き来する、遊びのある空間に育ちました。
家賃0円ハウスにピンチが訪れました。借りていた物件を大家さんに返してほしいと言われたのです。去年2022年11月に返却したので、わずが1年足らずしか活動できませんでした。なんとかつづけたい。物件もなかなか決まらなくて困っていました。家賃0円ハウスを改装してくれた鳥取で令和建設という新感覚で大工をしている宮原翔太郎くんが、神戸の廃屋ジャンキーを名乗る西村組の西村くんが
「シェアハウスの空いてる部屋がもったいないから、ゆるく連動してなんかやりたいっすね!」
みたいなことを話していたそうです。宮原翔太郎くんがこのプロジェクトにわたしも参加してほしいと声をかけてくれました。現在、わたしには場所はないのにもかかわらず。まじで翔太郎くん西村くんからの助け船です。ありがとうございます。
「おまえは場所は持ってなくたって、人生に困ってる人たちを助けてあげなさいよ!」
という地鳴りのような世界からの声が聴こえてきています。また妄想が始まってしまった。ふふふ。わたしはただ、悩みまくって動けなくなっている人たちが気楽に行動できて、寂しさから開放されるキッカケを作りたいだけなんです。そのための協力は惜しません。うさんくさくて弱者ビジネスとかと勘違いされそうですが、わたしはこのプロジェクトでは一切お金もらってなく無償でやってますのでご安心ください。ブッダやキリストのような歴史を動かした開祖たちは困っている人からは直接はお金をもらわないんです。わたしの活動を応援してくれる人たちが絵や本を買ってくれるから自由にのびのびやれてます。仮にこのプロジェクト、仮住間(カリスマ)に参加できないとしても、悩んでいる人は気楽に連絡ください。いろいろ楽しいこと考えましょう。
ちょっと話があっちこっちに飛びますが、狂人のたわごとだと思ってもう少しお付き合いください。
「働きたくない」だけど「無職はストレス」
実家にも頼れずなんとか1人で自立しようとして苦しくなっている人からはよく相談を受けます。ブッダもキリストも無職だったのです。彼らの思想と行動は偉大ですが、生活はというと施しを受けていたのです。若い人たちももっと気楽に人に頼ったり依存したらいいのになぁといつも思ってます。
依存(共存)できる場所をふやす
依存なんてしてたらそれこそ自立できないでしょうか? たとえば世に独立していると言われてる大企業の社長さんなんかも、じつは依存しまくっているのです。労働者がいないと自分のやりたいことが回らないので、労働力に依存している訳ですし、消費者に依存させて買ってもらわないと事業継続はできない。
寅さんはふらふら旅をしながら生きていますが、彼がときおり帰ってくる柴又は、寅さんが戻ってくることで共同体が活性化します。柴又の町工場の淡々とした生活に風を吹き込むような存在です。柴又の人たちにとって寅さんの帰省はお祭りです。物語とひと時の興奮をもたらしてくれるのです。落雷のような刺激があることで柴又の人たちはまた淡々とした日常を豊かに送ることが出来るんです。仮住間(カリスマ)の各場所の人たちにとってもあたなの存在は場を活性化する水になります。
人と人、もっというと森羅万象や宇宙。それらとあなたは無関係な訳がなく、つむじ風や雨音でさえも行動や思考と関係しながら依存(共生)しているんです。
仮住間(カリスマ)は労働でも無職でもない何かを、あなたに探してもらうためのプロジェクトです。働きたくないなら「働かない」という行動は最高なはずなんですが、なんだかストレスを感じる。総じて言えることはみんな「暇」を持て余しています。動くのめんどくさいし怠けるの最高!みたいなら、わたしはあなたのことを仙人と認定します。堂々とのんびり生きてください。だけど、いろいろやりたいなあ、と欲望しつつ動かずに怖くなったりめんど臭くなって罪悪感にかられながら生きていくのはつまんないです。たしかアンナ・ハーレントだったか
「人間は暇に耐えきれなくなって自由を手放していく」
みたいなこと書いていたと思います。わたしは、暇だから子どものころから好きな絵を描いて、空想にふけったことを本にして遊んで、それをお金にかえて暮らしている暇人なので、なぜ暇がストレスなのかはわかりません。
太古のむかし、人間がまだ植物に近かったころかもしれないし、狩を始めて動物になったとき。これもわたしの妄想ですがそのむかし、ウツという心の病は存在しなかった。
牙の尖った動物たちを狩るには、高度の集中状態と、しなやかな運動が必要だった。ウツになって思い悩んでる時間なんてなかった。カリスマに関わる人たちは、狩猟採取するように仕事をしている人たちです。家賃がわりに週1、2回、彼らと一緒に遊んでみてください。火を囲んで歌うと、共同体の不思議な安堵感で、孤独はどこかにいってしまいます。家族や友だちや仲間がいないからあなたは寂しいんだと思います。天変地異や疫病、襲いかかるケモノからの危機も、狩猟採取人たちは仲間と乗り切ったのです。いまは人から離れて一人でなんでもしなくちゃいけないという錯覚が社会に起こっています。
・集中する時間をつくる
・友だちをつくる
「集中」「仲間」は人間の原初的な幸福を現代に蘇らせる魔法だと信じています。この分散型の共同体で、ゆるく依存先を増やして、友だちをつくる。たぶんですが、あなたが嫌いな親との関係はなかなか改善できないかもしれません。ですが友だちやパートナーと出会って新しい関係をつくることで負の連鎖を断ち切ることができます。過去に辛いこといっぱいあったでしょう。大丈夫、なんとかなるよ。人生はいくらでも新しく再構成することができます。もっともっとあなたは堂々と人間に依存(共存)しましょう。甘えてもいいんです。
テレビもインターネットも地獄のようだけど、こうやって文章を通じて人と人が出会えることは、現在において数少ない希望のうちの一つだと思います。動けば何かが起こります。それをわたしが物語を読んでいます。物語には良いことも悪いことも起きます。ですがその出来事の良し悪しを、どう受け取るかはあなた次第です。すべての現象はあなたの心がどう感じるかなのです。
まずはわたしに力抜いてご連絡ください。
↑わたくし村上大樹はこのプロジェクト0円でやっとりますので、作品買ってくれたらうれすいです。余裕ある人だけで大丈夫^_^気持ちよくいきましょう。
仮住間(カリスマ)は全国でこんな人たちが参加しています。遊びに来てね〜。
◎西村組|合同会社廃屋
西村組は神戸を拠点に滋賀、島根など全国に活動を広がりつづける「廃屋ジャンキー」たち。屋根と床と壁が崩れて柱もシロアリに喰われているボロボロの廃屋を、センス抜群で遊び心のある空間に変化させる特殊建築集団。バイソン村というアーティストたちが集まるゆる楽しい共同体を運営して、イベントやアートレジデンスなど多彩な活動をおこなっている。
◎令和建設|喫茶ミラクル|ハマヴィラ
パーリー建築という改装した空家に住み込み、食事と材料費だけもらって、無料で改装する建築チームで旅するように暮らしていた。現在は鳥取を拠点に、令和建設として建築と改装をしながら、喫茶ミラクルという遊べる場所と、ハマヴィラという一棟貸で1組限定の超居心地よくてスタリッシュな宿も運営している。今後は温泉と◯◯を組み合わせた施設も構想中で、街をハックしようとしている。
◎ごちそうの森
ごちそうの森は、5ヘクタールの山ひとつ東京ドームの1.5倍の広大な森で、動物を飼い、畑を耕し、湧水の流れをととのえる。代表の長光祥子は山でイノシシを自身で狩り、悶絶するほど旨いジビエ料理をつくる。この空間での生活や大自然からあふれでるものを、そのままワークショップやイベントなどにしてみんなで楽しんでいる。
ごちそうの森での生活はすべてが自由だけど畏怖の念がある。生きるってことを知覚できる場所だ。助けあうことも大事だけど、肉体や精神的も強くなりたい。生きる知恵をつけたい。畑の野菜や、狩った肉の食材は豊富にある。それらを自分でお料理したい人、自給自足に興味ある人にオススメ。
・島に着いてから、ごちそうの森までは公共交通機関ではいけません。主催の長光祥子が車で迎えに行きます。
・ご自身の車をお持ちでない方は、ごちそうの森から近くのスーパーやコンビニへの移動は徒歩や自転車(自転車で約30分)になります。山道には街灯がない箇所もあり夕方以降は暗くなるので通りにくくなります。
※自転車の貸し出しはあります。
※車の駐車スペースもあります。
◎京島駅
京島駅の代表のガイさんはわたしの中でスーパーアニキみたいな存在です。ガイさんの振る舞いを参考に家賃0円ハウスを始めたと言っても過言ではありません。わたしがもう少し若い頃には、ガイさんのアトリエに何日も泊めていただき、ご飯をご馳走になりました。わたしが出版した本を何十冊も買ってくれたり、いまも絵や作品を気持ちよく購入してくれるスーパーパトロンです。わたしだけではなく多くの人にとってそうだと思います。西村組の西村くんもガイさんを師匠と仰いでいます。
ヒロセガイは現代美術作家でありアートとして家の改装などで空間をつくる。彼が主催する京島駅は、アートスペースとネパール料理屋さんなどがある複合施設。かなりヤヴァい変態が集まるアート軍団が集合している。特殊で異空間な京島駅にぜひ遊びにきてほしい。
※京島駅には家賃3万円プランはありません。無料で泊まれますが、個室なしの大部屋の雑魚寝です。京島駅は特殊で、壁で仕切られていないシームレスな空間で家族のように暮らしています。まずは遊びに来ていただいて自分の肌に合うか体験してください。
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以上の4カ所が仮住間(カリスマ)に参加している場所です。今後はさらに全国展開していく予定です。海外にも広げていきたい。0円でセカイを横断しよう。
※仮住間(カリスマ)に参加したいというシェアハウスやゲストハウスなどなど募集中です。普通の家やお店、どんなスペースでも大丈夫です。気軽にご連絡ください!
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