カンブリア宮殿は見てないが。
大学生が役に立たないって話題になっている。
なんと言うか、大学教員の立場で言うのもアレな話なのかもしれないが、所属する組織の意見ではなくあくまでも個人的な経験からの話だが、
いつだって大学生なんて役に立たないものだし、というかぶっちゃけた話どんな学歴だろうとみんな最初は役には立たんのじゃない?って思っている。
もちろん即戦力が欲しいという企業は多いだろうし、即戦力になる学生だって探せばきっといる。
でも、企業にとっての即戦力になる能力は、その企業に特殊な能力であることもあって、もし即戦力になる学生がいたとしても、それは多分たまたま出会っただけだ。
また多分この件は主に大学批判のコメントなのだろうし、大学の授業が面白くないというのは、うん、必ずしも否定できない笑
ただ、「面白さ」にもいろいろあって、「面白さ」が「わかりやすさ」とか「笑いの要素が多い」とかだとすると、ちょっと筋違いかなとは思う。ツイッターで流れてた情報しか拾ってないのでなんとも言えないけど。
「わかりやすくて面白い」というとても学習消費者向けマーケティングの権化のようなのは語義矛盾とまではいかないけれど、学ぶ行為の主体性を学ぶ側があまりに放棄していると思っていて。
教員の役目は「分かりやすくはないが、ちょっと掘るとそこには多くの原石が眠ってる」みたいな学問的ワクワク感を醸成することであって、「90分聴いただけでは分からないからもっと掘って見なきゃ」と学生に思わせることだろう。
現状の大学でそれができてない、ということは、残念だが多分ある。
でも、それと同時に、そこに到るには学ぶ側の姿勢もとても重要であり、それはもしかしたら大学の問題ではないかもしれない。
大学に問題が無いわけではなくて、いろんなレベルでいろんな問題が重なっていてとてもじゃないがそれこそ分かりやすく解決することなんてできない。とはいえこの方もその辺は重々承知されていて、大学経営までやり始めているし、小学校からの一貫教育を目指しているとどこかの新聞で語っておられた。こんな根深い問題に対して、ただ批判を言うだけじゃなく自分でソリューションを見つけようという取り組みは素晴らしいと思う。
とりあえず、見てないテレビの直接知らない方の意見について10分で書くことができるのこの程度のものだが、まぁ自分なりに今後も頑張っていこうとは思っている。
即戦力を育てようとは微塵も思ったことはないいし、今後もそんなつもりはないが、自ら学ぶ姿勢と批判的精神と粘れるメンタルを備えた卒業生を送り出したいとは思っている。
では。
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