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2024.11.15 東京都町村議会議長会 行政視察報告「北海道池田町:ワインが紡ぐ地方創生」


利島村村議会議長の加藤大樹(かとうだいき)です。
東京都の議長会で11月15日に行政視察に行ってきました。
北海道十勝地方に位置する池田町。人口約6,000人のこの町が、自治体経営のワイナリーを中心に、独自の地方創生モデルを築き上げていました。移民の歴史と農業の革新が融合した池田町の取り組みは、日本の地方自治のあり方に新たな可能性を示しているかもしれません。他の自治体や利島村にも応用可能な地域活性化のヒントを探ります。今回はワイン城の取り組みを主に丹羽 泰彦議長とブドウ・ブドウ酒研究所 南邦治所長からご説明いただいた内容と私が独自に調べた内容をまとめております。

印象的だった3つのポイント

1.自治経営のワイン城の収益は歳入割合の約8%

池田町の「十勝ワイン」は、自治体経営のワイナリーとして全国的に知られています。令和5年度のデータによると、ブドウ酒事業の営業収益は約7億円で、これは町の自治歳入の約8%を占めています。この数字は、地方自治体の産業振興策としては極めて高い成功率を示しており、地域経済への貢献度の高さを物語っています。ワイン事業は単なる収益源だけでなく、農業振興や観光資源としても機能し、地域のブランド力向上にも大きく貢献しています。この成功は、地域資源を活用した持続可能な経済モデルの可能性を示す好例となっています。

2.ブドウ・ブドウ酒研究所(経済発展のための条例)

池田町では「ブドウ栽培振興奨励条例」を制定し、ブドウ・ブドウ酒研究所を中心に地域の特性を活かした産業振興を図っています。この研究所では、寒冷地に適したブドウ品種の研究や新しい栽培技術の開発などが行われており、地域の農業振興と観光資源の創出に大きく貢献しています。条例の制定により、ブドウ栽培農家への支援体制が整備され、品質向上と生産性の向上が実現しました。さらに、研究所を観光施設「ワイン城」として活用することで、地域の魅力向上にも寄与しています。この取り組みは、地域特性を活かした産業育成と観光振興に寄与していると思いました。一つのアイテムが多面的に産業拡大に波及したと思います。

3.移民が開拓してきた歴史

池田町の歴史は、明治時代に始まる移民の物語でもあります。1879年に山梨県出身の武田菊平氏が入植したことを皮切りに、全国各地から多くの移民が集まりまったそうです。彼らがもたらした多様な文化や技術が、現在の池田町の豊かな農業基盤を築き上げたのでしょう。特に、東北地方や北陸地方からの移民が多く、彼らの生活様式や文化が地域に根付いたみたいです。この多様性が、新しいアイデアや技術の導入を促進し、ワイン産業の発展にも大きく寄与しました。移民の歴史は、地域の多様性と革新性の源となり、現在の池田町の独自性と強さを形成する重要な要素となっ貞操です。外から柔軟に人を受入れ尊重し新しく何かを興す。北海道にはそういった文化がありそうだと感じました。

取り組みの詳細

池田町の地方創生の取り組みは、単なるワイン生産にとどまりません。ブドウ・ブドウ酒研究所を中心に、農業と観光を結びつけた地域振興策が展開されています。例えば、ワイン城として知られる研究所は、観光客を惹きつける重要な施設となっており、地域経済の活性化に貢献しています。また、池田町では独自のブドウ品種の開発など、高品質なブドウの生産にも力を入れています。これらの取り組みは、地域ブランドの確立と新たな販路の開拓につながっていると思います。さらに、池田町議会では地域住民との対話を重視した取り組みが行われており、住民参加型の議会運営が特徴となっているようです。

自治体の詳細

ウィキペディアまとめ: 池田町は、北海道十勝総合振興局管内にある人口約6,000人の町です。面積は371.91km²で、十勝平野の西部に位置しています。基幹産業は農業で、特に水稲、麦類、豆類、ビート、馬鈴薯などの栽培が盛んです。また、1963年に日本初の自治体経営によるワイナリーを設立し、「十勝ワイン」の生産地として知られています。気候は内陸性気候で、夏は30℃を超え、冬は-20℃以下になることもあります。交通面では、JR根室本線が通っており、帯広駅から池田駅まで約40分で結ばれています。教育機関としては、小学校3校、中学校1校、高等学校1校があります。

利島に活用できること

池田町の成功事例から、利島村でも活用できる点がいくつか考えられます。まず、地域特産品である椿油を中心とした産業振興策の展開が挙げられます。池田町のワイン事業のように、椿油を単なる生産品だけでなく、商品開発の2次産業、観光資源の3次産業としても活用することで、地域経済の活性化につながる可能性があることは強く感じました。また、研究機関と連携した品質向上や新商品開発の取り組みも参考になり、そういったことに積極的に自治体が支援するのはとても勉強になりました。さらに、池田町のように、多様な背景を持つ人々の力を結集することで、新たな地域振興の可能性が広がるかもしれません。規模や環境の違いを考慮し、利島もアイターンの多さからの特性に合わせた施策の検討ができそうだと思いました。

池田町の産業と財政状況

池田町の産業と財政状況について、議会の取り組みについてより詳しく知りたい方は、以下のリソースをご覧ください。

これらの情報から、池田町の産業構造や財政状況を詳しく知ることができます。


視察を終えて

池田町の取り組みは、利島村のツバキ油産業にとって示唆に富むモデルケースだと感じました。農業経営体の多面性を活かしつつ、「ワイン」という1つの強みを1次、2次、3次産業に巧みに結びつけている点がとーっても印象的でした!
一方で、自治体の予算支援が独立採算のハードルを高くする可能性も考慮する必要があります。今後は、産学官の連携を基盤としつつ、民間企業の自立的な発展を促す支援策が勝手ながら重要かとおもいました。これにより、さらなる産業拡大と地域経済の活性化が期待できると思いますので、参考にしつつ利島村にも活用できるよう提案していきます。

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ワイン城の周りにもワイン用のブドウ畑が広がります。
池田町ワイン城は50周年です!


ワインは一定期間寝かされてから出荷されるそうです。


スパークリングワインにもこだわりの製法がありました!
「瓶内二次発酵法」を用いて熟成を経てきめ細やかな泡立ちと複雑な風味が生まれるそうです。


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北海道の雄大さを感じながらお別れ

丹羽 泰彦 議長 
南 邦治 所長
永田 議会事務局長 
ご対応いただきありがとうございました!


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