2章 外はまだ雨が降っていた。 ただ、しまった。傘を忘れた。とも 思ってない。ww 俺は傘を差さない派だからだ。 そんな派閥があるのかは 分からないが、ずぶ濡れに なりながら帰り道を1人 歩くのが青春っぽくて好きだ。 それぐらい俺は青春に 憧れていたのかもしれない。 ただ今日の雨はそんな小さな 楽しみを遥かに凌駕するほど 降っていた。 下駄箱で靴を履き替えた時に 1本の赤い傘が目に入る。 絵描きの傘だ。 美術部の絵描き君は今日も部活か。 ふと、そんなことを思い
降り始めた雨は留まることを 知らない。 バカみたいに降っている。 バカみたいな言葉で言うと そんな感じだ。 教室の隅のあいつは待ってましたと 濡れた窓の内側から落書きを始めた。 手垢という汚物を窓に 塗りたくっている。 どういう感情なんだよ!窓に謝れ! とツッコミたくなる。 俺の視線に気付いたのか 恥ずかしそうに落書きをやめた。 絵が上手なそいつの絵は 完成図の2割未満でも それがアサガオだと分かる。 そんな事はどうでもいい。 問題はそこではない。 くだら