勉強が超苦手な人のための勉強法入門一歩前 ②頭を使え!

 第2弾です。前回の記事の最後で、効率の良いやり方っていうのは頭をたくさん使うやり方だよっていう話をしました。良い勉強は疲れるものです。
 では、どういうふうに頭を使っていけばいいんでしょうか?



頭を使え


より頭を使うのがいい勉強のやり方だとして、今までそんなことをしていなかった人は何から取り組めばいいのでしょう?

手や口を休めるな

 勉強が苦手な人ほど、分からないことが出てくるとフリーズしがちです。その状態はしんどくても、何も考えていないのと同じなので無意味です。(こういうしんどさは意味のないしんどさです。意味のあるしんどい勉強をしましょう)
 分からなくなったら手を動かしたり口を動かしたりしてみましょう。何が分かっていて何が分かっていないか紙に書いたり口に出したりするだけでも、思考は一歩前に進むものです。じーっと黙って考えても何も考えていないのと同じになるので、思考を止めないようにするために、手と口を動かし続けましょう。
 人間みんなバカです。頭の中だけで考えられることには限度があります。思考を外に出すことで、頭の中がすっきりします。そうすると、よりたくさんのこと、新しいことを考えられるようになります。頭の中だけで考えていると思考が堂々巡りしてしまいます。

作業に逃げるな

 勉強が苦手な人は基本的に頭を使うのが嫌いです。だから、頭を使わなくていい「作業」にすぐに逃げます。例えば、参考書をひたすらノートに写すとか、大事そうなところにひたすら線を引くとか、赤シートで隠しながら何度も問題を解くとか、よく理解していないけど出題されそうな箇所をとりあえず覚えようとするとかです。
 こういう作業は頭は使わないのに「勉強した感」は得られるものです。そこに逃げないようにしましょう。

楽をするためにこそ頭を使おう

 勉強が苦手な人の勉強というのは「井戸を掘るのがめんどくさいから川まで水を汲みに行こう」という感じです。「井戸を掘るとか難しいししんどいからめんどくさい。川から水を汲んでくるなら単純作業だから、時間はかかるけどできるから、そっちを続けよう」といった感じです。でも、一度井戸を掘ってしまえば、後は楽になって、長期的に見ればそっちの方が効率がいいですよね。勉強も一緒です。基本的な原理を深く理解すれば、どういう問題にも対応できるから、後々すごく楽になります。そこをめんどくさがらずに、しっかり取り組むことが肝心です。より美しい解き方、より整理された理解の仕方を追い求める気持ちを持ちましょう。よく分からないからとりあえず覚えるという逃げを打たないようにしましょう。少ない知識でよりたくさんの問題に対応できる方が美しいです。そして、そういう解き方をできるようにするために頭を使うことを嫌がってはいけません。

 とはいえ、先にも書いたように思考停止してフリーズしてしまっては元も子もありません。大事なのは難易度調整です。自分の能力でぎりぎり考えられる限界を攻めていきましょう。頭がずーんと重くなる感覚と理解が深まっていく感覚が両立できていればいい感じです。

苦手だからこそ気の持ちようが大事

コンプレックスに負けるな

 ここは精神論です。苦手意識があるとコンプレックスが刺激されて勉強法が崩れがちです。できないことに出くわすと不安になって、不安から逃げようとして、変な勉強をしがちです。そこをぐっと我慢しましょう。勉強が苦手だと、どうしても学生時代にコンプレックスを植え付けられるので、そこで戦うのが苦手克服のための一番の大きな壁かもしれません。
 まず、基本ができないことを恥ずかしがらないことがとっても大事です。先にも書いたように、ほとんどの人が基本ができていません。あなただけではないので、恥ずかしがる必要はありません。数学が苦手な人は、小学校の算数からやり直しましょう。分数や割合の理解があやしい人が多いです。高く跳ぶためには、低くしゃがみましょう。「簡単なことができなくて恥ずかしい!」ではなくて、「自分は基礎をやり直すことで他のいい加減な人たちに差をつけているぞ!」って思いましょう。
そして、成果を急がないようにしましょう。1日や1週間で起こる変化なんて永続しません。最低でも3ヶ月くらいはかかるものだと思って、じっと待ちましょう。いい勉強をできるようになれば、今までにない「ちゃんと分かっている」感があるはずです。それを心の支えにして、じっと我慢しましょう。偏差値10くらいの差なんて誤差みたいなもんです。

成績に一喜一憂しない

 同じような話ですが、正解不正解や得点に一喜一憂しないようにしましょう。苦手な人ほど、苦手意識から解放されたいから、結果を欲しがってしまいます。点数で安心したくなる、結果で自信をつけたくなるのです。また、自分の実力が伸びているかどうかちゃんと理解しているかどうかを自分で測れないので、目に見える結果で判断しがちです。でも、結果を求めると、とりあえず覚えるようなやり方の方が手っ取り早いので、すぐにそういう小手先の勉強法に逆戻りしてしまいます。だから結果で自分の伸びを判断してはいけません。理解している感覚があるかどうかを判断材料にしましょう。最初のうちは、「いい理解の仕方」の感覚自体がないので大変だと思います。ですが、少しずつ「いい理解の仕方」と「悪い理解の仕方」の感覚の違いを感じ取れるようにしていきましょう。
 ちなみに僕が自分の勉強法を考えるときは、この自分の感覚に問いかけながら勉強法を修正しています。こういう感覚は人よりもかなり長けているという自負があります。そのおかげで勉強法を間違えません。


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