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【酒と料理の因数分解】「茶塩」酒場の簡単ちょい足しレシピで日本酒と合わせる

いつもの家での食事も、ちょっと一工夫するだけでよりお酒にマッチする極上のおつまみに変身させることができます。お店でも実践しているそんなワンポイントのご紹介、今回のテーマは天ぷらなどの揚げ物にはぜひ用意したい、「茶塩」のちょい足しレシピです。

●抹茶塩

天ぷら専門店や日本料理店では料理に抹茶塩が添えられることが少なくありません。プレーンの塩で食べるよりも風味豊かで、揚げ物もさっぱりと食べられるような気がします。気温が高くなってきたこの時期にも食がすすみ、ぴったりです。
近年は和食が世界的にも注目され、抹茶もまた国内、海外を問わず人気が高まり続けているとのことです。実際、ちょっとコンビニを除けば多くの抹茶スイーツが目につきますし、スーパーでも抹茶塩自体がS&B食品のものをはじめとして市販されていたりします。こういった要素も相まって、抹茶塩というもの自体は一般的にも割となじみのある調味料なのではないかと思います。

抹茶は緑茶(日本茶)の1種です。もとは同じ茶葉でも発酵の度合いが変わることで、緑茶、ウーロン茶、紅茶となります。緑茶の中でも栽培方法や処理の違い、それに伴う飲用方法の違いによって煎茶、抹茶、玉露などに分類されます。

抹茶塩

●揚げ物と日本酒の相性

日本酒と油脂の多い料理は相性が良くありません。料理を食べた後に口に残る油分や脂質を、冷えた日本酒では処理しきれずに口に残ってしまうためです。こうなると料理が必要以上に重く感じてしまい、食の進みが遅くなってしまいます。
同じ醸造酒でもワインは肉料理や油脂の豊富な料理とも相性がいいことで知られます。これはワイン、特に赤ワインに豊富に含まれているタンニンが作用していることが分かっています。通常タンニンは口の中でタンパク質と結合して収れんを起こさせ、渋みを感じさせます。しかし口の中に油脂分がある場合には、油脂分とタンニンが相互作用を起こして渋みを感じにくくします。これによって口の中の油脂を感じにくくなり、同時にワインのタンニンの渋みも抑えられて甘くフルーティに感じるようになった可能性があると報告されています。
(2021年に入ってボルドー大学で発表されたとのことで、今後より研究が進むことが期待されます。)
このタンニンはワインには豊富に含まれている反面、日本酒には含まれていない成分です。

ワイン以外ではビールも同じ醸造酒で油脂分と合わせられたりします。この場合は炭酸の酸によって油脂を洗い流し、口中をリセットすることが目的となっています。このケースではただ洗い流すことが目的となっており、例えば炭酸水やむしろ水でも置き換えることができるのではないかと思われるので、このパターンはペアリングとは認めない、という意見もあります。

他にも日本酒ならではの方法として、お酒を温めて燗にして料理とあわせるという方法があります。揚げ物のお皿をお湯で洗うとさっと洗い流せるように、温度が高いと油は洗い流しやすくなります。ですが、燗という飲み方自体が嗜好性が強く、また季節的な要素にも左右されることから、この方法も今回は割愛します。

●茶塩

お茶はポリフェノールを多く含んでいます。その約80%はカテキンです。カテキンとは昔からタンニンとも呼ばれてきた、緑茶の渋みの主成分です。
この茶葉を調味料として天ぷらと合わせることで、日本酒だけでは不足する油脂成分に対する成分、タンニンを補填してやることができるのです。
油分の強い中華料理とウーロン茶の相性が抜群であるように、茶葉のタンニンと油分の相性もワインのタンニンに決して劣らないものです。

●レシピ

【材料】抹茶(抹茶以外の茶葉でも可)、塩
【調理工程】1:1で混ぜるだけ

茶葉はすり鉢ですったり、ミルで細かくして塩と合わせると口当たりが良くなります。粉茶や粉末のお茶を使うのであれば塩と混ぜるだけで大丈夫です。塩も粒子の細かいものの方が混ざりやすく均一になります。

お茶×塩

●まとめ

天ぷら等の揚げ物と日本酒を合わせるときには、ぜひ茶塩を用意しましょう!天ぷら以外にも様々な揚げ物と相性がいいと思います。また抹茶以外にも様々な茶葉があります。茶葉ごとにそれぞれ幅広い風味のバリエーションがあります。抹茶塩が一番聞きなじみがあるかと思い、今回は抹茶塩にスポットを当てましたが、お酒の風味に合わせて色々とアレンジして試してみるのも楽しいかと思います。是非お試しください!

天ぷら


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