そもそもコーチングはリフレーミングなのだと理解すれば
クライアントの意識がなかなか変わらない。「なんでそんなにネガティブに考えちゃうんだろう」なんて思ってしまう。「考え方を変えれば楽になるのに。。。」そんな風に思って、リフレーミングをしたくなるかも知れません。
↑難しく書いてますが、要は「考え方」を変えてもらうための働きかけです。
クライアントに「自分でもできる」と思ってもらいたい!そんな気持ちになって、「これまでだって、いろいろやってきたじゃん!」とか言ってみたりするけど「いやぁ、本当に大変だったから、もうあんな思いしたくない」とか言われたり、なかなか上手くいかない。
そうなんです。人間って説得されると反発したくなったりするのです。
みたいなことって、起こりがちなわけです。だからあなたが良かれと思ってしている「リフレーミング」も、相手の反発を招くこともあるのです。
そもそもコーチングはリフレーミング
僕はコーチはリフレーミングでそんなに頑張らなくてもいいと思います。何でかって言うと、そもそもコーチング自体がリフレーミングなのです。
だから、『普通に』コーチングをやっていけばいい。しかも相手を説得しようとせずに「仮に」って感じでIFのパワーを使いながらコーチングをしてくと、案外うまく行ったりするのです。まずはそのことを見ていきましょう。
コーチはいきなりゴールをたずねる質問をしていますね。これがリフレーミングです。
最初、クライアントは「現状の人間関係」にフレーム(額縁)を当てて話しています。コーチは、そこから「未来の本当に望む状況」にフレーム(額縁)をずらしたわけです。文字通りリフレームですね。
図で見ると明らかですね。「現在の問題」にクライアントはフレームを当てて、そこを見ていたわけです。でもコーチは「未来のゴール」にフレームをずらした。だから当然見えるものが変わるので、クライアントの意識が変わるのです。
これと比較して現在の問題について、ただ話を聞いていた場合は、どんどんクライアントの気分が滅入ってきたりする可能性もあるわけです。
とは言え、ちょっと強引な感じもしますね。そこで『IFのパワー』の出番です。
ほらね。これだけで、グッとクライアントがついていきやすくなったでしょ。これがIFのパワーです。
IFのパワーを借りながら、GROWモデルでコーチングを進めていけば、下手にリフレーミングをしようとするよりうまくいく可能性が高いかも知れません。
続きを見てみましょう。
今度は現状をIFのパワーも借りながら、現状を『リソースというフレーム』でみているわけです。リソースというフレームとは「ゴールから現状を見たときに、すでにあって役に立つものは何?」という視点のことです。
図で見るとこうです
これもまさにリフレームですね。現状のフレームを「問題フレーム」から「リソースフレーム」に掛け替えたわけです。
フレームを変えるのは、メガネを変えるのと同じですから、現状が違って見えるのです。
例えば僕は有楽町駅の近くでセミナーをすることが多いですが、「有楽町はダメな街」というメガネで街を歩けば、嫌なものが見つかりやすいし、「有楽町は素敵な街」というメガネで歩けば、素晴らしいものに出会いやすいわけです。現実がどう見えるかは、かけているメガネに依存するのです。
さて、つぎにいきましょう
やり口は一緒です。IFのパワーを借りながら、ゴールとリソースの間に、オプションというフレームを置いているのです。
「なんかうまいことゴールに辿り着くやり方が存在するとして。。。」って枠組み(フレーム)で考えてもらっているのですね。
このように、実はコーチングはフレームを切り替えながら、クライアントの思考が普段と違う形で動いていくようにサポートしているのです。
これがコーチングはそもそもリフレーミングなので、GROWモデルならGROWモデルをそのままやればいいという話なのです。そして、それをうまくやる方法の1つが『IF』のパワーをうまく使うということなのです。
GROWモデルの最後のW(意思確認)もそうです。コーチングの締めは「最初の一歩」にフレームをしっかりと当てて、クライアントがすぐにでも動けるようにサポートしているのです。
コーチング的には、動き始めてもらうことが大切なのです。だから、まずは「近未来の自分ができること」にフォーカスを当てる(フレームをかける)わけですね!!
ということで、コーチング自体がリフレーミングそのものであるので、IFのパワーなどを借りて、相手にコーチングプロセスに乗ってきてもらえさえすれば、自然と変化が起こるのです!
「相手の関心」から目的へと抜ける道
IFのパワーをうまく使って関われば、簡単にコーチングが進んでいくのも事実ですから、どうぞそれも活用してみてください。
ただし別のやり方もありますので、そちらもご紹介してみます。それがまずは「相手の関心に寄り添う」というやり方です。
フレームをずらすには、一旦相手のフレームに寄り添う
これは王道のやり方なんです。アドラーは言います「相手の関心に関心を向けよう」と。
こんな感じで話し始めたクライアントの関心はどこに向いているでしょうか。「会社の人間関係」や「その大変さ」ですよね。
だからまずはそこに関心を向けるのです。
コーチは太字部分のように、クライアントが関心を向けているものに、関心を向けて話をきいていますね。
フレームという言葉を使うなら、クライアントのフレームに合わせて話を聴いているわけです。
でも大切なのは、ここからです。コーチは「クライアントの関心」というフレームからスタートして「クライアントの目的」というフレームに移っていくタイミングをタイミングを探しているのです。
「距離を取られている」という言葉にひっかけて「本当はチームをどんな状態にしたくて頑張ってきたの?」と質問をしましたね。
こうやって、目的方面にルート変更をしたわけです。これが成功するとさらに
こんな風にフレームチェンジをすることもできるのです。IFのパワーを使って、GROWをやり切るのも良いですが、一旦相手のフレームに合わせておいて、移動したいフレームをイメージしながら、ジャンプのタイミングを待つというのも良いやり方です。
これはマッチング&リーディングと呼ばれることもあります。まずは相手のフレームに合わせて(マッチング)から、次のフレームへとリードしていくのです。
まとめ
今日の記事は、そもそもコーチングのプロセスはリフレーミングなので、プロセスをうまく進めるポイントさえわかれば、相手を変えようと頑張らなくてもいいのでは?というものでした。
そしてプロセスをうまく進めるやり方として
①IFのパワーを借りる
②マッチング&リーディング
を紹介しました。明日の記事では、コーチングの裏ルートとも言える2つのフレームを紹介する予定です。裏ルートの2つのフレームも使いこなせると、これまでうまくいかなかったパターンを乗り越えることができるかも知れません。そして、明後日からはそれらを統合して、コーチングで使う各種フレームを紹介したいと思います。お楽しみにどうぞ
僕たちと人生を変えるコーチングを身につけたい方はぜひ一緒にやりましょう!!こちらで待っています!!