ロジックでリフレーミングする。頭を使うアプローチ

 リフレーミングシリーズの続きです。この記事だけ単独でも読んでもらえますので楽しんでください。

 今日は「ロジックでリフレーミングする」がテーマです。ロジック=論理というと苦手意識がある人もいると思いますので、分かりやすくがんばります。

 コーチには論理性も(ある程度は)必要ですので、苦手な人もついてきてください。得意な人は「確かにな!」と思いながらサラッと読んでください。

 論理的に考える。そのために大切な観点

「具体的には、何のことを言っているのかな?」
「本当にそうかな?例外はないかな?」

おすすめの観点

 の2つです。具体例で見てみましょう。

「まだコーチングを学び始めたばかりだから、うまくコーチングができないんです」

具体例

 こんな風にいっている人がいるとして、検討していきしょう。

具体的には何のこと?

 まずは「具体的には、何のことを言っているのかな?」

 ちょっと考えてみましょう

・この人がコーチングって言っているのは何のことだろう?
・学ぶって、何をどこでどんな風にしているんだろう?
・学び始めたばかりって、具体的には?
・うまくコーチングできないって、誰相手に何をしてどうなったことを言っているんだろう?何と比較して言っているんだろう?本当はどうしたかったんだろう?今後どうしようと思ってるんだろう?

具体的に知りたい点

 わからないことだらけですよね。

 実際に具体的な話を聞いてみたら、

①すごくいいコーチングができていてクライアントも喜んでいたけど、先生のコーチングと比較して自分のコーチングにダメ出ししているケース

②そもそも学んだことを全然やっていなくって、コーチングになっていなかったケース

③スクールで学んだことを思い出して、あとちょっと頑張ればすごくうまくいったケース

④ちょっとYouTubeを見たことあるだけで、コーチングもしたことがないケース

⑤もう5年も学んでいるのに「学び始め」と言っていて、クラス以外ではまったく実践したことがないケース

⑥基本的にはコーチングをうまくやれていて、クライアントも喜んでいるんだけど、あるクライアントに厳しいフィードバックをされて、そのことにばかり目がいっているケース。

 などいろんなケースがあるわけです。だから具体的な話をきいてみないとわからないのです。というわけで、具体的に話をきくのは大切ですね。

本当にそうなのかな?

 では次に「本当にそうなのかな?例外はないのかな?」を考えてみましょう。

 「まだコーチングを学び始めたばかりだから、うまくコーチングができないんです」

・本当にコーチングを学び始めたばかりなのかな?
・そもそもコーチングを学んでいるのかな?
・本当にコーチングがうまくできないのかな?できてるときはないのかな?
・うまくできないのは、本当にコーチングを学び始めたばかりだからなのかな?他の理由はないのかな?
・始めたばかりだからこそ、良いことはないのかな?

本当にそう?

 まずは、こんな風にいろんな観点から検討できることが大切なのです。

 実際には

 ⑥基本的にはコーチングをうまくやれていて、クライアントも喜んでいるんだけど、あるクライアントに厳しいフィードバックをされて、そのことにばかり目がいっているケース。

 とかがあるわけですから、「できてる部分」があったり「うまくできているとき」があったりする可能性があります。また、

 ⑤もう5年も学んでいるのに「学び始め」と言っていて、クラス以外ではまったく実践したことがないケース

 などの場合は、学び始めたばかりだから、というより実践経験がすくないことが関連しているかも知れないので、どんどん実践すれば良いのかも知れません。

実際のやり取りのイメージ

 具体化を使いながら関わって、相手の考え方が変わっていくのは例えばこんな感じ

A「まだコーチングを学び始めたばかりだから、うまくコーチングができないんです」
B「うまくコーチングが出来ないっていうのは?」(具体化)
A「いつもってわけじゃないけど、すごくうまくいかないときがあって」
B「そうなんだ。それで?」
A「それで、すごいダメ出しというか、厳しいこと言われて『まだダメだな』って思っちゃったんだよね」
B「まだダメなんだ。っていうのは?」(具体化)
A「。。。。どう関わったらいいのか、よくわからない相手がいる。。ってことかな」
B「ちなみに、そういう人に関わりたいの?」(目的)
A「。。。。そうでもないのか。。。。」
B「どういうこと?」
A「いや、すごいめんどくさそうな感じの人だったし、なんか文句言うんだろうな」
B「そっか。ここまで話してみてどう?学び始めたばかりだから、うまくコーチングできないって言ってたけど」
A「。。。思ったより出来てるかな。だし、やっぱり関わりたい人にもっと喜んでもらえるコーチになりたいな」
B「それ、もう少しきかせてくれる?」(具体化)
(以下省略)

具体化と目的

 コーチング的なやり方でもありますね。クライアントの言っていることに惑わされずに、具体的に何が起こっているのか把握した上で「本当に望んでいることは何か?」に話を向けていくやり方です。これがうまくいけば、あとはGROWモデルで綺麗に処理ができるわけです。

 「そういう人に関わりたいの?」に対する答えがYESだった場合はどうしたらいいのでしょうか。例えば下のようなイメージだとどうでしょう?

A「。。。。どう関わったらいいのかわからない相手がいるな、と」
B「ちなみに、そういう人に関わりたいの?」(目的)
A「。。。。関わりたい」
B「どうして?」(目的)
A「いつか応援できたらいいなと思う経営者の人で、普段から色々考えてる人だから、僕の質問ではまだまだ通じなかったんだよね」
B「そうなんだ。本当はその人にコーチングで関わって、どうなったらいいの?」(ゴール)
A「(回答)」
B「そんなコーチングができるようになるために、どんなことをしたらいいんだろう」(行動)
A「(回答)」

関わりたい相手だった場合

 簡単ですね。こうやって、相手が違う反応をした場合のシミュレーションもしておくと万全ですね!!

 別のパターンも見せましょう。「本当に?例外はないの?」と関わるパターンです。

A「まだコーチングを学び始めたばかりだから、うまくコーチングができないんです」
B「えー?本当に??できてることもあるでしょう?」(例外・リソース)
A「無くはないけど。。。」
B「やっぱり!!きいてるよ。評判いいの」
A「いや、そこまででもないけど」
B「じゃあ、何と比較して出来てないって言ってるの?」(比較)
A「うーん。。。うまくいったセッションとそうでないものにバラツキがあるんだよね」
B「どういうこと?」(具体化)
A「こないだも、相手から厳しいこと言われちゃって。。。」
B「何て言われたの?」(具体化)
A「全然、想定の範囲内だったって」
B「そうなんだ。そのときうまく出来たことは?」(例外・リソース)
A「スムーズには進められたし、いい感じで話はきけたとは思う」
B「いいじゃん!とは言え、本当はもっとどうなったらよかったの?」(ゴール)
A「(回答)」

本当に?

 受容や共感を旨とするコーチからしたら、結構過激な関わりに見えるかも知れませんが、キャラクターや雰囲気によっては、愛情あふれるコーチっぽいコーチと言えるかも知れませんね

「何と比較して出来てないって言ってるの?」

 はNLPの「メタモデルの質問」の中にも入っているものですね。使ったことがない人はレパートリーに加えてもいいかも知れません。

B「何と比較して出来てないっていってるの?」
A「うまくできてるセッションと。。。」

B「うまくできてるときって、何が影響しているんだろう?」
A「。。。こっちの状態と。。。相手との相性かな」
B「どういうこと?」(具体化) 

比較のイメージ1

 これは自分の別のセッションとの比較パターンですね。全部のセッションが同じようにうまくいくはずはないですね。ですから、このケースでは、うまく行っているときの要因分析からスタートして、対策を考えようとしていますね。

B「何と比較して出来てないっていってるの?」
A「。。。僕のコーチと比較してる感じですね。。。」

B「そのコーチって、何年目?」
A「あははは。19年目ですね!!」
B「何が起こった?」(体感)
A「なんかバカらしくなったというか。。。力が抜けました」
B「そのコーチのどんなところが取り入れられたらいい?」(サブゴール)

比較のイメージ2

 こちらは、歴19年の自分のコーチと比較していたケースですね。まぁ同じことをやるのは難しいですし、そもそも完コピがゴールでもないはずです。

 ですから「そのコーチのどんなところが取り入れられたらいい?」と質問して、そこに向けてどんなことができそうか考えるルートに入ろうとしているわけです。

リフレーミングの質問につなげる

 ここまで「具体的には何のこと?」と「本当に?例外はない?」でロジカルにアプローチして、リフレーミング(考えを変える)することを学んできました。今回の最後にもう少しリフレーミングぽい質問も紹介しますね。

 まずは復習からです。コーチングの表ルートだと

A「まだコーチングを学び始めたばかりだから、うまくコーチングができないんです」
B「そっか。ちょっと教えてもらいたいんだけど、本当はどんなコーチになりたいの?」(ゴール)
A「(回答)」

GROW

 ここからGROWモデルに行ってしまうのがコーチングの王道リフレーミングですね。 

 次にコーチングの裏ルート

A「まだコーチングを学び始めたばかりだから、うまくコーチングができないんです」
B「何があったの?」
A「こないだコーチングした人に、厳しいこと言われちゃって」
B「そっか。そんなことあったら『学び始めたばかりだから、うまくコーチングできない』みたいに言いたくなるよね」
A「はい。。」
B「ところで、そんなふうに言ってると、今後どうなっていきそう?」
A「。。。。。なんかずっと言い訳するかも」
B「どう言うこと?」(具体化)
A「(回答)」
B「そっか。そうじゃなくて、どんな風に進んでいけたらいいんだろう?」
A「(回答)」

裏ルート

 『裏ルート』については以下の記事で解説しています。

 地味に見えるかもしれませんが、これも大切なリフレーミング法です。表裏あわせて使えるようになってください。


 次は「例外やリソース」に着目するパターンです。ロジカルな発想から出てくるアプローチです。

始めたばかりだと本当にうまくいかないの?例外はないの?むしろ初心者の方がいいこととかないのかな?

 のような発想でコーチは関わっています。

A「まだコーチングを学び始めたばかりだから、うまくコーチングができないんです」
B「どういうこと?」(具体化)
A「(回答)」
B「そっか。とは言え、始めたばかりだからこそ、いいことがあるとしたら、それは何だろう?
A「。。。。フレッシュさ」
B「あとは?」(網羅)
A「一生懸命さ」
B「あとは?」(網羅)
A「基本に忠実にやること」
B「特に効果がありそうなのは」(発散→収束)
A「一生懸命さ」
B「Aさんのセッションに一生懸命さはどんな風に表れてる?」
A「(回答)」
B「いいね!ではそれも生かしつつ、もっとどんなセッションがしたい?」

例外を攻める

 よいですね!!こんなやり方もハマれば素晴らしいです

次は「高次の目的」に着目するアプローチです。これもロジカルなアプローチの一つで「だからどうしたの?大切なことは何なの?」と考えてみるやり方です。

A「まだコーチングを学び始めたばかりだから、うまくコーチングができないんです」
B「どういうこと?」(具体化)
A「(回答)」
B「そっか。教えて欲しいことがあるんだけど、うまいかどうかより大切なのことがあるとしたら何?
A「クライアントに結果が出ること?」
B「結果?」
A「。。。結果というか、それ以前にクライアントが『やりたい!』みたいにモチベーションあがって、どんどん動けるようになること」
B「そうなんだね。それについては、いまどんなことができてるの?」
A「(回答)」
B「それがもっとどうなっていったらいい?」

高次の目的

 このように、

本当に大切なことは何か?相手が話していることは、それとどう関係しているのか?

 ときいていくのも、論理的な関わりだと思っています。

 今回はここまで。ぜひ参考にしてください。次回は『身体をつかったアプローチ』です。お楽しみに

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だいじゅ@コーチング脳のつくり方
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