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女一人旅四日目~広島駅出発~

2024年12月31日。
今年最後の日。

三泊四日の広島旅行最終日、私は栃木へと戻る。
新幹線は8:06発。なかなかに慌ただしい。

 
 
四日目にして、私はようやく朝食に焼き魚を食べられた。
帰れるからホッとしたのかもしれない。

朝食にヨーグルトがなくてビックリ&残念。

 
 
朝食を食べようとした私は雨音に気づいた。
外はなかなかのどしゃ降りだ。
起きた時には気づかなかった。

確かに旅行出発前から、広島は年末、天気予報では雨だった。

   
旅行中、雨に降られなかったのはよかったが、まさか最終日にやられるとは。

…私は焦った。折りたたみ傘を持ってきていないのだ。

普段は必ず折りたたみ傘を持ち歩くが、少しでも荷物を減らすべく、今回は置いてきた。
雨が降ったら旅先で買うつもりだった。

 
計算外だったのが、他のビジネスホテルはお土産が売っていたし、受付に人がいたが
最終日ホテルはお土産の類いは売っていなく、受付に人がいないことだった。
カサが売っているか気軽に聞けない。いや、売っていないだろう。
売っているなら、受付や入口付近に売場があるはずだ。

注意報出過ぎじゃないか?

 
 
まいった。
ホテルにはカサがない。コンビニも近くにない。
駅までは徒歩5分だが、カサをささないで走る体力はない。
小雨ではないので、確実に濡れる。確実に、だ。
まずい、風邪をひく。
これから栃木までまだ片道6~7時間かかるのに。

最終日に雨に翻弄されるとは。

 
 
困った私は、近くの方に「カサ売ってないですよね?」と聞いてみた。
すると、今からホテルを出るので、すぐに出発できるなら車に乗せてくれると言ってくれた。いい人だ。

 
見知らぬ方「あと何分かかる?」  

 
私「荷物はまとめてあるので、5分あれば!」

  
見知らぬ方「5分じゃ遅い!もっと早く!」

 
 
リアル40秒で支度しな、だ。

エレベーターが着いた瞬間、私はダーッと自分の部屋に走り、上着を着て、バッバッバッと荷物を持ち、私は走って再びエレベーターに飛び乗り、待ち合わせ場所を目指した。
…車があった。あれだ。

 
 
私は息を切らしながらお礼を言い、助手席に乗った。
こちらの方は広島出身の方らしい。
ポルノファンで因島に旅行に来たと話すと、驚いていた。

車に乗り込んだ私は驚いた。
どうやら私が40秒で支度していた間に(実際は3分くらい)、雨足は弱まり、駅に着く頃には小雨になっていた。
屋根下通路まで送ってもらう(ありがとうございます)。

 
 
あれ?

確かに、さっき見た天気予報だと、雨はもうすぐやむ、となっていたのもあったが(やまない予報もあった)
本当にやむとは。

 
…あれ?これ送ってもらうことなかったんじゃあ………

と、脳裏に浮かんだが、今更仕方ない。

 
人生とはこういうものだ。
何が起きるか分からない。

広島駅に着いた時、この青空よ…

 
 
…この時私はハッとした。
ネックレスが、ないのだ。

そういえば、ネックレス、朝食後につけようと思って置いておいた。
持ってきた記憶が、ない。

 
サーッとした。
多分ホテルに置いてきたのだ。

青いガラスのネックレス。お気に入りだった。
買ってから10年以上経つ。

 
だが、10年以上経つのだ。
役目を終えたのだろう。

 
もう今からホテルに取りに戻るべく、引き返す時間はなかった。

さよなら、マイネックレス。
私の想いを秘めたまま、広島で眠るがいい。 

 
(余談だが、この記事を書いている時にやっぱり諦めきれず、ダメ元でホテルに問い合わせをしたら、落とし物はないとのこと。終わった。やはりもう、戻ってはこない。残念。)

 
 
 
 
広島駅のイルミネーションよ、さようなら。

 
 
改札を通った。
もう戻れない。

時間があればお土産をまだ見たり、買いたかったが、もう時間はなかった。

トイレをすませた後は大人しく、ホームに向かう。

 
 
新幹線はガラガラだった。
朝早いせいか、わざわざ31日に帰省する人がいないせいだろうか。

二人席の窓側に座り、私は寝に入った。

 
大阪駅で隣に女性が座った。
あぁ大阪。降りてりくろーおじさんのチーズケーキを買いたい。
だが、既に土産をたくさん買っているし、早く帰りたい気持ちが強い。我慢我慢。

 
帰りの新幹線は旅疲れしているはずなのに、酔わなかった。
スピードも行きより穏やかだったように感じる。

もしかしたら行きの新幹線は沿線火災で遅れていたため、スピードを出していたのかもしれない。
乗車時間も行きの方が20分長かったし、それで酔ったのかもしれないな。

 
 
一眠りしてスッキリしたところで東京に到着。
お昼を東京で食べるか迷ったが、早く帰りたかったので寄り道はしないで真っ直ぐ帰ることにした。

東京駅は相変わらず人がものっすごく、あぁ関東に帰ってきたなぁと感じた。

 
改札では得意気に乗車券と特急券を通し、Suicaでピッとしようとしたが、エラーが起きた。
乗車券が戻ってきた。何故だ。
何故行きと作法が違うのだ。
これだから新幹線は苦手だ。

まぁ多分、乗車券は東京内で有効だから、差額分を地元駅で精算機にて請求されるのだろう。

 
だが、私は怖かった。
私の地元駅は駅員がいないのだ。
最後の最後でエラーが起きたら嫌だ。

どうにかこの乗車券をなくしたい。

そう思った私は、乗換駅の赤羽で一旦改札を出た。
赤羽ならばよく使って慣れているし、待ち時間が長かったので何かあっても対処できるし、何より駅員さんがいて心強い。

乗車券は吸い込まれてなくなった。しめしめ。
私はようやくホッとし、シレッとSuicaで再び改札を通った。

 
 
東京を離れ、埼玉、栃木に向かうにつれて人は減っていってホッとした。あぁ帰ってきたなぁと感じた。
赤羽を出発したところで、私は母親にLINEをした。

 
母親に小まめに連絡すると、寂しげな父親の写真が送られてきて爆笑してしまった。
私の前では寂しそうな様子を見せないのに。

旅行中、母親の体調の方が心配だったが、思いのほか大丈夫で、父親の方が娘を心配しているというオチだった。

 
 
電車待ち中に食べたバターケーキ。美味しい。
こういう地元コンビニならではの食べ物もいいお土産だよね。

写真にはないが、もみじ饅頭も食べた。美味。

 

 
 
帰りの電車は遅延もなく、予定通り到着。
栃木県は見事な青空だった。

 
 
帰宅し、両親に土産話をベラベラ話す。
旅行は楽しいが、家に帰ると心底ホッとするし、家族の顔を見て安心した。

一時間くらい話した後、旅の疲れを癒やすべく早々とお風呂に入ることにした。
大晦日は夜更かししたいし、新幹線や電車でたっぷり寝たが、帰宅したらホッとしたのか、疲れがドッときた。

 
 
帰宅して間もなく、因島から送ったお土産が届く。早すぎてビビる。

12月30日午後因島から郵送したものが31日午後に届き
12月30日夜広島駅から郵送したものは1月1日夕方に届く。

お父さんにはお酒のお土産


お母さんにはアナゴ家族の靴下と、鶴親子のストラップ

 

もみじ饅頭等は家族と同僚と友達と親戚に買った

 

はっさくどら焼きは母親とシェア。おいしかった。

 

まさかの、東京で作っていた。

 

家族、友達、同僚と食べるよ、はっさくゼリー
同僚への土産ははっさくゼリーともみじ饅頭セット。

 

お母さんとシェア。チョコレートコーティングもみじ饅頭。お高いだけあって、濃厚。

 

 
 
1月3日、因島で自分へ出した手紙(12月30日8:30)が届く。

私へ。
因島旅行は想像以上に最高だったよ。

 
 
 
 
私はずっと、旅行が楽しみだけど不安だった。
旅行に向けて動き出した11月頃、安定剤を飲む日が多かったからだ。

仕事や家の負担。
自分の体調。
母親の心身のこと。
父親のこと。

大丈夫かどうか、計画しながらも不安だった。
だけど今行かなかったらもう行けない気がして、行くしかないと言い聞かせていた面もあった。

 
 
12月に入り、安定剤は飲まなくてもすむようになったが、仕事が忙しかったり、心身しんどかったし、母親が不調になってしまい、やはり旅行が心配だった。

 
父親に母親を任せて旅行を三泊四日も楽しむのは心苦しかったし、母親がより不調になったらどうしようと不安だった。

 
もう旅行中、何かあっても両親は助けてくれない(母親の介護で父親は家を離れられない)。
自分一人でどうにかしなきゃいけない。

そう何度も思って旅に出たけど(実際母親も、これが最後の別れかもと思ったらしい)
帰宅後父親が私の旅行中、いざという時のためにお酒を一切飲まなかったと聞き、泣けてきた。

あぁ、私は愛されてるなぁ、思ったより一人じゃないのかもしれないなぁと思った。

 
また、親友にしても、旅行中私に何かあったら両親にかわってとんでいくと言ってくれて、ウルッとした。

 
 
旅行中、初日夜のホテルノックや、宮島での電車内外国人ケンカは怖かったが
大きく体調を崩さず、思ったより天気に恵まれ
無事帰ってこられて心からホッとした。

勇気と覚悟が必要だったが
三泊四日の広島旅行は想像以上に素晴らしく、行ってよかったと心から思う。

 
今年は大変なことがたくさんあった年だったが、年始には昭仁さんのサインが当たり、年末は因島に17年ぶりに行けた。
ワズビルツアーもあったし、アリーナ席で母親と楽しめたし、25周年イヤーで盛り上がった年でもあった。
今年はポルノで始まり、終わったのだ。

 
 
 
旅行から帰宅して約一ヵ月経つが、今でも初めての一人旅は私に自信や生きる活力を与えてくれている。

 
年が明けてからも、旅行話をしたり、旅行で買ったものを職場バッグにしたり、身につけたり、ひたすらにポルノの曲を聴いて過ごしている。

 
 
旅行中、親友とLINEをした。
親友は広島に五回以上行っている。  

親友は鞍の浦がおすすめだと言っていた。
私はまだ行ったことがないので行きたいなぁと思った。
今回は行けなかったが尾道も前に行ったときによかったし
呉は「この世界の片隅に」が好きなのでいつか行ってみたい。

そんな話で盛り上がった。

 
広島旅行から帰ってきたのに、私はまた広島に行きたくてたまらないのだ。
2025年も年末年始が9連休なので、行けたらまた行こうかとさえ思ってしまう。

 
 
福島にも行きたい。鬼滅の刃で有名な旅館に行きたい。
久々に宮城にも行きたい。仙台や松島に行きたい。因島もそうだが、私は海に浮かぶ島が好きだ。
川越にも行きたい。食べ歩きしたい。
親友おすすめ岩手にも行きたい。まだ行ったことがない。

あ~また旅に出たい。

 
そんなふうに私は、広島旅行以来旅行熱におかされ、旅雑誌や漫画やネット情報を毎日のように見ては次の旅に思いを馳せている。

 
 
 
夢は叶ったら終わりではなく、また次の夢に繋がる。

私の夢は、今年また旅に出ることだ。

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