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最後の会話
私が一人でパソコンをしていると
前施設長が部屋に入ってきた。
そして私に言った。
「真咲さんが働き出して早々に施設長が変わってごめんなさいね。」
意外な言葉に驚いた。
新施設長はもともと副施設長みたいな存在だったし
私はその人の方がより信頼しているし
大した問題は今のところない。
まだ前施設長は休みに入っていないし
役職はおりても
態度や言動は変わりないし
しきっているし
今はまだ大して変わりはない。
「今のうちに私に聞いておきたいことはない?」
ない……
とは言いづらく
某利用者の某行動について
対応に不安になることがあると伝えた。
実際は大して不安ではないが。
「私と〇〇さんは付き合いが長いからからかいあえるところはある。真咲さんもこれからもっと仲良くなれたら変わるわよ。」
と、なんだか惚気か自慢のようなことを言われ
そうですね、と答えておいた。
「私がいなくなったら大変だと思うけど」
と言われても
内心、人手的には大変かもしれないけど
メンタル的には楽かもしれないなぁとぼんやり思った。
前施設長はもうすぐ長い休みに入る。
復帰時期は決まっていない。
だけど
休む理由は希望にあふれた理由だ。
だからか分からないが
いまだに実感はわかない。
不安はなかった。
心配なことさえ。
施設長はもうすぐ休みだ。
二人きりで話すのはもう最後かもしれない。
少しだけセンチメンタル。