コウノドリ/鈴ノ木ユウ
「お前に子どもができたらこの漫画貸そうと思っていたんだ…」
という姉の言葉を遮って借りた『コウノドリ』
初めて読んだのは6年前。
妹は出産どころか結婚の予定もない。
私は今読みたい。
何年後に貸す気だ。下手したら一生読めないかもしれない。
昔は計画出産はできると思っていた。
妊娠したら、普通に健康な赤ちゃんが生まれると思っていた。
飲酒やタバコや無理をした場合、たまたま運が悪い人が、赤ちゃんの健康を損ねてしまうと思っていた。
だけど
夫婦生活を楽しみたいと思っていたのに想像以上に早く妊娠した人
流産や死産をした人
不妊治療をしないと赤ちゃんができなかった人
不妊治療をしても赤ちゃんが授からなかった人
障がいがある赤ちゃんを出産した人
健常児を出産しても後から障がいを持った子どもの親となった人
……を、私は何人も身近で見てきて
妊娠も出産も本当に奇跡なんだなぁって
大人になって感じるようになった。
『コウノドリ』を読んで尚更そう思った。
読んでいていっぱい泣いた。
特に印象的なのはアカリちゃんのエピソード。
一人では叶わない夢だから叶うかは分からないけれど
私はいつか子どもが生まれたら、男の子ならマサキくん、女の子ならイチカちゃんやアカリちゃんと名付けるのが夢だ。
この漫画を読んで今まで以上に
命の尊さや目の前で甥っ子がケタケタ笑う素晴らしさを感じた。
友人がこの前、妊娠中とても幸せな気持ちだったと言っていた。
私もいつかそれを感じる日は来るのだろうか。
連載はもう終わったのだが
去年、コロナ禍での産婦人科を描いた一冊が出版された。涙なしには読めない。