婚活パーティーに久々に行った結果その①
2019年冬。
私は同僚Aさんから久々にLINEをもらった。
AさんのLINEによると、旦那さんが仕事で婚活イベントに携わっていて
参加者があまりいないから、もしよければ私に参加してほしいという内容だった。
私は仕事関係者から結婚していないことを非常に心配されていた。
婚約破棄をしたことまでは、ほとんどの人が知っていたが
婚約破棄をきっかけに、私は自身の恋愛を仕事関係者に言うことをやめた。
婚約破棄を仕事関係者に伝えた時が惨めでしかなかったからだ。
彼氏がいるとか
誰かに告白されたとか
婚活をしているとか
そんなことは無意味だと思った。
婚約破棄をした以上、いよいよ結婚が確定するまで、恋愛は読めないと思った。
仕事関係者に言うことはない。
そんなわけで、恋愛や結婚についての話題のたびに
「いいご縁があればいいんですけどね。」
「仕事が忙しいんですよ。」
とかわしていたので
仕事関係者は心配をして、いくつか縁談の話を持ってきてくれた。
だから仕事関係者から婚活関係の話は、今回で3回目であった。
Aさんからは初めてだったが、みんな考えることは同じである。
皆さんの優しさがありがたいし、嬉しい。
私はAさんが好きだった。
Aさんは、私が同僚の中で一番好みの女性だった。
美人でかわいくて小柄で天然で優しくて親しみやすい。
娘さんは私と同じ名前だ。
その共通項が嬉しい。
更に、私はAさんの旦那さんが好きだった。
以前、Aさんの旦那さんがテレビに出たので見た。
「旦那はちんちくりんよ~(笑)」とAさんが言っていたが
まぁ謙遜しているんだろうなぁと思ったら
Aさんの旦那さんはなるほど、ちょっと想像とは異なった。
Aさんの旦那さんは素人とは思えないくらい受け答えが上手で、トーク力があり
お笑い芸人のような見た目とリアクションだった。
同僚の中で一番美人のAさんを射止めたのはどんな男性だろう、とみんなで噂をしていたが
テレビをみんなで見て、非常に驚いた。
あまりにも意外な組み合わせだ。
「私も旦那さんと出会いが●●だったし、出会いはどこにあるか分からないし、婚活でいいご縁があるかもしれませんよ♡」
なんて、Aさんに言われたら、悪い気はしない。
婚活イベントの内容も純粋に楽しそうだった。
夜は用事があったが、なんとか婚活イベントの後に向かっても間に合いそうだ。
Aさんには仕事でお世話になっていたし
生の旦那さんにも是非お会いしたい。
「そのイベント、参加してもいいですよ。」
私はAさんにLINEを送った。
そんなわけで、去年の冬、久々に婚活イベントに参加した。
参加が決まったのは確か、二日前だった。
婚活イベント会場は、仕事で何回か行ったことがある場所だったので
婚活用に着飾って自家用車で行くのは面白い。
割と大規模のイベントらしく、駐車場にはたくさん車が停まる。
友達同士で参加している方もいるようだが
私はぼっちでも気にしない。
むしろ、友達同士で参加すると
同じ人が気になったり、片方が上手くいったりした時に色々複雑な気持ちになることを私は知っている。
受付には看板が飾ってあり、スーツを着た方や仮装した方がたくさんいた。
Aさんの旦那さんはここにはいないようだ。残念。
私は受付で紙をもらい、必要事項や名札を記入していた。
隣には私と同じくぼっち参戦の女性がいて、彼女が私に話しかけてきた。
相手「一人ですか?」
私「一人参加ですよ~。」
相手「私は友達と参加したんですが、友達がまだ来ていなくて……一緒に行動してもいいですか?」
彼女はBちゃん。
話を聞くと、私と年がほぼ同じで、顔や体型が高校時代の友達によく似ていた。親近感がわく。
ぼっちで参戦しても、私はあっさり相方を見つけた。
私達は一緒にトイレに行き、色々話をしたりしながら会場に入った。
番号順に男女それぞれ椅子に座る。
スタッフも合わせたら、会場には約100名がいた。
私とBちゃんは席が離れていたので、ある程度話した後、私は番号順に座った。
会場を見渡すと、男女共に年齢が私と同じくらいなようだ。
ありがたい。
20代前半女性がいる婚活イベントは、30代女性には不利だ。
私はチラッと右隣を見た。
美人である。
何故だ…何故こんな美人がここにいるのだ………
私はチラッどころか、割とじっくり見た。
私は美人に弱い。
本当………
婚活イベントに参加するたびに思う。
女性はかわいかったり、美人で
コミュ力や常識がありそうな人ばかりで
彼氏がいても何らおかしくない人ばかりだ。
たまたま、今彼氏がいないだけだろう。
なのに男性は、どうしてこうも服装や見た目(容姿ではない。清潔面だ)からして
友達にもなりたくないような人ばかりなのだろうか。
どうして、素敵な異性はこぞって婚活イベントスタッフなのか。
婚活イベントスタッフにアプローチをかけるのは禁止されている。
世知辛い世の中だ。
通常の婚活イベントはプロフィールシート(履歴書みたいなもの)を書き
回転寿司方式と呼ばれるやり方で男女が向かい合ってそれを交換し
3分ほど全参加異性と話す。
だが、今回はまず、全参加者が席を立ち、みんなでジェスチャーゲーム等ミニゲームを何種類かやることになった。
緊張をほぐす目的だという。
なるほど、斬新だ。なかなか面白い。
アラサーからアラフォーの方々100名くらいで、小学生時代のようなレクリエーションをやるのは久々だ。
自然と笑みがこぼれるし
レクリエーションがきっかけで、何名かの顔や名前や印象が残った。
そんな中で、プロフィールカード交換会がスタートした。
なるほど、通常より話しやすい。
個人個人に割り振られた時間も長めなのもありがたい。
「初参加ですか?緊張しちゃいますよね~。プロフィールカード交換の時は………」
婚活イベント経験値がやたらある私は、婚活お姉さんのごとく、緊張する男性にはアドバイスをした。
婚活イベント時は、大抵女性が会話をリードしなければいけないが
リードを通り越してアドバイスをしている私は
もはや何をしに来たか分からない。
参加異性全員ととりあえず話したが、相変わらず、可もなく不可もない。
一目惚れ以外で、そんなに簡単に恋に落ちたら苦労はしない。
一通り男性とプロフィールシートを交換した後は、靴に履き替えて、イチゴのビニールハウスへと移動になった。
今日はイチゴ摘み&食べ放題なのである。
ビニールハウス移動時、見事に同性同士で固まった。
私はBちゃんとその友達と3人で話しながら向かっていたが
周りにいたぼっちの方も話に加わり
女性5人でワイワイ話した。
やはり皆さん、異性に対して可もなく不可もないらしい。
「異性よりイチゴよね。」と言い合った。
今日は5種類の品種のイチゴ食べ放題なのである。
ビニールハウスの入口には、Aさんの旦那さんがいた。
「Aさんの旦那さん!どうも、いつも奥様にはお世話になっています。」
と私が声をかけると
席順で右隣にいた美人な女性Cさんが私の顔を見た。
C「ともかさん、今の方、ご存知なんですか?」
私「同僚の旦那さんです。今日も、同僚から誘われてきました。」
C「やだぁ!私と一緒じゃない!!(笑)」
どうやらCさんの話によると、CさんとAさんの旦那さんは仕事の関係でつながっていて、やはり今日女性参加者が少ないらしくて頼み込まれたらしい。
「Aさんの旦那さんにはお世話になっているからね。」
とのこと。
話を更に聞くと、私の仕事とCさんの職場は関連があるどころか、私の知人がCさんの職場にたくさんいて、私達は一気に話が盛り上がった。
もはや婚活どころではない。
私「いつも仕事でお世話になっています。」
C「こちらこそ、いつも仕事でお世話になっています。」
私達は仕事の話や、AさんやAさんの旦那さんの人格の素晴らしさや熱心な仕事ぶりについて熱く話した。
Cさんは私と同い年であり、結婚に意欲的ではなかった。
「さぁ、せっかくの機会です。皆さん、苺狩りをしつつ交流してください。」
と司会者に言われても
同性同士で固まってキャッキャする方が多かった。
私とCさん、そしてBちゃんの友達は意気投合し
イチゴを食べつつガールズトークをしていた。
せっかく5種類の品種だ。
参加費用もあるし、たくさん美味しく食べよう。
あぁイチゴは美味しい。
しかし、Cさんは美人なため男性が話しかけ、Bちゃんの友達も男性が話しかけてきて
私は私で男性が話しかけてきた為
楽しい女子会苺狩りは終わりを告げる。
AさんやAさんの旦那さんの立場もあるし、あんまり女子会盛り上がってもまずいしなぁ……
と、私は適当に男性と苺狩りをしたり、話をした。
だがやはり、可もなく不可もなかった。
苺狩りの後、再び建物内に戻った。
道中はやはり、女子5人くらいで固まってガールズトークで盛り上がる。
番号札は婚活イベント申し込み順であり
どうやらCさんや私やそれ以降申し込みをした女性は
ほとんどがAさんやAさんの旦那さんの人徳で参加したに過ぎないことが判明した。
つまり10人以上の女性が、婚活イベント二日前や昨日、今日申し込みをしたという
ギリギリな綱渡りの婚活イベントだったのだ。
AさんとAさんの旦那さん、人徳すごい。
建物内に戻ってからは、男女三人ずつでグループを作った(端数人数グループもあった。男女比が異なるからだ)。
私はCさんとグループが別れた。
C「いやぁ~ともかさんと一緒のグループがいいぃぃぃぃ!」
私「Cさぁぁぁぁん!!」
何故だろう。
婚活イベントに参加したのに、私達は男性とよりもあっさり仲良くなった。
どうにも私は婚活イベントで、このように女性とばかり仲良くなってしまう。
私が割り当てられたグループのメンバーは、苺狩りや道中で関わっていないメンバーだった。
「よろしくお願いします。」
とお互いに言い合う。
苺狩りの後は、グループ活動になる。
グループで①イチゴのスムージー、②イチゴのケーキ、③イチゴサンドを制限時間以内に作らなければいけない。
①③は作り方が決まっていて、見本通りに作る。
②のケーキに関しては、各グループごとに好きなようにデコレーションした方がいい、とのことになった。
「はい、用意………スタート!」
司会者が告げる。
他のグループが動く中、うちのグループはなかなか動かない。
女性陣は内向的だし、男性陣は優柔不断だった。
あーもう!
苛々する!
黙ってたって、話は進まないんですけど!
最初は私も控えめに様子を見ていたが、面倒くさくなり、「まずは段取りが分かっている、スムージーとイチゴサンドを作りましょう。デコレーションはこうしたら?あぁしたらどうでしょう?」と私は口出しをし、仕切りだした。
たまたま、趣味でケーキのデコレーションをよくやっていたのが私の強みだった。
「●●さんは○○していただいていいですか?▲▲さんは××お願いします。私は△△やります。」
私はガンガン指示を出した。
グループ行動は、誰かがやる、と無責任になりがちだ。
みんなが消極的なら、指名制にして役割は与えるべきだ。
図々しくて偉そうに見える女だろうなぁ…嫌な役割だ…………と思ったが
うちのグループは進みが遅いし、①~③ができあがらないと連帯責任になってしまう。
名札があるので、私は指名して指示した。
見知らぬ人とのグループ行動や活動はメンバーに左右される。
仕事の研修もそうだったが、この日のグループメンバーバランスは、他グループに比べてあまりよくなかった。
私が偉そうに仕切りだした頃、男性のある方も見かねて口を出したり、動き出した。
謂わば男性リーダーだ。
その人はチュートリアルの徳井さんに似ていた。
以下、徳井さんと呼ぶ。
徳井さんは一人暮らしなのだろう。
手際がよい方だったし、動けたり、コミュ力がある方だった。
男性陣の中では一番頼もしく、またイケメンだった。
デコレーションケーキを作っていると、スタッフの方から幻の白いイチゴをいただいた。
幻のイチゴはありがたいが、白いからデコレーションに不向きで、てっぺんに乗せた。
なお、味は特別美味しくなかった。普通である。
スタッフの方に各グループごとに写真を散々撮られ、デコレーションケーキについて評されたりしながら
なんとか制限時間内に指定されたものが仕上がった。
先ほどイチゴを食べ放題した後に
イチゴのスムージー、イチゴサンド、イチゴのケーキを食べた。
コーヒーも出された。
く、苦しい……
甘くて美味しいが、お腹が苦しい。
他の参加者も苦しそうだ。
イチゴ狩り&イチゴの簡単な調理、と参加要項には載っていたが
まさかこんなにボリューム満点とは。
私含めほぼ全員がイチゴサンドは持ち帰りにした。
ケーキも、一人一切れではなかったのである。
イチゴの味を堪能したところで、異性の誰が気に入ったか第三希望まで書き、本部に提出した。
参加人数が多いため、集計は時間がかかる。
私は相変わらず、女子5人でかたまって話していたし、楽しかったので
LINEのIDをメモ帳に書いて渡した。
「もしよければ、今後も情報交換したり、会いましょう。」と私は話した。
みんな「ともかさん、本当に今日ぼっち参戦?みんなと初対面なの?コミュ力すごくない?」
私「福祉職ですから、どんな人ともある程度話せるスキルはあるかもしれません。人見知りしませんし。」
みんな「いや、福祉職関係ないって(笑)出会って数時間に見えないんだけど!」
C「ともかさん、グループLINE作って。そういう仕事、早そう。」
私「いいですよ~!はい、作りました!グループ名もバッチリ。画像は良さげなのがないので、帰宅後に撮影して変更します。」
C「本当仕事早いわ(笑)」
そうして、私は婚活イベントで女性5人のLINE交換に成功した。
本当、私は婚活イベントに何をしに来ているのだろうか(笑)
女子はいい。
みんなかわいくてきれいで
話していて楽しくて。
友達はすぐに作れる。
なのに、恋愛は何故上手くいかないのだろうか。
スタッフの方から、集計が終了したと言われ、私達は男女列別々に、番号順に席に着いた。
私は婚活イベントで誰かと連絡先交換をしたことはあっても
カップリング成立はしたことがなかった。
だから今回もカップリング成立はないと
この時はまだ信じきっていた。
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