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恋はスリルでショックでサスペンス

「君が好きだ。一緒に死んでくれないか?」

 
私が初めて異性に告白されたのは18歳の時で
トキメキ以外で胸を震わせていた。

その人は見知らぬ方で
病める時や健やかなる時に私と一緒にいたいと願うのではなく
何故か心中を願った。

 
少女漫画が大好きで恋に憧れを抱いていたのに
実際の恋は実にスリルでショックでサスペンスだった。

愛内里菜の歌を地で行く。

 
 
 
回答を間違えたら死ぬ。

 
 
初めての告白で
こんなに違う意味でドキドキしたのは私くらいじゃなかろうか。

 
相手の顔は真剣そのもので
包丁を隠し持っていてもおかしくない。

 
 
 
「ごめんなさい。一緒には死ねないんです。」

オシッコをちびらないで
頭を下げながら言えた昔の私を褒めたい。

 
その人は無言でゆっくり立ち去った。

 
 
私は助かった。
あれから15年以上が経ち、30代になった今も生きている。

その人がその後どうなったかは分からない。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
※こちらは以前noteに書いた記事を、岸田奈美さんのコンテスト「もうあかんわ」用に推敲したものです。   
更に詳細が気になる方は、こちらを読んでください↓

 
初めての告白は死の香り
 
 

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